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ゴーレム効果 Golem Effects

他者からの期待や関心が低いと、成績が低下したり、実力以下の結果を生み出してしまう心理効果

教師が生徒に、上司が部下へ否定的な評価をすると成績が落ちたり悪い結果を生み出してしまう心理効果。悪い印象を言葉に出さなくても、身振り手振りや表情によって関心の無さや否定的な感情が対象者に伝わり、成績や結果に影響する。

アメリカの教育心理学者Robert Rosenthalロバート・ローゼンタール氏が1969年に提唱した。

アメリカの教育心理学者
ロバート・ローゼンタール氏

主人の命令だけを実行する泥人形「ゴーレム」

「ゴーレム」とは、ユダヤ神話に出てくる自分で動く泥人形で、作った主人の命令だけを忠実に実行する召し使いかロボットのような存在。ゴーレムに命令するには厳格な制約があり守らないと攻撃される。額にemeth(真理)と書くと自分で動くが、額の文字の[e]を消してmeth(死)に変えることで泥人形に戻る。

他者から受けた影響(泥人形に戻されること)で自分の能力を制限してしまうことから、ゴーレム効果と名付けられた。

ゴーレム効果による2種類の悪影響

ゴーレム効果には、直接自身に影響がある絶対的ゴーレム効果と集団の評価から影響を受ける相対的ゴーレム効果の2つがある。

    • 絶対的ゴーレム効果

否定的な評価を受けた人物の成績が下がってしまう直接的な効果。
例えば、教師や上司から悪い印象を持たれた人物が、所属する集団の下位にいる時に起こりやすい。

    • 相対的ゴーレム効果

有能な人物の成績も否定的評価の集団に所属することによって低下する間接的な効果。

周囲の期待次第で人の成績は変化する

ゴーレム効果と対になるのが期待効果(ピグマリオン効果)である。期待効果は、教師の期待によって対象者の成績が上がる効果のことだ。

周囲の期待が人の成績を左右する

ゴーレム効果とピグマリオン効果の実証実験

ローゼンタール博士は、カリフォルニア州の小学1年生対象に「特別なIQを持つ生徒」を見つけるというテストを行った。テストに参加した生徒からランダムに選んだ名前を「特別なIQを持つ生徒」として教師に伝えて再テストを行った。

再テストの結果は「特別なIQを持つ」として扱われた生徒の平均IQは上がり、関心を持たれなかった生徒はIQが下がる傾向となった。

実験からも、他者から期待を持たれた人物は成績が向上し、期待を持たれなかった人物は成績が低下することが実証された。人は、周囲からの期待によって能力が左右されてしまうのだ。

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参考文献

UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント 著書 ・ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインGoogle Search Consoleの教科書 毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。 UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう! スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。

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