ユーザビリティは問題を発見するためのテスト

ユーザビリティテストをしないと10年も問題に気が付かない

2017年10月12日に、TAMコワーキング(東京)にて「ユーザビリティテスト講座」を開催しました。東京では2回目の開催となり、先月大阪で2日間行ったので、合計で4日間開催しています。

「ユーザビリティテストはやらなければ気がつかない」ということを、この講座を通して気づいて貰いたいと思い、10年ほど前にユーザビリティテストを行った例を紹介しています。当時、自分の作ったサイトを検証したデザイナーが殻を破ることができず、問題が今もなお そのままに残っています。

10年経っても問題に気が付かないのはこのサイトに限らずで、ユーザビリティテストを実施していなければ、気がつくことはないでしょう。

ユーザビリティテストはどのようにやるのか?

Webを検索するとユーザビリティテストの実施方法が記載されているのですが、参加者の多くは「やったことがない」「やる方法を知らない」という理由で、参加されています。ユーザビリティテスト講座を実施するまで、こんなにも実施していない方が多いとは思ってもいませんでした。

ユーザビリティテストの実施具合

ユーザビリティテストに関して、次のような調査を実施しています。

  1. 「毎回のプロジェクトや案件でユーザビリティテストを実施していますか?」
    ⇒どの回にもいませんでした。
  2. 「ユーザビリティテストを実施したことはありますか?」
    ⇒その質問に以下の人数が挙手しました。
  • 2017年9月2日 すごい勉強会と共催でユーザビリティテスト講座の開催
    ⇒ 60名中2名
  • 2017年9月30日 ユーザビリティテスト講座の開催(@谷岡学園 大阪)
    ⇒ 20名中2名
  • 2017年10月1日 ユーザビリティテスト講座の開催(TAMコワーキング 大阪)
    ⇒ 25名中2名
  • 2017年10月12日 ユーザビリティテスト講座の開催(TAMコワーキング 東京)
    ⇒ 35名中2名

(開催していくにあたり、この情報も随時更新していこうと思っています。)

実施したことがある方に質問をすると「ユーザビリティテストのサービスを利用した」との回答で、セルフユーザビリティテストを実施しているところは、ほぼありませんでした。

ユーザビリティテストはコスト以上の気づきがある

ユーザビリティテストを実施しない理由として、「コストがかかる」ということが上がってきます。もちろん、何かしらのコストはかかりますが、ユーザビリティーテストを実施すればそのコスト以上の効果があります。ユーザビリティテストをせずにローンチすることは、穴の空いた網で魚を取ろうとしているのと変わりません。

先程紹介したサービスも10年間穴の空いた網で魚を釣っているのですが、その間に、網の色だけはかっこよく塗り替えられている感じで、肝心の魚がとれていないことに気がついていません

「UXは人それぞれ」という記事をみることがありますが、35名いるワークショップで、「10年来問題解決されていないこのサイトをもう一度使いたいか?」という質問に、挙手する方は誰もいませんでした。

ユーザビリティは、人それぞれではない

ユーザビリティテストは、誰もが使えて問題ないというものだと、私は考えています。以下に、三角図を2つ紹介いたします。

狩野モデルとUIの品質レベルとユーザビリティテストをひとつで考える

1つは「狩野モデルとUXを紹介しているもの」で、もうひとつは「UIの品質レベル」です。

ユーザビリティテストと狩野モデルを重ねて考えたところ

別々の三角図ですが、UIの「迷わず使える」レベルが狩野モデルの「当たり前品質」と考えると、誰でも迷わず使えるのは当たり前品質と言えます。

「便利」「好き」という部分から上の品質になることで、UXを高めてくれるUIになると考えると、わかりやすいかもしれません。

つまり、ユーザビリティテストは、“この当たり前品質、迷わず使えるレベルをテストするもの”であると考えてください。

仕事マインドとユーザーマインド

UXをきちんと認識していれば、わざわざユーザーマインドになる必要も少なくなりますが、ユーザーとなってサービスを利用することで、見えてくるものがあります。そのため、私達も競合のサイトをユーザーとして使ってみて感じたことを、自分のサイトで改善しています。このように、誰しも仕事マインドとユーザマインドが存在してしまいます。

自分たちのサービスを自分たちが一番先に使うサービスを作れ

弊社は海外でサービスを展開しているのですが、開発者には“私たちが一番使うサービスにしなければならない”と説明しています。「自分たちが使える!便利!」って思わなければ誰も使わないからです。

ですが、特に受託の仕事になると、仕事マインドが先に来てしまうようで、要件を設計し、それをこなすだけの作業的な仕事になってしまうようです。仕事マインドが絶対に駄目かというとそうではなく、自分たちが何のための仕事をしているかを理解していないと、単なる作業になってしまうのかも知れません。

自分は何者なのか?俯瞰力が大切

UXの基礎の連載でも記載予定なのですが、自分は会社やプロジェクトのどの部分を担っているのか?UXはどこで関わっているのか の「俯瞰力」が必要です。これは、ユーザビリティテストを行ううえでも必要です。

ユーザビリティテストはWebサイトの問題を発見するためのもので、自分のデザインを否定するものではない。という全行程のどの部分を指すのかを理解できれば、いちいち苛立つことはありません。

UXからユーザビリティテストの工程

何のためのユーザビリティテストかを俯瞰的に認識することが重要

随時開催

ユーザビリティテストの講座は、月に1度くらいのペースで随時開催いたします。ユーザビリティテストは実施の仕方も重要ですが、何をどのように見るのかの視点も重要です。

ユーザビリティテスト講座の開催情報をチェックして、みなさんでご参加ください。

大本 あかね

UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント 著書 ・ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインGoogle Search Consoleの教科書 毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。 UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう! スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。