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クリックスルー率(CTR) Click Through Rate

自然検索やインターネット広告などで使われる、クリックの割合を知る指標

Googleなどの検索エンジンを利用した際の自然検索やインターネット広告で表示されたうちのクリックされた割合を測る指標である。略称として「クリック率」とも呼ばれ、Click Through Rateの頭文字をとって「CTR」と表現する。

CTRを算出する時は、インプレッション数(表示回数)とクリックされた回数を用いて次の計算式で求められる。

CTRの計算式

ある広告の表示回数が10,000件、クリック数が100件の場合は、CTRを算出する計算式に当てはめると、CTRは1%となる。

計算式 具体例

CTRを計測することで集客効果を測定できる

SEOに力を入れたり、検索連動型広告を用いることで、Googleの検索結果上部に自社のWebサイトを表示させることができる。CTRを適切に計測していれば、検索結果が表示された回数に対して、どのくらいの割合でユーザーが自社のWebサイトをクリックして訪問したのか把握できる。

仮に、インプレッションに対してクリックが少ない=CTRが少ない状態であれば、検索結果の表示内容だけでは集客効果を出せていないということだ。

検索結果の要素のうち、CTRの値に影響する要因として考えられるのは、以下の3点である。

  1. 検索キーワードとの適合性
  2. リンクタイトルとスニペットの訴求力・魅力
  3. 掲載順位

なお、スニペットとは、検索結果に表示されるWebページの内容を表した説明文である。HTMLのmetaタグとしてdescription属性に設定されたテキストが表示される場合が多い。

検索連動型の広告事例:Google検索

検索連動型の広告事例:Google検索

検索連動型広告は、多くのユーザーがタイトルとスニペットから、そのWebページに何が書いてあるかを判断し、クリックするかどうかを決めている。

広告のCTRに影響する「品質スコア」

Web上の広告において、検索キーワードに関連している広告はユーザーにクリックされやすい。他にもクリックされやすくなる要素として、訴求ポイントが明確であること、他社の広告との差別化ができていること等がある。

特に、Google検索連動型広告の掲載順位は、入札価格と広告の品質(品質インデックス)が影響する。品質は主に、推定クリック率(CTR)、広告の関連性、ランディングページの利便性によって判断され、1~10 段階評価でスコアリングされる。品質の良し悪しはCTRに強く影響する。

Google品質スコアを高める循環図

Google品質スコアを高める循環図

CTRを高めることは、広告掲載順位の上昇と、効率的な広告運用にも繋がる。

CTRを上げるにはUXが重要

「車両保険」という検索キーワードで表示される結果画面には、以下の2パターンがある。

Google画面上で表示される検索連動型広告の種類

Google画面上で表示される検索連動型広告の種類

Aパターンの広告は

「緊急時やトラブル時にも安心できる業界最高レベルのロードサービスがある任意保険。約9,500ヶ所のサービス拠点から現場へ急行でき自己対応満足度95.9%」

文中に「安心」「業界最高レベル」「事故対応満足度」など、損失を回避することを重視したフレーズを用いている。この表現を「予防焦点」という。

一方、Bパターンの広告は

「平均3万円、5万円以上も安くなる?無料 一番安い自動車保険が5分で分る。平均3万円下がる。」「おトクな保険料」

文中に「無料」「一番安い」「下がる」「おトク」など、利益を得られることを重視したフレーズを用いている。こちらの表現は「促進焦点」という。

人の動機には「損失を回避したいため」か「利益を得たいため」かの2パターンある。これを制御焦点理論といい、商品とサービスのプロモーションにも応用されている。検索キーワードから連想できるユーザーの動機に合わせて文章を工夫することで、CTRの向上に繋げられる。

ただし、コンバージョン率を上げるために、ユーザーが求めていない行動を強制してしまう「ダークパターン」に陥らないようにすべきだ。ダークパターンによってユーザーからの不満や不信を募らせてしまうと、CVR(コンバージョン率)の低下だけでなく自社のイメージダウンを引き起こし、長期的に見て不利益を被ってしまう。

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