ユーザーインタビューを行う際に、テーマだけを決めておき、回答者(被験者)には自由に話をしてもらうインタビューの形式。インタビューを行なっている間、インタビュアーは必要に応じて自由に質問内容を変える。
インタビュー中はインタビュアーから質問を投げかけて進行するわけでなく、対話形式で進行する。ユーザーが普段生活している環境に身を置き、ユーザーについて深く理解するコンテクスチュアル・インクワイアリが非構造化インタビューの代表的手法である。
非構造化インタビューが役立つ状況
非構造化インタビューを活用すべき代表的な状況は、サービスのコンセプトが固まっていない場合や、仮説も立てられないほどユーザーに関する情報が少ない場面である。
ヒアリングする内容を詳細に固めず、テーマだけを設定して回答者に自由な意見を求めることで、新しい発見や検討すべき筋道を見つけることができる。
非構造化インタビューの形式を取る際には、ユーザーからあらゆる情報を学ぶ姿勢で取り組むと、貴重な意見を聞ける。
相手に対する共感を育める
非構造化インタビューでは、回答者の意見だけでなく、どのような環境で行動するのか、どのような手段を取るのか、どのような心境なのかという、回答者の行動や考えていることや感じていることも対話形式で聞くため、相手に対する共感を育める。
話が脱線する可能性が高い
インタビュー中は回答者主導で話が進むため、当初予定していたテーマから脱線した内容になる可能性がある。ただし、テーマから脱線していると感じたからといって即座に話を遮って当初のテーマに引き戻すべきではない。
インタビュアーに関係ないと感じても、回答者としては当初のテーマに深く関係していると思っている場合があるため、遮ることなく話を聴き続けるべきだ。聴き続けた結果、完全に話が脱線していると判断した際には、「今回はこういったテーマのお話を聴きたいのですが、今のお話はどのような繋がりがありますか?」といった、テーマの再確認を行うことで当初予定していたテーマに引き戻すことができる。