LLM(大規模言語モデル)は、(Large Language Model)の頭文字で、日本語では「大規模言語モデル」と呼ぶ。
その名も、大量のテキストデータを学習し、人間の言語を理解・生成できる人工知能モデルである。数百億から数兆規模のパラメータを持ち、文脈を理解しながら自然な文章や会話を生成することが可能である。
特徴
- 膨大なデータ学習:ニュース記事、書籍、ウェブ情報などを基盤に学習している。
 - 言語理解と生成:質問応答、要約、翻訳、文章作成、コード生成など多様な応用が可能。
 - 汎用性:特定分野に限らず幅広いタスクに対応できる。
 
提唱・開発の歴史
- LLMという用語を特定の人物が「提唱」したわけではなく、AI研究コミュニティの中で広がった技術的呼称である。
 - 大きな転機は 2017年にGoogleの研究チームが発表した「Attention is All You Need」 論文である。この中でTransformerという新しいアーキテクチャが提案され、LLMの基盤となった。
 - その後、OpenAIのGPTシリーズ、GoogleのPaLM、MetaのLLaMAなどが代表例として登場している。
 
デザイン上の利用方法と具体例
利用方法
LLMは自然言語でのインタラクションを可能にするため、UXやプロダクトデザインにおいて「人間に近い自然な体験」を設計する際に活用できる。
具体例
カスタマーサポート
- チャットボットがFAQを自然な会話で案内。
 - 例:銀行アプリで残高照会や振込方法を自然文で質問できる。
 
教育サービス
- 学習者のレベルに合わせて説明を調整するAI家庭教師。
 - 例:小学生向けにはやさしく、高校生には専門的に解説。
 
クリエイティブ支援
- 広告コピーやUXライティング案を大量に生成し、デザイナーの発想を広げる。
 
医療・ヘルスケアアプリ
- 患者に分かりやすい言葉で説明を自動生成し、不安を軽減する。
 
プロダクト・コンテンツデザインの観点での活用シーン
- ユーザーインターフェース設計:自然言語による検索や操作を実現する。
 - パーソナライズ:ユーザーの文脈に応じて回答を変えることで、より個別最適化された体験を提供する。
 - コンテンツ生成:記事、要約、レコメンドなどをスピーディに提供する。
 
有名なLLMの種類
・ChatGPT・・・OpenAIが開発した、GPTベースのLLM
・Gemini・・・Googleが開発したマルチモーダル対応の生成AI
・Claude・・・ChatGPTの対抗馬としても知られる高性能AIチャットボット
・Microsoft Copilot・・・Microsoft 365とも連携可能なAIアシスタント
・Llama・・・Metaが提供する研究者向けオープンモデル
・Google Gemma・・・Googleが開発した軽量なオープンモデルのLLM
・Qwen・・・中国のAlibaba Cloud発の最新大規模言語モデルファミリー
関連用語
- ディープラーニング → モデルを「最初から学習」する
 - RAG→ モデルに「外部知識」をつなげる
 - トランスファーラーニング → 既存の知識を「別の分野に転用」する
 - プロンプトエンジニアリング → 「入力の工夫」で性能を引き出す
 - インコンテキストラーニング → 「その場の例」で一時的に学ぶ
 - ナレッジディスティレーション → 大きなモデルを「小さなモデルに縮小」する
 - ゼロショット/ワンショット → 「少ない例で推論」する