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神経言語プログラミング NLP Neuro-Linguistic Programming

人間の思考・言語・行動パターンをモデル化し、それを再現・改善するための体系的な技法

人間の「脳(Neuro)」「言語(Linguistic)」「行動パターン(Programming)」の関係を活用し、思考や行動をより良い方向に変える心理的なアプローチ。また、別名「脳と心の取扱説明書」とも呼ばれる最新の心理学。

Neuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)は「NLP」ともの略称で表示される。自然言語処理(Natural Language Processing)NLPと同じ略なので注意が必要。

NLP(神経言語プログラミング)とは

1970年代にアメリカのリチャード・バンドラージョン・グリンダーによって開発された、言語と思考のパターンを分析する心理学的なモデルで、心理療法家であるミルトン・エリクソン博士にちなんで名付けらた。

彼らは、卓越性の研究で、各分野で突出した成果を生み出す人たちは何をしているのか、優れたセラピストやコミュニケーターの行動パターンを観察・分析し、それをパターン化し、他者が再現可能なモデルとして体系化した 。
ミルトンモデルをはじめとする心理学や脳科学といった、さまざまな理論を統合し、誰もが活用できるようにしたスキル。

提唱者

Dr.Richard Bandler リチャード・バンドラー

Dr.Richard Bandler リチャード・バンドラー 引用:https://nlp-jp.com/richardbandler/

ジョン・グリンダー博士 John Grinder Ph.D

ジョン・グリンダー博士 John Grinder Ph.D 引用:https://www.nlp-school.jp/koushi_grinder.htm

NLPの図解

NLPの基本的な構造を示す図として、以下のようなものがある。

NLPの視覚的マップの画像

NLPの視覚的マップ:NLPの視覚的マップから作成

この図は、NLPの主要な要素やその相互関係を視覚的に示しており、NLPの全体像を把握するのに役立つ。

NLPは、デザイン領域においてユーザー理解の深化や創造的思考の促進など、多岐にわたる応用が可能である。
これらの技法を適切に活用することで、よりユーザー中心のデザインや革新的なソリューションの開発が期待できる。

ミルトンモデルの違い

NLP(神経言語プログラミング)とミルトンモデルは、両方とも自然言語の解析に関連しているが、異なるアプローチをとっている。

NLPは、人間の言語をコンピューターが処理するための技術であり、コンピューターによる自然言語の理解や生成を目的としている。これには、機械翻訳、テキスト解析、自動要約、感情分析などが含まれる。

一方、ミルトンモデルは、人間の言語における関係性や表現に焦点を当てた心理学の理論。
ミルトンモデルは、言語を使って他人を動かすためのテクニックや、コミュニケーションスキルを向上させる方法を開発するために使用される。

つまり、NLPは言語を処理するための技術的なアプローチであり、ミルトンモデルはコミュニケーションの心理学的なアプローチとなる。

項目 NLP ミルトンモデル
定義 人間の思考・言語・行動のパターンを扱う心理技法の体系 NLPに含まれる「言語パターン」の一種
役割 傾聴、観察、行動変容、目標達成のための広範な技法群 相手の無意識に働きかけるための抽象的な言語モデル
使用場面 コミュニケーション、教育、コーチング、自己啓発など幅広い分野 催眠、説得、カウンセリング、コーチングなどで重点的に使用
言語の特徴 明確・具体的な表現も含む(例:メタモデル) 曖昧・抽象的な表現を重視
開発元 バンドラーとグリンダーによって体系化 ミルトン・エリクソンの技法をモデル化

デザイン領域におけるNLP(神経言語プログラミング)の活用方法と具体例

NLPは、デザイン分野においても以下のような形で応用されている。

1. ユーザーインタビューの深化

NLPの「メタモデル」技法を用いることで、ユーザーの曖昧な表現や一般化された言葉を具体的に掘り下げることが可能となる。これにより、ユーザーの真のニーズや潜在的な問題点を明確に把握できる。

2. ペルソナ設計の精緻化

NLPの「表象システム(脳内で構築された内的な対象)」の概念を活用することで、視覚、聴覚、体感覚など、ユーザーが情報をどのように処理するかを理解し、それに基づいたペルソナを設計することができる。これにより、よりリアルで共感性の高いユーザーモデルの構築が可能となる。

3. デザイン思考の促進

NLPの「リフレーミング」技法を活用することで、問題や課題を異なる視点から捉え直すことができる。これにより、固定観念にとらわれず、革新的なアイデアや解決策を導き出すことが可能となる。

一般的な利用と具体例

一般的に、コーチ、カウンセラー、ビジネスパーソン、セラピストなどが以下の目的で利用する。PdMや人事部・経営者も1on1の実施や人の能力をアップさせるために活用できる。EX設計を行うUXデザイナーにも役立つ。

  • 自己啓発やコーチング
  • セラピーやカウンセリング
  • 人間関係の改善
  • モチベーションアップ

参考図書

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UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント 著書 ・ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインGoogle Search Consoleの教科書 毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。 UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう! スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。

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