「UX-for-AI Survival Kit I Wish I Had」の翻訳記事です。
今後のUX・デザイン業界の方はAIを生き抜くための知識が付きます。
ワークショップ参加者に、Amazon「データモデリング&デザイン」カテゴリで新着1位を獲得した書籍の一部(PDF)をプレゼントする情報も記載しています。
原文:https://www.uxforai.com/p/ux-for-ai-survival-kit-i-wish-i-had
UXとAI時代を生き抜くためのサバイバルキット──あのとき欲しかったもの
数週間前、私は「AIがUXを根本から変えている」と投稿しました。いわゆる「氷山投稿」です。その反響は想像以上で、16万人以上が閲覧し、コメント欄は大きな盛り上がりを見せました。多くの人が「まさにその通りだ」と共感してくれたのです。
もしあの投稿を読んで心の奥で何かを感じたなら、あなたは決して一人ではありません。今まさに、私たちの業界全体が大きな地殻変動のただ中にあるのです。UXは「死んだ」わけではありませんが、AIによってその根本が激しく揺さぶられていることは間違いありません。適応できなければ、沈む船と共に沈むことになります。
AIが変えるUXのルール
これは過去にない大変革です。AIを中心に設計されたプロダクトが、ゲームのルールそのものを変えています。
- ChatGPTは、プロンプトを入力するだけでUIのコンテンツを自動生成します。
- エージェント型システムは、従来のUIを介さずにユーザーの意思決定を代行します。
これまでの「UXの常識」は書き換えられつつあり、まるでUXだけが取り残されているかのように見えるのです。
多くの人がこう不安を語ります。
- 「自分は時代遅れにならないか」
- 「UIの調整しかやることがなくなるのでは」
- 「AIの下働きのような存在になるのでは」
そして「UXは死んだ!」という投稿を見るたびに、自分の居場所を見失いかけているのではないでしょうか。
UXは消えない、ただし常識は覆る
ここで強調したいのは、UXがなくなるわけではないということです。
ただし、これまで通用したスキルが未来を保証してくれるわけではありません。これは私たちへの警鐘です。
「氷山モデル」で例えるなら、目に見えるUIはどんどん小さくなり、水面下に広がる「AIによって動く見えないUX」が急速に拡大しています。
この変化は急激で恐ろしいものです。しかし同時に、UXのプロフェッショナルにとってかつてない大きなチャンスでもあります。あなたは適応しますか? それとも沈む船と共に沈みますか?
『UX for AI』──不安を戦略に変えるプレイブック
私は、優秀で情熱的なUXの仲間が沈んでいくのを見たくありません。だからこそ、この一年間をかけて解決策を形にしました。それが 『UX for AI: A Framework for Designing AI-Driven Products』 です。
この本は、ただのデザイン書ではありません。AIの大波をどう乗りこなすか、そのための実践的なプレイブックです。
- AI時代にUXキャリアをどう守るのか
- アルゴリズムとデータを含む体験をどう設計するのか
- AIに代替されず「必要不可欠」であり続けるにはどうすべきか
こうした問いに真正面から答えるために書きました。
実戦で鍛えたフレームワーク
本書では、私が35件以上のAIプロジェクトで試し、失敗も含めて学んできたフレームワークを紹介しています。
- 新しいアイスバーグ・モデル(Iceberg Model)」
- AI特有のストーリーボードでユースケースを見極める方法
- 「デジタルツイン」によるAIモデルとデータの整理
- 価値を可視化するバリューマトリクス
- RAGを活用したユーザー中心のRITEテスト
各章にはステップバイステップの演習付きで、単に「デジタルツイン」や「バリューマトリクス」「AIファーストの情報アーキテクチャ」について読むだけでなく、実際に手を動かして作成できるようになっています。
これらは理論ではなく、現場ですぐに使える実践的なツールです。各章には演習があり、読んで終わりではなく実際に手を動かして学べます。
