人は本能的に、情報をもっとも理解しやすく、まとまりのある状態で認識しようとする。この心理的効果をプレグナンツの法則という。ドイツ語の「プレグナンツ」は、日本語で「簡潔で意味のある」を意味する。
プレグナンツの法則は、人が情報を目にして認識する際の特徴をまとめる「ゲシュタルト原則」のひとつである。なお、ゲシュタルト原則は、情報を分解して認識せず、全体の構造を優先して認識するゲシュタルト心理学が基となっている。
提唱者はチェコの心理学者Max Wertheimerであり、ゲシュタルト心理学の創設者の1人である。
情報を「もっともわかりやすく」認識する
プレグナンツの法則とは、情報をもっとも分かりやすく認識する心理作用である。なぜ発生するかをゲシュタルト原則から簡単に説明する。
【ゲシュタルト原則】 人は全体の構造を優先する
人は以下の図を見た時、4本の線が中心に集まっているものとは認識せず、2本の線が交差しているものと認識する。これはゲシュタルト原則に基づき、全体構造を優先して認識することを示している。
【ゲシュタルト原則】 連続性の法則
以下の図を「2本の線が存在する」と認識する時、Bのように「中央で折り返す線」ではなく、Aのように「曲線が2本交わっている」と認識する。人は延長線上にある情報を優先して同一のものと認識する。これもゲシュタルト原則に基づくもので「連続性の法則」と言う。
【ゲシュタルト原則】 類似性の法則
以下の図を「2本の線が存在する」と認識する時、BよりAの様に同じ形状の線を1つのまとまりと認識する。人は似ている情報を優先して同一のものと認識する。これもゲシュタルト原則に基づくもので「類似性の法則」と言う。
より分かりやすく認識できる方を優先する
以下の図の場合、Aは類似性の法則、Bは連続性の法則でそれぞれ認識できる。しかしBよりもAの方が複雑ではなく、簡潔に理解できるため、Aのように波線と直線という2本の線として認識する。
このようにゲシュタルト原則の中でも、よりわかりやすく認識できる方を優先することを「プレグナンツの法則」または「良いゲシュタルトの法則」と呼ぶ。
関連用語
- ゲシュタルト心理学
- ゲシュタルト原則
- 類似性の法則
- 連続性の法則