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フォッグ式消費者行動モデル Fogg’s Behavior Model

「モチベーション」「行動障壁/実行能力」「トリガー」の3要素が揃うと消費者は行動するという理論

消費者が購買や申込などの行動をするために必要な要素の相関関係を表したもの。「モチベーション」「行動障壁/実行能力」「トリガー」の3つの要素が満たされると人の行動は実現しやすくなる。スタンフォード大学のB.J. Foggビー・ジェー・フォッグ氏が提唱した。

写真 笑っている B J Fogg

ビー・ジェー・フォッグ氏(引用:wikipedia

フォッグ式消費者行動モデルは「B=MAT」という公式で表される。なお、「A」はAbilityアビリティの頭文字で実行能力を意味するが、フォッグ氏は「誰でも行えるほど簡単であること」も「A」に含めているため、ここでは「行動障壁」という意味も込められている。

フォッグ式消費者行動モデルの公式

フォッグ式消費者行動モデルの公式

本人のモチベーションが高く、時間がかからない等の行動障壁が低い状況であれば、行動を起こしやすいが、行動を起こすきっかけがなければ、人は行動を起こさない。全ての要素が満たされて消費者は初めて行動できる。

消費者の行動を促すためには3つの要素が必要

消費者の行動を促すためには以下3つの要素が必要不可欠である。

  • 高いモチベーション
  • 低い行動障壁/高い実行能力
  • 行動を促すトリガー
高いモチベーション、低い行動障壁、行動を促すトリガーが揃うと消費者が行動する

3要素が揃って初めて消費者は行動する

メールマガジン登録を例に考える

売上を伸ばす施策として企業がメールマガジン配信を検討しているとする。メールマガジンに登録してもらうために、3つの要素をどのように満たすべきか考える。

モチベーション

メールマガジン登録してもらうためには、登録フォームを設置するだけでは不十分である。消費者が登録したいと思うような特典を用意すべきだ。「ポイント付与」や「クーポンの配信」など、メールマガジン登録に対する消費者のモチベーションを向上させる工夫をすることでメールマガジンに登録してもらいやすくなる。

行動障壁/実行能力

具体的な行動障壁の一つに、所要時間や費用がある。メールマガジン登録をする際に、メールアドレスだけでなく氏名、性別、電話番号、住所など多くの情報を登録しなければいけない場合、所要時間という行動障壁を与えてしまう。メールマガジン登録に必要な情報を「メールアドレス」だけに絞ることで、消費者が行動しやすい状況となる。

トリガー

メールマガジン登録のフォームを提供したとしても、発見しづらい箇所にあっては行動に繋がらない。登録フォームを分かりやすい箇所に設置したり、メールマガジン配信の告知を行う等の「きっかけ」を提供することが必要である。

一方的なトリガーばかりでは消費者は行動しない

フォッグ式消費者行動モデルに沿って考えた場合、トリガーだけを多用することに意味はない。「高いモチベーション」「低い行動障壁」「行動を促すトリガー」の3要素がバランスよく存在していることが重要である。

一方的なトリガーで消費者に行動を求めるのではなく、モチベーションを高める施策や、使いやすさ・分かりやすさを兼ね備えることで、消費者が行動に移しやすい工夫を行うことが重要である。

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参考サイト

現在、システムエンジニアとして自社サービスの企画/開発を行なっています。 ユーザーファーストなサービス開発を心がけたいという思いから、UX DAYS TOKYOのスタッフとして活動を始めました。 最近はリサーチスキルを伸ばすために統計学を勉強している。

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