読み終える頃には、UX、PM、開発、データサイエンスの「4-in-a-box」チームを率いて、AIプロダクトを最初から最後までリードできる力が身についているはずです。
これは、不安を行動へと変えるためのロードマップです。
『UX for AI』を書いたのは、私が心から大切に思っているUXコミュニティである「あなた」が、このひっくり返った世界のなかで押しつぶされるのではなく、自信を持ってチャンスを掴み取れるようにするためです。
この巨大な課題に立ち向かうには、一人の視点だけでは不十分です。そこで私は、UXとAIの分野で最も優れた12人の専門家に声をかけ、本書にその知見を寄せていただきました。彼らは伝説的な存在であり、先駆者として道を切り拓いてきた人たちです(以下、アルファベット順):
- Casey Hudetz(ケイシー・ハデッツ)
AIストーリーテリングの達人であり、現在書籍を執筆中。 - Christopher Noessel(クリストファー・ノーセル)
UXの未来を見据える思想家であり、エージェント型AIデザインのパイオニア。 - Daria Siegel Kempka(ダリア・シーゲル・ケンプカ)
本書の編集協力者であり、熟練のUXリーダー。 - David Andrzejewski(デイヴィッド・アンドレイジェフスキ)
UX視点を持つユニークなデータサイエンティスト。 - Greg Aper(グレッグ・エイパー)
UXのためのAIツールに特化したスペシャリスト。 - Jakob Nielsen(ヤコブ・ニールセン)
言わずと知れたユーザビリティの父。 - Josh Clark(ジョシュ・クラーク)
複数の著書を持つUX×AIの思想的リーダー。 - Kathryn Campbell(キャスリン・キャンベル)
AIリサーチ領域における著名な思想家。 - Mike Oren, PhD(マイク・オレン博士)
UXリーダーであり、AIデータサイエンティストとしても活躍。 - Paul Bryan(ポール・ブライアン)
『AI Humanifesto』の著者であり、STRATの主催者。 - Ranjeet Tayi(ランジート・タイ)
Informatica社にてAI UXデザインを担当。 - Thomas Wilson(トーマス・ウィルソン)
ヘルスケア領域におけるUX×AIの思想的リーダー。
コミュニティとともに
さらに本書には、アルゴリズム設計、AI倫理、エンタープライズ導入など、多様な分野の専門家12人のエッセイも収録しました。まるであなたのためだけの「メンター理事会」がAIとUXについて助言してくれるようなものです。
実際、発売前からAmazonで新着1位を獲得し、初版は完売。出版社はすぐに増刷を決定しました。これは、UXの専門家がこのAI時代に強い指針を求めている証拠です。
無料で読める「デジタルツイン」章
Amazonの「データモデリング&デザイン」カテゴリで新着1位を獲得。
特におすすめなのが「デジタルツイン」です。AIプロダクトの“頭脳”をシンプルにモデル化し、必要な要素を明確にできます。これは、ペルソナを作るようにAIのユースケースを整理できる画期的な手法です。
ワークショップに申し込んだ方に、この「デジタルツイン」章:PDFを事前に無料で配布しています。

未来を掴むのはあなた次第
UXにおけるAI革命は、すでに始まっています。古いやり方にしがみつくのか、それともこの変革をリードするのか。選択するのはあなたです。
『UX for AI』は、生き残るための本ではなく、 AI時代にUXがリードするための戦略書 です。
AIに不安を抱くのは自然なことです。それは自分の未来を大切に思っている証拠です。正しい知識とツールを持てば、AIはあなたを代替する存在ではなく、これまで以上にインパクトのある体験を生み出す力になります。
これは一世代に一度の変革であり、同時にUXプロフェッショナルを再定義するチャンスです。未来はまだ誰のものでもありません。今こそ、その波に乗り、舵を取る時です。
ワークショップのご案内

>>2025年11月15日「AIと共創する次世代プロダクトデザイン」の特設ページでお申し込みください。