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コールド・リーディング cold reading

何気ない会話から相手に信じてもらうための会話術

相手の情報を事前に知らなかったり聞いたりしていなくても、外観や話し方、何気ない会話などから相手のことを言い当てることで、「私はあなたよりもあなたのことがわかっている」、「あなたを見抜く力がある」などと相手に信じてもらうための会話術の一つテクニックです。

話術や観察法のひとつであり、外観を観察したり何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当て、相手に「わたしはあなたよりもあなたのことをよく知っている」と信じさせる話術や観察法である。「コールド」とは「事前の準備なしで」、「リーディング」とは「相手の心を読みとる」という意味である。

コールド・リーディングの提唱者

ポール・E・ミール 

引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Paul_E._Meehl

アメリカの心理学者ポール・E・ミール 氏が、サーカスなどを営む興行師フィニアス・テイラー・バーナム氏の言った「”we’ve got something for everyone”(誰にでも当てはまる要点というものがある)」という言葉から 1956年に名付けた。

また、アメリカの心理学者バートラム・フォア氏(Bertram Forer) が、バーナム効果と名付けられる前(1948年)に、占いが当たる理由を調べていたため、この心理をフォアラー効果(Forer effect)とも呼ばれる。

【コールドリーディングとは】自分を分かってくれてる! と信頼される心理術

誰にでも当てはまりそうな曖昧な文章を組み合わせて作成した星占いで、学生たちの性格について心理検査を実施した。占いの精度を「全く異なる:0」〜「非常に正確:5」の段階で評価してもらった結果、平均は4.26と根拠もない文章でも当たっていると認識したのである。

人間の欲求とマルチプルアウトでハマりやすい

バーナム効果の用語が誕生したきっかけ、“we’ve got something for everyone”(誰にでも当てはまる要点というものがある)は、自分は平均以上であると思う「平均以上効果」や、マズローの欲求段階・人のことを助けたいなどが含まれるマレーの欲求など、生まれもった本能や欲求は誰にでも同じにように共通し、これらをどちらとも取れるマルチプルアウトで表現をすることでハマりやすくなる。

例えば、「あなたは積極的な面消極的な面を持っています。そして、社交的な面もあり臨機応変に対応できる人です。」は、両面のどちらとも限定していないマルチプルアウトで表現しています。

また、「あなたはどちらかと言えば、忍耐と努力で成功を掴んでいくタイプです。そして、他人が困っていたら手を差し伸べたいと感じる人です。」など、人が元々持っている欲求をそれぽく並べ、どちらとも取れる表現をすることで、自分のことだと思いこませることができる。ツールや心理は相手のアウトカムをベースにナッジの思想で利用しよう。

組織づくりに

基本的に人は自分を理解してくれる人や共感してくれる人に好意を抱きます。これらのコミュニケーションは組織でも役立つ。特に、先生や上司から言われたことは印象に残る。

例えば、部下に対して

「〇〇さんは、人に気を使って周りの好感を持たれる人の様だね!周りのことをきちんと考えている人だと思うよ。」

の様なことは、相手を上手に褒めているが、誰でも人に気を使うことはあり、よく考えれば多くの人にあてはまる内容である。しかし、受け手は上司から評価されたことで「自分のことをよくわかっている」と受け取る。

このように、コミュニケーションの1つとして活用できる。ただし、バーナム効果を狙うつもりでなく、部下を観察し、それらを言葉にすることが大切であることを忘れてはいけない。

関連用語

参考文献・書籍

UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント 著書 ・ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインGoogle Search Consoleの教科書 毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。 UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう! スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。

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