バッテリーから見るテスラ社のビジネスモデル

世界中で温室効果ガスの排出ゼロに向けた動きが加速しており、欧州では脱ガソリン車・ディーゼル車に向けた目標を掲げ、海外の大手自動車メーカーはEV車へのシフトが進んでいます。

電気自動車はバッテリーが命

テスラ(Tesla)は電気自動車(EV)のバッテリー性能に力を入れている企業です。普及する鍵となるのが「走行距離」であり、そのためには高いバッテリー性能が必要になります。

バッテリーを外注から内製へ

テスラはいままで、パナソニックなどのバッテリーメーカーで作成されたものを使用してきたが、2020年9月22日の「Battery Day」でバッテリー内製化を進めると発表しました。アメリカ、ネバダ州にある1万エーカーのリチウム粘土鉱床を取得するなど、バッテリー生産における原料調達の準備も着々と進めており、より安くより効率的にバッテリーを製造しようとしています。

テスラに搭載されているEV車用バッテリー(引用:EVSmartブログ)

テスラが内製化を進める理由

テスラが内製化を進める理由は主に「バッテリーの安定供給」「開発スピードの高速化」を実現するためです。

バッテリーの安定供給

バッテリーを製造する上で、特に重要となる原料がリチウムとコバルトです。EV車の普及に伴い、リチウムバッテリーの需要が急増したことで、需要と供給のバランスが崩れ、安定した供給が難しくなってきています。バッテリーはEV車では重要な部品であり、バッテリー不足はEV車製造スケジュールに大きな影響を与えます。テスラはバッテリー不足によるスケジュール遅延を回避するために、ドイツにギガ・ベルリンと呼ばれるバッテリー工場を建設するなど、自社で生産する体制を整えました。

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ギガ・ベルリン(引用:EVsmaerブログ)

開発スピードの高速化

内製化することで、開発スピードを上げることができます。他社に外注した場合、会社間のやりとりが発生してしまうため、決断に時間とコストがかかってしまいます。内製化すると社内でやりとりが完結するため、時間を短縮できるだけでなく、エンジニアチームが工場の生産チームと話し、改善のヒントをもらい、すぐに実行するといった、問題解決がやりやすくなるというメリットもあります。

また、テスラはバッテリーなど、冷却・加温が必要な部品の熱マネジメントを行うシステムも内製化しています。バッテリーが外注だと、バッテリーの修正を待つ時間が発生してしまうため、改善サイクルを高速化し、生産効率をあげる為にも内製化は有効です。

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引用:VCG/ Getty Images

トライ&エラーのマインドが新しいものを生みだす

テスラは「世界を持続可能なエネルギーへ」というミッションを掲げ、EV車を開発しています。ミッションを達成するためには未完成の技術を取り入れ、他の自動車メーカーに探られないほど早いスケジュールで制作する必要があったため、重要な部品の内製化を進めてきました。その結果、学習と改善のサイクルを高速に繰り返すことに成功し、EV車において他自動車メーカーでは実現できないことを成し遂げました。

新しいものを生みだすためには、トライ&エラーのマインドが重要です。挑戦をせずに今のビジネスモデルのままだといずれ企業は衰退してしまいます。既存のやり方に固執するのではなく、小さなことからトライ&エラーを積み重ねることで今までにない新しいものを生みだすことができるのです。

これは企業だけでなく人にも当てはまります。挑戦をせず、現状から成長しないといずれ衰退してしまいます。プロダクトやサービスに関わっているのであれば、テスラのようにトライ&エラーを繰り返し、新しいことに挑戦していくという姿勢が必要です。

参考記事

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Tsuchida

システムエンジニアとして組み込みソフトウェアの設計・実装・評価を担当しています。ユーザーに寄り添ったシステムを作りたいという思いからUXDTに参加しました。慣れないことも多く大変ですが、楽しい日々を送っています。