100年に1度と言われるような大きな自然災害があったとき、インパクトのある映像を見ると、都市の一部だけの被害だったとしても、その都市や周辺地域が安全でないように捉えてしまうことはありませんか?
インパクトのあることは、印象に残りやすい
日常的な出来事においても、負の感情を生むものは特に印象に残ります。
自身が担当したサービスや製品に対して、満足度アンケートを取ったときに、
「とても悪い。」
だけでなく、
「とても悪い。二度と使わない。」
というような強い言葉が入っていると、他に良い評価を受けていたとしても、全体的に悪い評価を得たような印象を受けます。
また、生活者からの少数クレームが規制に繋がるケースもあります。
公園での声がうるさいので子どもが遊ぶことを禁じたり、テレビCMで不適切な表現があったから取り下げろといったものです。
このようなクレームは全体のうちの数件だけだったり、1人が何回も言い続けていただけであったという実例もあります。
マクロ、ミクロの順で、両方の視点から確認しよう
意見を正しく拾い上げるためには、マクロ・ミクロの両方の視点が必要です。
例えば、アンケートを100件収集したとき、
「引っかかりを覚えた意見は100件のうちに何件か」
「何人が回答しているか(同じ人が複数答えていないか)」
というように、全体のうちの「どの程度の割合の人」が、意見を言っているのかということを把握する必要があります。
そのうえで、少数意見だと分かっているものでも、意見の「質」を見て、考慮する必要があるべきだと判断したものは、改善すべきものです。
ユーザー視点に立てるかどうかがUXerの腕の見せどころ
負の感情を生む意見だけでなく、極端に「べた褒め」された場合も、それが少数意見だったとしても、全体評価が高かったように感じてしまいます。
「インパクトのある言葉や出来事は、印象に残りやすい」ことを頭に入れ、意見の割合および質から、解決案実施の判断をしていくことが求められます。