なにか失敗をしたときに「行動を変えなきゃ!」と思い、違う方法を矢継ぎ早に試してしまうことはありませんか?
例えばプレゼンがうまくいかなかったときに、手当たり次第思いついた改善策を試しても、成長はできません。うまくいかなかった理由が、スライドに文字が多すぎて見る人の気を引けなかったのか、早口で聞き取りづらかったのかでは、次に取る行動は変わるはずです。
あるいは、日頃の業務フローを改善しようとしたときに、流行っている新しい手法や他社がやっていることをとりあえず手当たり次第試してみたり、ということはありませんか?
ただ行動を変えることは簡単ですが、再現性を上げて成長するのはそう簡単なことではありません。
成長とは?
では、「変わること」と「成長すること」では何が違うのでしょうか?今一度「成長」とはなにか考えてみましょう。定義は様々ではありますが、ビジネスの場で使われる「成長」は「できないことができようになること」と解釈されることが多くあります。
人が成長するプロセスとして、コルブの経験学習モデルがあります。
経験学習モデルは、「経験→省察→概念化→実践」の4段階により構成されており、このサイクルを繰り返していくことで人は成長すると言われています。
経験:具体的に経験をする
例)プレゼンがうまくいかなかった
省察:何が起こったのか振り返りをする
例)うまくいかなかった原因を書き出す。周りの人にインタビューする。
→ 資料の情報量が多いことが分かりづらさを招いていたとわかる
概念化:他の場面・他の人も応用できるように概念化する
例)情報を詰め込まないよう今後は1ページ1テーマになるように資料をつくろう
実践:新たな場面で実際に試してみる
例)次回のプレゼンで試してみよう
省察と概念化なくして成長はない
コルブの経験学習モデルで重要なのは、2・3番目にある「省察」「概念化」です。
やみくもに行動を変えることはできるかもしれませんが、省察・概念化を経ずに行動を変えても同じ失敗を繰り返してしまうかもしれません。
まずは振り返りの習慣をつくることが大切です。個人であれば日次・週次など、チームの場合はプロジェクトが終了したタイミングなど、節目ごとに振り返りをする習慣をつけましょう。チームで行う場合はKPTなどのフレームワークを使うとやりやすいでしょう。
振り返りを経て得られた失敗の原因に対して、概念化も忘れずにしましょう。「他の場面でも」「他の人でも」失敗しないような再現性の高い解決策を考えることで、成長にぐっと近づくことができます。
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