Conversion(コンバージョン)は変換、転換、交換を意味する英単語だが、マーケティングの世界では消費者や見込み顧客から顧客へ変換することを示し、変換した割合のことをConversion Rate(略して「CVR」)コンバージョン率、顧客転換率という。
Webサイトやアプリストアのようなサービスのタッチポイントへアクセスした人(訪問者)のうち、購入や申込みなどのサービス提供者が期待する転換に至った割合を示す。
CVRの定義と例
「サービス提供者の期待する転換」と「あるタッチポイントにおける全訪問者数」の定義はサービスの特性・フェーズ・成長戦略によって変わる。
具体的な例には次のようなものがある。
- 資料をダウンロードした人数 / Webサイトに訪問した人数
- 商品を購入した人数 / Webサイトに訪問した人数
- アプリをインストールした人数 / 広告を経由してアプリストアに訪問した人数
CVRの計算方法
「Webサイトへ訪問した人のうち、商品を購入した」ケースにおけるCVRの計算方法を考える。
以下の図のように、あるECサイトへ6人がアクセスし、そのうち2人が商品を購入したとする。この場合、サービス提供者の期待する転換をした人数(以下、コンバージョン数)は「購入者数」で、CVR = 2(購入者数)/6(訪問者数) なので、33.3%という計算になる。
CVRを利用した効果測定例
広告などの施策の費用対効果を計測する際にCVRを測定して判断することがある。たとえば、あるECサイトで3種類の広告を使用する際に、どれが一番有効だったかをCVRを使って判断することが出来る。訪問者数とコンバージョン数を以下のように定義し、CVRを計算する。
- 訪問者数:広告を経由(クリック)してサイトへアクセスした人数
- コンバージョン数:商品を購入した人数
3種類の広告(A/B/C)の結果が次のようになった場合、商品を購入した人数だけで判断すると、80人購入した、広告Cが最も良い結果に見える。
しかし、1人訪問するたびに費用が発生する広告の場合、訪問者が増えるほどコストが膨らむため、訪問者数も考慮しなければならない。CVRは広告Aが一番高い事から、最も費用対効果の良いのは広告Aであることがわかる。
CVRを使用する際の注意点
CVRを使って費用対効果を計測すれば効果的な広告を判断できるが、その広告が誤解を招くような表現になっていないか注意しなければならない。
例えばダークパターンのアプローチで集客を行った場合、CVRが高くても継続率や口コミに悪影響が発生しうるため、常にユーザーの目線に立ちUXを毀損する可能性がないか検討する必要がある。