UXを勉強するには、まず自分の殻を破るべし

自分の殻を破れない方はUXでは生き残れない

2017年10月6日(金)に「コンテキストの理解と実践:UXワークショップ」が開催されました。
今回で22回の開催となるUXワークショップですが、人から人へ口コミで広がり、今では30名募集でも100名近くの募集が集まる人気のワークショップになっています。

多種多様な職種の方にご参加いただきました

このUXワークショップには多くの職種の方にご参加いただいています。参加者調査として、ワークショップの前に皆様の職種が何か?大きく「デザイナー、ディレクター、マーケター、エンジニア」の4つに分けて挙手いただいています。

今回は上記に当てはまらない、プロジェクトマネージャー、大学の教授、コンサルタント、メディアの方のご参加がありました。

UXを学ぶにはまず自分の殻を破ろう

多種多様な方にご参加いただいているワークショップであり、20回以上の開催を行っているといろいろな意見や自分の考えをお持ちの方が参加いただくのですが、中に自分の殻を持っていることで学びの邪魔になっている方がいらっしゃいます。この殻はUXを学ぶ上で凄く邪魔になるので、ちょっと厳しい内容かと思いますが記載させていただきます。

殻を持っているのは初心者ではない

残念なことに、この殻を持っている人は初心者より少し勉強されている方や、どこかでコンサルタントをやられている方にこのような傾向が見られます。

そのため、スライドのはじめに「コロンブスの卵」の説明を追加しました。これは、コロンブスが卵の底を潰して立てたことで「そんなことであれば誰でもできるよ。」という大衆の反応に対して”初めて行うこと、アイディアを出すことは簡単ではない”ことのことわざになりますが、私達はそんなことであれば誰でもできる。などの大衆の反応をコロンブスの卵と呼んでいます。

ワークショップでも同様で、わかりやすく解説すれば、それはあたり前だと仰る方がいます。海外からのスピーカーのセッションでも「シンプルでわかりやすかった」と大半の方から感想をもらうのにも関わらず、中に自分はすでに知っていたと当たり前じゃん。と言う方がいらっしゃいます。もしかしたら、すでに承知していたのかも知れないのですが、これはとっても危険な思考です。それは、自分の枠を超えないからです。

時にAが正解でも、状況や場合によってBが正解になる

UXの一番難しいところは、その視点や解釈で「ある時Aが正解でも、状況や場合によってBが正解になる」からです。

マテリアルデザインから異なる解釈があることを説明

UXDTのスタッフの勉強として私が出した問題です。「以下の画像のデザインの正解はどちら?」というものです。

スタッフの中でも大半が右を選択しました。この場合の正解は「左」になります。

マテリアルデザインでリンクが有る場合において、右のシャドーが付くデザインが採用されますが、この場合のデザインにおいてはリンクがあっても「左」が正解になります。実はこれにもきちんとした理論があるのですが、ここでは解説しません。

理論や考え方が大切

このように、知っているから、知らないから。という記憶やまる覚えでは解決に行くことはありません。結果的に取ってつけたデザインになりがちです。

何度も繰り返しになりますが、大切なのは考え方や理論なのです。一見、基本のシンプルな考え方も場合によって難しくなってしまいます。その場合に基礎力がなければ理解できない状況になってしまうのです。シンプルなことでも、角度を変えることで異なる場合が多くあることを理解し、シンプルの中の奥にあるところまで学んでいきましょう。

学びは謙虚になることから学べる

最近私が読んだ書籍でみなさんに勧めている本があります。それは、現在のビジネスマンであればどなたにも勧めたい書籍です。著者の作左部さんは今はアクセンチュアからPwCに移籍されているようですが、私が考えていたことが記載されていて凄く共感し、スタッフをはじめ、セミナーでも良書として紹介しています。

世界No.1コンサルティング・ファームが教える成長のルール ハイパフォーマー集団が大切にする3つの仕事力 単行本 – 2014/11/27

ハイパフォーマー集団が大切にする3つの仕事力

この書籍にも記載してあるのですが、実はハイパフォーマンスの方が言うことはシンプルです。

私はこの書籍を読んで共感した。と言いましたが、言い方を変えると、自分が考えていたことがすべて記載されていたのですが、すでに知っていること。とは感じることはありません。より共感したこと、ヒントになったこと、たった1つの言葉からでもいくつもの考えを出すようにしています。

基礎はウォームアップではない

ワークショップの最後にも、サニーブラウンさんが言っていた言葉を引用しています。”日本では基礎はウォームアップだったが、海外では走るためのものと学んだ。”という言葉で、これはスポーツだけのことでなく、UXの世界や学ぶ姿勢として合致していると考えています。

基礎をウォームアップだと思うのか、走る基礎だと思うのかで力の入れ方も変わってくると思います。それらの受け入れ体制が異なれば、同じ言葉や情報でも習得率は変わるはずです。何度も言いますが、学ぶことができなくなるのは殻があるからです。殻があり謙虚さがない方は、どんなに良い講義を受けても成長はありません。

自分が馬鹿だと思われたくない

ちょうどtwitterで以下のような画像を見ました。本当に頭のいい人がこのような感じかはわかりませんが、中途半端に頭が悪い人は頭よさげに演じているというのが凄く共感しました。

