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ペーパープロトタイプ paper prototype

デザインのプロトタイプ(原型)を紙に書き出し設計したもの

デザインのアイディアを紙に書き出してプロトタイプ(原型)にしたもの。ペーパープロトタイプを作成することを、ペーパープロトタイピング[動詞]と言う。

建築や精密機器など、どんなプロダクトでも紙に記載したプロトタイプを指すが、ここではデジタルプロダクトについてのペーパープロトタイプについて解説する。

 

ペーパープロトタイピングは、頭の中のアイディアを出す行為

ペーパープロトタイピング:頭の中のアイディアを可視化させる

ペーパープロトタイピングで、頭の中のアイディアを紙に手書きで表現することで自由にアイデアを形にすることができる。パソコンなどデジタルツールでプロトタイプの作成も可能だが、真っ白なキャンバスから作り始めたとしても、ツールに入っている素材を組み合わせようとしたり、ツールにある形状でのみで作ってしまったりと、紙に比べるとアイデア表現の自由度が劣る。

紙にコメントやアイディアをさっと記載できるのもメリットだ。もちろん、デジタルツールでもコメントは入れられるが、テキストのみが一般的なので、ペーパープロトタイプの方が自由度が高い。

そして、何よりのメリットは手早くできるということだ。 いくらデジタルツールに慣れている人でも、アイディアをざっと出すのは紙やノートのぺンで書くようには行かない。しかし、作成した枚数が多くなったりするとデジタルツールの方が利便性が上がるので、ペーパープロトタイピングをアイデア発想のどのレベルまでやるのかは、自分のやり方と経験によって変わる。

ペーパープロトタイピングを行うタイミング

ペーパープロトタイピングは、プロダクトの要件をまとめ、スコープを決定し、ユーザーのコンテキストをリサーチしてカスタマージャーニマップに落としこんでUX設計行ったあと、UIに関わる部分をどのように設計するか可視化させていく工程で行われる。

割愛される現場もあるようだが、時間をかけて行うものではなく、数時間ほどでアイディアをどんどん出すことができる大事な工程である。

ユーザーの行動を言葉に書き出したユーザーストーリーを作成することになるが、必ず抑えるべきポイントとしては、リサーチから出てきた情報やコンテキストをカスタマージャーニマップにキチンと載せ、それを忘れないことだ

ペーパープロトタイピングを行う流れは以下のようになる。

  1. サービスのユーザー導線をテキストやビジュアルで付箋などに書き出す
  2. 一連の流れが完成したら、システムの操作を考慮したUIレイアウトやコンテンツ要素に落とし込む、この段階でペーパープロトタイピングが行われる
  3. 概ねのUIパーツができあがったら、一連の流れとして設計したタスクをユーザビリティテストで検証する

ペーパープロトタイピングで素早くユーザビリティテストができる

ペーパープロトタイピングを使って、ユーザビリティテストを実施できる。素早くユーザーの操作の一連の流れをチェックできることと、発見した課題の修正をテスト中でも即座にできることがメリットだ。 プロトタイプをユーザビリティテストで利用してみるとシナリオによっては足りないUIが出てくるが、テストのモデレーターが補足して理解できる範囲であれば問題ない。

良いペーパープロトタイプと悪いペーパープロトタイプ

プロトタイプはデザインの原型で一番の骨格である。そのため重要な要素は必ず載せなくてはならない。ダミーテキストで作られているペーパープロトタイプを見ることがあるが、どんなコンテンツ要素がユーザーにとって必要か明確になっていない状態のときにダミーにしていることが多い。ダミーテキストではユーザーの行動にとって必要な情報が見つかるかどうかテストして判断できないため、基本的にダミーテキストは利用してはいけないのが原則である。

ペーパープロトはダミーテキストはNG

ペーパープロトの良い例と悪い例

 

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