TOP テクノロジー・技術 読書は「電子・紙・音声」を上手に使いこなせ

読書は「電子・紙・音声」を上手に使いこなせ

読書会に毎回参加している方が、読書会に参加するにあたり書籍を購入の悩みをFacebookで記載していました。

僕は読書会で読む本は大抵「紙」で買って、内容がとても難しい本はさらに「電子」でも買うことがある。
全体内容を俯瞰するには「紙」のほうがいいなと思う一方で、接触機会は「電子」の方が多くなるから。
でもやっぱり同じ本を2回買うことになるので、お金の無駄遣いに感じてしまう。

読書会参加者による書籍購入方法の悩み

彼が言う様に、接触回数が多くなりやすい電子書籍か、俯瞰して読みやすい紙か? 悩ましいですね!
結果として、2冊購入してしまうのは無駄とも思えます。正解という分けではないですが、私の読書スタイルが参考になればと思ったのでご紹介します。

この方法が良いと思うようになったのも、UXを学ぶにあたり「人の心理・脳」について学んだからと言えます。

読書は、電子か、紙か?はたまた…

読書のスタイルは様々

冒頭の悩みと同じく、読書は「電子書籍と紙どっちがいい?」という話が良くでてきます。

UXツボ(You X Tubo)でも、「記憶に残りやすいのはどっち?(公開後リンクします)」をテーマにディスカッションがされています。どちらも特徴があるので、それぞれ利用すればいいよね。というのが見解ですが、全部の書籍を2冊買うのはやっぱり。。。ってことになります。

読書会参加の方の生活スタイルのように、読書アプリが入っているスマホを持っている生活をしている人は、接触回数は伸びやすいですね!電子書籍は、接触回数が多くなる事がメリットの様ですが、電子書籍も容量によって登録できる書籍数も限りがあるため、購入した全ての書籍が常にアクセスできるということではないので、誰にでも大きなメリットというわけではなさそうですね。

紙の書籍のメリットについて、「続・インタフェースデザインの心理学」では、「28:紙の本での読書は多感覚な体験」と解説しています。

紙の書籍を読み進めていくと、「(あの情報は)右側のページの書籍のこのあたりだったよな。」と、感覚も追加されて覚えていると解説されていました。また、電子媒体は少なからず発光しており、目が疲れてしまうので、体力的に記憶する力が少なくなり、記憶の量が少なくなるという仮説も立てている研究者もいると書かれていました。

確かに、私も読み返す時、同じような記憶のたどり方をしていますが、だからと言って「紙がやっぱり良い。」という結論にならないと、私は考えています。

それは、同じく「続・インタフェースデザインの心理学」で紹介されている他の内容や、書籍「ファスト&スロー」で、”脳のモードをシステム2にして考えながら読むことが記憶に残る。”ということを覚えたからです。

論語読みの論語知らず

難しい書籍を、文字として読むことはできても理解できないことがあります。医学書や法曹界の六法全書など、知識を得ていなければ、「そもそも言葉がわからないので理解できない」となります。音読はできても意味が理解できていない”論語読みの論語知らず”の状態です。当然、この読み方だとほぼ記憶に残りません。

あまりにも難しければ、”わからない”・”理解していない”自分を認めることができますが、ちょっと理解しにくい程度の文章だと、わかっているつもりになり、わからないことにも気に止めず、記憶に留まらず、そのままバックミュージックのように流してしまいます。

だからこそ、システム2の考えながら読むことが大切になります。

「情景」や「どういうことか」を念頭に、システム2を働かせて読もう

どの書籍でも、人によって受け取り方はどうしても変わりますが、せっかく書籍を読むのですから、筆者が言わんとすることは何か。を考えて読むようにしましょう。

できるだけ自分の記憶に残したい、書籍のノウハウを自分のビジネスにも役立たせたいのであれば、システム2が働くように、考えながら、読みましょう。具体的には、文章をイメージしながら読むと良いでしょう。そうすることで正しく理解できたり、疑問も湧いてきます。また、紙の書籍のメリットでもある多角的な体感を通して読む行動は記憶に残りやすいので、ビジュアル化すると記憶に留まりやすくなります。