Twitterで見た画像

中途半端に頭の悪い人=頭良さげに演じてる

知らないということを言いたくない

数年前に某企業のリクルートのための講座を行ったのですが、受講生のある方が、先生には「凄く勉強になりました!」と言っている一方で、人事の方に「どうでした?」と聞かれると「ほとんど知っている内容でした。」と回答していたのです。私はその方が実習で実装できてないことを見ていたので、凄く驚いたのですが、悪気なく回答している様子を見て、ユーザーは嘘をつくということを学びました。

これはちょうど画像の真ん中の人の様な方だったのだと思うのですが、実はこういった方は少なくありません。「実装できます。」と言って実装できないエンジニア。「デザインできますよ。」と言って、CSSでデザインできないWebデザイナー。「レスポンシブですよ。」と言って、横スクロールがバッチリ出てしまう実装。「パフォーマンスの最強の集団です。」ってPage Speed Insightsで赤点ページを堂々と出している集団。

Welq問題だけでなく、Web上にはたくさんの情報があるので、見る目を養うのもひとつのスキルなのかも知れません。

生徒は客か?

ドラマ「先に生まれてきただけの僕」の中で主演の櫻井さんが「生徒は教師にとってクライアントであり商品」という言葉があります。

実際、ワークショップを行って生徒さんの感想をいただくのですが、アマゾンのレビューと同じでレベルによって感想が異なります。

自分のレベルがあまりにも低いのにも関わらず、わからなかった。知らないことがあったはずなのに、基礎的な内容でしかなかった。などなどです。

それらを生み出しているのは、生徒が客という文化が日本にはありすぎだからだと感じています。先程のリクルーティングの講座でも見方を変えれば受講生は商品になります。有料のワークショップであればお客という捉え方もあるのかも知れません。それが間違っている訳ではないですが、満足できるセミナーやワークショップが良いというのは間違っていると考えています。

私は感想や満足度より、何が学べたのかが重要だと考えています。ただ、受講生はコロンブスの卵で、受講後にはすべて知っていたかの様な感じになるようです。(そのため最近では、知らなかったことを始めに理解してもらうような授業構成にしています。)

今回のワークショップでも殻を持った方がいた

今回の受講生の中にも殻を持った方がいらっしゃいました。最後の懇親会で質問をされて、回答したのですが、それはそうです。と。それでも不満足そうなので、他の質問を聞き回答すると、それはわかっています。と。周りの方は首を縦に頷いて理解しているのにも関わらずです。

最後には自分の質問も自分でわからなくなっている様子だったので、「3時間足らずで全てが勉強できる訳ではない、何か1つでもヒントがあれば、スポーツと一緒で実践(咀嚼)して理解を深めていくしかありません。」との解説にもご不満の様でした。

UXのUXって?

コンテキストの理解と実践のワークショップは、スタッフの方に登壇いただくので慣れていない場合があります。緊張したり、上手に解説できなかったり。

実際に、あるスタッフが初めて登壇した際に上手にできなかった時がありました。そのため、私が補足で解説したのですが「UXワークショップのあるある:弟子をコケおろし、残念なUX。」と記載されたことがあります。

UXワークショップは参加者全員(みんな)を完全に満足するさせるようなことではないのですが、勘違いしている方がいらっしゃるようです。こういった方は大抵ネット弁慶で直接言ってくることはしません。

無料のワークショップに参加して、私たちの紹介をしただけで、宣伝がなぜあるだ?と重箱の隅を突くような思考の方です。この場合にもおいても自分はお客だからという感覚があるのかも知れません。どちらにしてもこれらの文化は早く改善されるべきだと感じてこの記事を記載することにしました。

UXを表面的でなく深く学ぼう

UXに限らずなのかも知れませんが、学べば学ぶほど奥が深く私自身もUXを更に勉強している状態です。そして、その学びには謙虚さ重要だと改めて感じています。UXコンサルタントとして成長するためにも、自分の殻を作らない。変化を止めない、何事にも前向きに捉えるように心がけています。

UXDTスタッフ募集

謙虚に一緒に学ぶスタッフを募集しています。今ある社会の問題をUXデザインを中心に解決していく集団を作っています。現在15名ほどのスタッフでテーマを決定して勉強をオンラインで行っています。興味のある方はぜひUXDTスタッフエントリーしてください。

なお、現在はワークショップに参加された方を優先に参加できるようになっています。オンラインだけのエントリーはオンラインインタビューをさせていただきジョインしていただいています。

ワークショップ参加についてのお願い

無料のセミナーでは当たり前になっているようですが、最近無断で欠席する方が多くなっています。他のイベントでもその様ですが、今回は雨が降り、3連休の前夜ということで、40名募集で結果的に半分の20名ほどの参加でした。

申し込み者全員が参加されると席が足りなくなるので困っています。参加できない場合はキャンセル処理をできるだけ早くお願いしたいです。一人でも多くの方にご参加いただきたいので、ご理解とご協力お願いいたします。

  • 日時:2017年10月6日(金) 19時~22時
  • 場所:PR TIMES
  • 参加人数:20名(40名募集、100名以上の申し込み)
  • モデレーター:大本 あかね(Web Directions East)、山田 和広(PR TIMES)、林弘行(ブルーベア)
大本 あかね

この記事を書いた人:大本 あかね

UX DAYS TOKYO を運営してる Web Directions East.LLCの大本です。
カンファレンス運営していますが、毎年行われているUXDTは私自身も学びの場になっています。また、海外のUXカンファレンスにもいくつかいくようになりました。学んだ知識を実践し、勉強会やブログなどでフィードバックしています。UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう。