Webサイトの導線・情報設計における、「クリック数」に関する理念。ユーザーが最も少ない行動で、目的の情報に辿り着けるようにするための考え方。
わかりにくく、いろいろなページを回遊しないと目的の情報を見つけられないのは、不満に感じてサイトを離れてしまう懸念がある。実際に直帰率が高い理由のひとつである。
3クリックルールが意味していることは、必ずしも3クリック以内にしなければならない、ということではなく、直感的に理解しやすい情報設計・サイト設計にすべきということである。わかりやすい導線を用意するためには、CTAも活用される。
3クリックルールは分かりやすい構造にするための指針
3クリックルールの提唱者は、「Web標準の父」のあだ名を持つ、Webデザインの権威であるJeffrey Zeldmanである。ゼルドマン氏が3クリックルールで伝えたかったことは、直感的に操作できるように論理的なサイト設計をすべきということである。
ゼルドマンは、「Taking Your Talent to the Web(2001)」という書籍で、「3クリックで辿り着けるような設計は、Webを人々が正しく用いる原理に基づいている」と述べている。ユーザーは、3クリックで求めている情報を見つけられないと、離脱して他のサイトに行ってしまう可能性がある。3クリックで目的の情報を見つけられるほど直感的かつ論理的な階層構造を持つサイトを作成するための指針として唱えた。
ゼルドマン氏は、3クリックで全ての情報にリーチできなければならない、と提唱しているわけではない。分かりやすい構造にするための指針として3クリックルールを提唱している。
クリック数は満足度に影響を与えない
3クリックルールは、3回のクリックで全ての情報に辿り着くことを目的としているわけではない。わかりやすい情報構造を用いれば、少ないクリックでも目的に辿り着きやすくなり、満足度は維持できる。その一方で、「クリック数が多いことと満足度は、影響し合わない」という調査結果もある。
クリック数によって満足度に影響しないことを実証するため、UXコンサルティングファームのUIEは、「クリック数で満足度が変化するか」を計測した。
目的の情報にアクセスするまでに、「必要なクリック数が増えることで、サイトに不満を感じるユーザーの割合は変化するか」を検証したところ、クリック数の量に関わらず、ユーザーの46%から61%が不満を感じていた。また、6回までは不満に感じる一方、それ以上は不満に感じない結果が出た。
この実験の具体的なUIは公開されていないため、どこまで正確性が高いかははっきり言えないが、わかりやすいクリックであれば、ユーザは不満に思わない可能性もある。
つまり、「クリック数が増えても、直接的に不満を感じるということはない」ことが実証された。
情報を見つけやすくするためのCTA活用
3クリックルールの本質は、ユーザーが目的を達成するために、効率良く情報を見つけられるように配慮することである。
効率よく目的を達成するために、ユーザーに達成してもらいたい行動を喚起させるCTA(コールトゥアクション)を配置することは効果的だ。
例えば、以下に記載した画像の転職支援サイトでは、会員登録を行いやすくするために、最短ルートとしてのCTAを配置している。CTAを置くことで、ユーザーが転職相談に応じやすい流れを整えている。
最初から全ての希望条件を選択してもらうのではなく、ステップを分けて希望条件を選択してもらう。ステップを分けて登録を進めてもらうことで、ユーザーが情報を探す負荷を感じずに、効率良く目標に辿り着ける導線を用意している。
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