エンハンシング効果とは、親しい友人や尊敬する先生が「すごい!」「がんばったね!」といった賞賛の言葉(自分にはない外部から与えられる刺激)をかけることで、相手のやる気が上がる心理現象のこと。賞賛効果ともいう。
例えば、風邪で休んだ友人の代わりに、ウサギ小屋の掃除をしていたところ、通りがかった担任の先生に「休んだこの代わりにウサギの世話をしてくれているの?とても素晴らしいね」と声をかけらたとき。先生に褒められることで、良いことをしているという自信が付く。
この現象は、1925年アメリカの発達心理学者エリザベス・ハーロック博士(Dr.Elizabeth Hurlock. )が行なった実験によって証明された。
褒めることは子供の成績に関係があるのか?
平均9〜11歳の子供を3つのグループに分けて、同じ教室内で算数のテストを5日間受けるという実験で、出題や時間などの条件は同じで、前日に受けた答案用紙を子供に返す時の先生の態度だけを変更した。
- A:どんな結果でも、できていた箇所をほめる。
- B:どんな結果でも、できていない箇所を叱る。
- C:どんな結果でも、何も言わない。
この結果、褒められたAグループの生徒は、日毎に成績が上がり、最終日には約71%の生徒の成績が上昇した。
叱られたBグループの生徒は2日目には約20%の生徒の成績が上昇したが、その後は成績が次第に低下するようになった。
Cグループに関しては2日目には約5%の生徒の成績が上昇したものの、その後ほとんど変化がなかった。