イメージすることも脳内でビジュアル化させていますし、ビジュアル化そのものは、図にしているので記憶に残りやすいです。ビジュアル化は、どのように表現するべきかを考え、また、手を動かし図にし、そして、視覚で認識するので、一番記憶に残りやすいと言えます。電子書籍で読んだとしてもその効果は発揮します。

そのため、私が読書会に参加する時は、グラレコまで行かないけれど、図をメモとして残します。読書会のスライドを作る時も同じで、一度読み、メモを取り、スライドに起こします。何を伝えるべきか、何を言いたいのか、的確に伝えることができるようになります。デバイスでの環境の違いもありますが、まずは、自分の生活の中で、上手なインプット方法を知っておきましょう。

読書は午後の頭が少し疲れた時間から

書籍の種類にもよりますが、私は午後のおやつの時間以降に読書をすることが多いです。脳科学的には、「制作物は午前中に作る方が良い」と知ったので午前にクリエイティブな仕事をしています。

昼過ぎのちょっと疲れが来た時に、あまり重くない内容の書籍を読みます。その時の身体の状態によって散歩しながら読書する時もあります。オーディブルだと楽ですが、紙の書籍でも電子書籍でも散歩しながら読むこともあります。

ただし、読書する時は「ここまで読むぞ」と前もって脳に伝えて意識して読みます。そうすることで、記録に残りやすいと感じています。あとポイントは、あまりにも疲れている時は、重い内容の書籍は読まないようにします。疲れている時は仮眠(睡眠)が一番なので、お昼でも仮眠します。

書籍の種類によってオーディブルで読書する

私は、長くて図があまり入っていない書籍は音声(オーディブル)で購入します。特に、人のヒストリーや考えを学ぶ書籍はオーディブルが多いです。

逆に、カスタマージャーニーマップ、バリュープロポジションキャンバス、デザイン参考書は図が命なので、絶対的に「紙」がオススメです。電子書籍だと色がついていないので理解がしにくいからです。私の書籍も電子書籍がありますが、紙の書籍をオススメします。

オーディブルの活用

オーディブルは色々なシーンで利用できます。移動・家事・お風呂・買い物、他のことをしながらでも読書できるので、私にはなくてはならないデバイスです。ただ、どうしても他の作業をやっている分、記憶が薄まるので、何度も聞き返しが必要になります。

時に、リンクのURLや人・書籍名などが出てくると、音声ではなくテキストの方が便利に感じますが、それ以外はオーディブルで不便を感じることはありません。

お風呂に入る時にもオーディブルを多く利用します。夜は視覚からの情報、特に発光しているデバイスでは、脳が冴え過ぎてしまって、眠れなくなるので、夜の時間帯はより有効と感じています。書籍によってはオーディブルがないことがあるので、時にKindleの読み上げ機能で音声として読書します。また、夜寝ている時に記憶が定着されるので、寝る前の情報を記憶にとどめやすくなるそうです。

自分のライフスタイルにあったデバイスを見つけよう

最終的にお伝えしたかったことは、デバイスの一長一短ではなく、自分の記憶に留まりやすい状況を、ご自身の生活のスタイルから、書籍の特徴を考慮して選んで利用しよう。ということです。

確実にインプットしたい書籍であれば、同じ書籍でもデバイスごとに2冊以上購入しても私は良いと思います。それだけ素敵な書籍に出会えたということなので。

インプットをより効率的にしよう

次回のUX読書会は、読書も含めて”インプットを効率的に。”ってことで、書籍「インプット大全」を行います。ぜひ、どのデバイスでもかまいません、一緒に勉強していきましょう。

まとめ

  • 読書は文字を追うだけではない、オーディブル(音声)も使ってみよう
  • 電子書籍、紙の書籍、オーディブル(音声)それぞれに特徴がある
  • 頭に入れたいときは、システム2を働かそう
  • システム2を働かせるには、図にするなどアウトプットも効果的(特にビジュアル化はオススメ)
  • 自分のライフスタイルにあったデバイスを使って読書しよう
  • 読書会は効率的なインプットの手段でもある

UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント 著書 ・ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインGoogle Search Consoleの教科書 毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。 UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう! スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。

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