UX DAYS TOKYO2025に来日するMatt Lerner氏は、どのようにRebankを変革したのか?
Rebankの成功ストーリーの事例です。
原文:https://www.systm.co/rebank
フィンテックの未来を切り開くRebankの軌跡
ある日、ロンドン・ビジネス・スクールのMBA卒業生であるフアン・アンドラーデ(Juan Andrade)は、手作業で請求書の追跡や国際支払いの調整に多くの時間を費やし、その業務で年間60,000ポンド(約1,400万円)を稼いでいることに気付きました。
「この作業はコンピュータでできるはずだ」と考えた彼は、「むしろコンピュータがやるべきだ」と確信し、Rebankを設立。9か月後にはチームとともにY Combinator(シリコンバレーに存在するアクセラレータープログラム)に参加しました。
Rebankは、スタートアップの財務管理を根本から変革することを目指しています。そのフィンテック・プロダクトは「最高の財務運営システム」として、会社の運営に不可欠な財務機能を効率化し、従業員の満足度向上にも貢献します。SYSTMを卒業してからわずか18か月で、Rebankは決済量を22倍にまで成長しました。
素晴らしいプロダクトだからといって、勝手に人々が見つけるわけではない

「成長の前にプロダクトを作ることはできません。両者は同時に進める必要があります。優先順位と重要性において、どちらも同じくらい重要です。」
— フアン・アンドラーデ, CEO, Rebank
すべてのCEOが直面する「グロースの壁」
Rebankの成長に伴い、フアンは重要な問いに直面しました。それは、「成長を加速させるために、今採用すべきか?」という問題です。
チームは開発を続けていたものの、具体的な成長を実感できていませんでした。そこで、多くのCEOがやるように、フアンはLinkedInで候補者を探し始め、10億ドル規模のユニコーンを目指すRebankに適した「グロース担当のスーパースター」を見つけようとしました。
しかし、60回の面接を経ても適任者が見つからず、数か月が経過。彼はある現実に直面します。
「自分で解決できない問題を、他の誰かに任せることはできない」と気づいたのです。適切な人材を採用しても、その人が正しい仕事をしているのか、どう判断すればいいのか?彼らの成果をどう測定すればいいのか?」
そこで彼は決意しました。「自分たちで解決しよう」と。
SYSTMとの出会い:成長のためのシステム思考
2020年、RebankはSYSTMのコホート(成長支援プログラム)に参加しました。参加後すぐに、彼らが直面している課題は想像以上に大きいことに気付きます。しかし、SYSTMのコーチは一切の妥協を許さず、課題を確実に解決するために導いてくれました。
CFOのレオナ・モンドシーはこう振り返ります。
「私たちのコーチは常に私たちに責任を持たせてくれました。もし私たちが問題を先延ばしにしようとすれば、それを指摘し、正しい方向へ導いてくれました。これが私たちに必要な刺激となり、規律を築く鍵となりました。そして、それが私たちの成功の大きな要因です。」
SYSTMのプログラムは、実践的で段階的なフレームワークに基づいています。Rebankのチームは、自社の成長モデルを素早く描き、成長を阻害しているボトルネックを特定。明確な優先事項に合意し、最もインパクトの大きい領域に集中できるようになりました。
「顧客の目を通して見ることを学ぶ」
「顧客は常に正しい」とは使い古された言葉ですが、グロース戦略を構築する際には特に重要です。しかし、プロダクトの開発に没頭するあまり、この視点を見失うことも少なくありません。
Rebankは、SYSTMのサポートを受けながら、自分たちの視点ではなく顧客の視点で考える力を養いました。
「SYSTMは、適切な質問の仕方を教えてくれました。その結果、顧客の無意識のニーズや課題を理解し、思考の転換を図ることができました。これが私たちにとっての大きな変革でした。」
迅速な実験と学習
SYSTMのプログラムの核となるのは、「迅速な実験と学習」です。
フアンとそのチームは、テストの重要性を理解していましたが、どこから始めればよいのか分かっていませんでした。しかし、SYSTMのフレームワークを活用することで、
✅ 結果の解釈方法
✅ 適切な指標の定義
✅ 成功・失敗にかかわらず、学びを最大限に活かす方法
を実践的に学び、成長の加速につなげました。
「最大の成果は収益ではなかった」
Rebankは現在、指数関数的な成長を遂げています。しかし、この成長の根底には、単なる売上向上だけではなく、「失敗を糧にできるレジリエンス(回復力)」 があります。
Rebankのチームは10人未満の小規模な組織ですが、統一されたグロース戦略を持つことは決して偶然ではありませんでした。
フアンは言います。
「成長は今やCMOからCFOまで、全員の責任になっています。SYSTMのおかげで、『全員参加』のメンタリティを持つことができ、私たちは成功にも失敗にも責任を持つようになりました。」
成果
✅ SYSTM卒業後18か月で22倍の成長
✅ 2022年 SaaStock「ベストスタートアップ」受賞
※SaaS(Software-as-a-Service)の意思決定者を世界規模で集めるカンファレンス
Rebankの成長は、単なる偶然ではなく、システム的な思考と実践に基づいたものでした。そして、その成長は今も続いています。
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