情報の粒度(細かさ)を変えずに、「類似」「同列」「同階層」として扱える項目をグルーピングすることで、選択肢の把握や比較を容易にする。
たとえば、「動物」という上位カテゴリの中で、「犬・猫・ウサギ」と並べるのが水平チャンクであり、それぞれの関係が等価である(上下関係がない)点が特徴である。
提唱者

Dr.Richard Bandler リチャード・バンドラー 引用:https://nlp-jp.com/richardbandler/

ジョン・グリンダー博士 John Grinder Ph.D 引用:https://www.nlp-school.jp/koushi_grinder.htm
この概念は、明確な個人の提唱というよりも、神経言語プログラミング(NLP:Neuro-Linguistic Programming)における「チャンク理論」の一部として定義されており、NLPの共同開発者であるリチャード・バンドラー(Richard Bandler)およびジョン・グリンダー(John Grinder)によって普及された。
デザインへの応用と具体的事例
活用方法:
水平チャンクは、特に情報設計(IA)やナビゲーションデザインにおいて有効である。ユーザーが迷わず選択肢を把握できるよう、同じレベルの情報をわかりやすく提示する設計の基盤として活用される。
具体的な活用シーン:
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ECサイトの商品カテゴリ設計
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「家具」カテゴリの中に「ソファ」「テーブル」「イス」「収納」などを並列に配置することで、ユーザーは目的の項目をスムーズに見つけやすくなる。
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オンボーディングのステップ提示
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「アカウント作成」「プロフィール設定」「通知設定」を同じレベルで並べて表示し、どの順でも完了できる印象を与える。
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FAQやヘルプページの構造化
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「アカウント」「支払い」「配送」「返品」というように、テーマ別で等価な情報を並列表示することで、ユーザーが目的の回答にたどりやすくなる。
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ナビゲーションバーの設計
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「ホーム」「製品情報」「サポート」「お問い合わせ」などを同一階層で配置することで、認知的負荷を軽減し、情報探索がしやすくなる。
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この場面で使える
水平チャンクは、「情報量が多く、分類に迷うとき」「階層を深くしたくないとき」「ユーザーに選択肢の網羅性を感じてもらいたいとき」に特に効果的である。
プロダクト設計においても、「複数の選択肢を提示したいが、優先順位はつけたくない」といった場面で活用される。視覚的には「カード型UI」や「タブナビゲーション」などがこの設計方針を反映している。
補足:チャンクダウン/チャンクアップとの比較
チャンク手法 | 説明 | 用途例 |
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チャンクアップ | 抽象化して上位カテゴリを導く | 意味の統一、ビジョンづくり |
チャンクダウン | 具体化して詳細に分解する | 実行計画、UI要素の仕様化 |
水平チャンク | 同じレベルの情報を並列化する | ナビゲーション、選択肢の整理 |
関連用語