人は、常識と異なる状況での判断は、エラーを起こしやすい。
既に、常識(標準)と認識された記憶と矛盾することで、直感的に判断できなくなるために起きる。
干渉効果の中でも、意味と色に関して矛盾した状況で思考力が低下してしまうことを「ストループ効果」という。
干渉効果を実験するストループテスト
干渉効果を実証する実験としてストループテストがある。
「右」「左」の漢字が記載された文字を上から順番に読む場合、右側に「右」という文字が書いてある場合は矛盾はないが、左側に「右」と書いてある場合はスムーズに読めない。
同様に、太字で「太」と書かれている場合は、文字の意味と状態が一致しているのでスムーズに読めるが、細字で「太」と書いてあると矛盾するため読み間違えることある。
文字の意味と状況(表示)が一致している場合は、直感的で速い思考(システム1)で読むことができるが、矛盾した状況では論理的で遅い思考(システム2)を働かせる必要がある。
→ 2つの思考モード(システム1・システム2)
干渉効果の実例
直感的な登録フォームをデザインする
登録ボタンがグレーで沈んでいる上に位置も左側にあるデザインは標準とずれているため、スムーズに進むことができない。
登録ボタンに色をつけて右側に置くことで、多くの人が標準的と認識しているデザインになり、直感的に登録することができる。
信号
運転中に標準的な配置から赤と黄色が入れ替わった信号機に遭遇すると、赤が点灯していても直感的に認識できず、事故を起こしやすくなってしまう。
標準的な色の並びであれば、スピードが出て素早く判断しなければならない運転中でも、赤の点灯をすぐに認識することができる。
デザインでは干渉効果を避ける
すでに標準となっている色使いや配置を変えたデザインはユーザーを混乱させるだけなので、あえてそれを破ってまで表現したいことがある場合を除いては極力避ける必要がある。
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