システムをアップデートする時に、どこまで機能を充実させるか迷うことはありませんか?私の経験から失敗しないアップデートの方法(考え方)をご紹介します。
面倒な更新作業を一括変換できるように、が・・・

ECのプロダクトで、商品の納期遅れでお届け予定日を変更する際、事業者は1つの配送ごとに開いて修正しなければなりませんでした。売れている商品であれば、その分だけ時間がかかります手間です。
そこで、お届け予定日を一括更新できる機能があると便利と考えましたが、設計する中で、ユーザーの入力ミスが発生することに気がつきました。
ユーザーの入力ミスが起きないためには、入力内容をシステム側でチェックして、間違いのある箇所をハイライトしたり、確認画面を出してユーザーに伝える必要があります。これらの実装も行うとなると、想定していた開発期間より1ヶ月長くかかることがわかりました。
操作ミスを踏まえたUI設計が大切
ユーザーの勘違いやミスを考慮してプロダクトを作る大切さは、UX DAYS TOKYOで学んでいます。Nielsen Norman Groupが提唱したUI設計とユーザビリティヒューリスティックの原則にも、「ユーザーがエラーを認識、診断、および回復できるようにする」としています。
また、読書会の図書:悲劇的なデザインでは「UIが悪いのに、ユーザーは操作ミスを自分のせいに思う」と書かれています。この「システム正当化バイアス」により問題が表に出にくいため、開発者(デザイナー)は自分が作ったUIが悪いことに気が付きません。
ユーザーの行動が伺えるユーザービリティテストを行い、ユーザーの操作ミスも考慮したデザイン実装が必要です。アップデート時でも同じであることを覚えておきましょう。
必要最小限(MVP)の理解が甘かった

このアップデートをする頃にMVPを学んでいたこともあり、また、すぐにでもユーザーの利便性を上げたいと考えていたので、最小限の機能だけで早くリリースすべきか悩んでいました。
そのことについてUX DAYS TOKYOオーガナイザーの大本さんに相談したところ、 「ユーザーがミスをしてしまったら、無駄な修正時間が発生してしまうし、ミスに気が付かないと問題になる。ミスが起こりうる設計では、ユーザーに満足して使ってもらえず価値にならない。」とアドバイスをもらいました。
アップデートの「一括更新」機能はプロダクトの中核機能ではないのでMVPとは言いませんが、仮にMVPでいう『必要最小限の機能』で考えたとしても、ユーザーミスが発生する機能は価値を提供できないので『必要最小限』とは言えないことに気が付きました。


利用するには不十分であり必要最小限とは言えない
ダメな業務システムはこうして生まれる
業務システムであれば多少不便でもユーザーは使い続けます。しかし、無駄な業務時間が発生すれば精神的負担が大きくなります。一番の問題は、自分のせいだと思ったり、ミスに慣れてしまうことで、小さな問題から大きな問題に発展することもあります。
例えば、お届け予定日を「2022年1月」を過去の日付「2021年1月」にしてしまうことで、予定日が来ないため配達されずにクレームになります。このような人的ミスは考えにくいので、頻繁には起こらないかもしれませんが、万が一、大量の発注が来ている商品で、このミスを起こしてしまったら、EC企業の信頼は失われます。
さらに良くないのは、ユーザーがミスに慣れてしまうと開発チームに報告されず、システム改善されないということです。アップデート内容を検討する時に「改善の声が多くないので優先度を下げる」判断をしているのではないでしょうか。

どんなシステムも完璧なものなどありません。システムの問題を発見しアップデートしていくために、ユーザーの声を吸い上げる大切さを学び、本当の意味でのMVPが理解できました。