日本で働く外国出身UXデザイナーが考える、日本のUXやITが遅れている理由:UXUIデザイナー ハフィド ブルヒムさん

UX Days Tokyoの川合です。今回はUXUIデザイナーのハフィドさんにインタビューを行いました。

自己紹介をおねがいします。

はじめまして、ZILMOO株式会社(www.juusando.com)のUXUIデザイナーのハフィドと申します。私はモロッコ出身で、日本への留学、大手制作会社をへて現在の会社を立ち上げました。子供の頃からロゴデザインやグラフィックデザインの活動をしており、大学では哲学・心理学を学んでいました。現在は、UXUIデザインなどに携わっています。
また、東洋美術学校・日本電子専門学校でUXUIデザイン講師としても活動しています。
2014年からコミュニティ(UXUI Designers)を主宰し、イベントや勉強会などを定期的に開催しています。

ハフィド ブルヒム


Twitter:https://twitter.com/hafidbourhim
Dribbble:https://dribbble.com/juusando
UUDコミュニティ:http://uuds.peatix.com/ , https://www.meetup.com/ja-JP/uud_io/

UXの情報源はいろいろな媒体から

UXの情報をどんな方法で集めていますか?

googleの検索はもちろん、Dribbble、Behance、UXデザインBlogs専門サイト(英語、アラビア語、フランス語、日本語)Slack、Facebook、Mediumなどのコミュニティで共有される情報、YouTubeなどです。

重要なのは、その中から情報のしっぽを掴むことです。つまり、たくさんある情報の中から自分でキーワードを深掘りして、気に入ったものを見つけ出します。そこで取得した情報を深く掘り下げて、仕事のクオリティやパフォーマンスに活かせるように自分のものにすることが大切だと考えています。

世界と日本のUXに対する意識の違い

日本のITは世界から遅れていると聞きますが、UXもそうですか?

他の国々に比べて、少なくとも1年は遅れているように感じます。日本は技術力が高いのに、なぜそのようなギャップがあるのか、気になっていました。

それには2つの壁が理由ではないかと考えています。

1.言葉の壁

世界の何処かで新しい情報が発表された場合、1週間くらいで世界中に広がりますよね。それが、言語の壁のせいで阻害されているのではないでしょうか。フランス人と日本人は英語が苦手です。英語を話すことが恥ずかしいと思うような所が、似ているように思います。

ただ、フランスの場合は、英語で公開された最新の情報を見たフランス人がすぐにフランス語に翻訳して公開します。それによって英語の苦手なフランス人も新しい情報を知ることができますよね。

しかし、日本では英語が理解できる人がいても、そうしたことがあまり活発に行われていないように感じます。

2.ユーザー自身が壁

他の国は言葉の壁があっても遅れがあまり無いように思ったのですが、日本ではなぜ感じるのかと考えた結果、それは、ユーザーのニーズが大きく影響するからなのではないかと思うようになりました。

日本では今でも大企業が、ごちゃごちゃしていてアイコンも意味を成していないようなデザインを採用していたりしますよね。

まるで、1998年頃のWinのような・・・。そこへ海外のスッキリしたものを提案したりすると、「ダメダメダメ、ユーザーがびっくりしちゃうよ!」と言われてしまう事があります。

昔ながらのデザインの方が、慣れている、安心できると考えてしまっているからです。

この原因は、ユーザーが「使いづらい」とか「おかしい」と声を上げないところにあります。そのため、企業やクリエイター自身もニーズを感じずに、満足してしまっているのではないでしょうか。

しかし、最近はスマートフォンが広まり、日本のユーザーが海外のサービスやアプリを使るようになりました。必然的にそれらと国内のデザインを比べる機会が増えることで、ユーザーも少し目が肥え始め、デザインのクオリティについて声が上がるようになりました。

また、ここ数年で日本でもスタートアップが増えたため、UXとデザインも重要視され始めたと思います。

“日本のサービスしか使っていないからわからない”

また、探究心が日本人は足りないと感じることもあります。言語の壁を理由に、海外のツールを使ったりしないで満足していませんか。色々なツールを試してみることで、ひらめきや新しい知識を得られるはずです。

私自身も海外のサービスをを使うことにより、目が覚めたような経験をしました。このような経験から「使いづらいのでは?」という疑問が生まれたり、比較ができるようになったりします。

問題解決に対する速さと的確さが重要

良いUXデザイナーとはどのような人をいいますか?

私が思うに、良いUXデザイナーとは、問題解決に対する速さと的確さです。

そしていちばん大切なのは、あらゆる問題が起こることを想像して、早い段階で解決しておくことです。プロジェクトが進行する中で、問題があることに気付けなければなりません。

ユーザーに使ってもらって喜んでもらうことを軸に、他の役割の人がわからない部分も把握していることがUXデザイナーに求められると思います。

もうひとつUXデザイナーにとって大事なことは常に満足しないということです。最高の作品を常に創り出しつつ、それに満足することなくハングリーに、より向上し続けることが大切だと思います。

さらに完璧なUXデザイナーは、今までになかったこと、新しいアイデアを想像にとどまらせることなく実際にやってみる勇気を持ち、実現させる力を持った人だと思います。

UX DAYS TOKYO のスピーカーは世界で活躍

UXDTに出ているスピーカーを知っていますか?

UXDTで参加していたスピーカーは何人か名前を聞いたり、知っている方がいます。2015年に来日されたAarron Walterさんは注目しています。彼は、よく利用しているinVisionの VP of design education です。UXDTで来日した際はMail Chimpのディレクターでしたが、現在は、inVisionのメンバーとしてUXについて様々な記事、プレゼンテーションやスピーチなどを行っています。

組織でデザイン文化の育成をしつつ、自身のデザイナーとしてのキャリアも磨いています。チームビルディングや働き方などを開発し、最も効率の良いワークフローを広めるなど、優れたUXデザインを製作するだけではなくデザイン全体において、より高いレベルの環境を作り上げています。

また、上記のような活動やデザインについての情報を書籍、Blog、イベントなどあらゆる形で発信しつづけています。彼はもともとデザイン講師だったため、人と関わり教えることに長けていると思います。

私も、学校やイベント、勉強会の時に意識しているポイントがいくつかあるので、彼の仕事全体に対する理念や姿勢に共感する部分が多いです。

アーロンウォルターのWebサイト、2015年に来日したことが記載されている

http://aarronwalter.com/
https://medium.com/@aarron

2008年に開催された Web Directions East に出演されたダンさんは僕も勉強会として開催しいてる dribbble の創設者で、とっても有名な人が来日されているカンファンレスだと思います。

2008年に来日して講演したdribbbleのオーナーダンさん ハフィドさんが開催しているdribbble

この記事を書いた人:川合 俊輔

UX デザイナーとして日本語入力、ネットリサーチ、BI におけるソフトウェア開発のデザイン業務に従事。プロトタイピングを軸に、コミュニケーション活性化に向けた研究開発も行う。

@SHUN_macher