TOP デザイン・情報設計・UI 通常海外に行かないと会えないスピーカーとの奇遇なタイミング:NTTレゾナント株式会社 岩田裕平さん

通常海外に行かないと会えないスピーカーとの奇遇なタイミング:NTTレゾナント株式会社 岩田裕平さん

ポータルサイトで有名な「goo」は今年2017年に 20周年を迎えるそうです。「goo」のブランド戦略とR&Dに携わっている岩田裕平さんも「UXDT2016」にご参加されています。今回は、岩田裕平さんをお迎えしてインタビューさせていただきました。

20周年を迎える老舗ポータルサイト「goo」

https://www.goo.ne.jp/20th/

自己紹介をお願いします。

2013年にNTTコミュニケーションズ株式会社に新卒入社し、現在はNTTレゾナント株式会社に勤めています。研究開発とブランド戦略の2つの業務を兼務しており、研究開発では、UXデザインに限らず、新技術の開発や、実証実験のためのマネジメントにも携わっております。実際のユーザーに触れ合う機会もあり、イベント等でユーザーを観察する等、エスノグラフィックなアプローチを行うこともありました。

また、ブランド戦略業務では、事業部横断のブランド戦略室という組織で、当社を代表するサービスである「goo」について、ブランドの定義を検討しています。「goo」がこの3月に20周年を迎えますので、ブランドの考え方や指標、サービスへの展開方法、デザインの在り方等、を検討しています。

昨年、社会人経験的に限界だったHCD-Net認定 人間中心設計スペシャリストを取得しまして、今後タイミングを伺いながら、専門家も目指そうと思っています。

通常は海外に行けないと会えないスピーカー

UXDT2016に参加しようと思ったきっかけは何ですか?

単純にスピーカーに興味がありました。2015年の秋に日本でも翻訳され発売された、Abby Covert (アビー・コバート)さんが書いている情報設計の書籍を読んで以来、凄く興味があり、その著者が登壇することや、フロントエンドも好きで、Jesse James Garrett(ジェシー・ジェイムス・ギャレット)さんについてはよく名前を知っていたので、通常は海外のカンファレンスじゃないと直接話は聞けない人だと思い、参加しました。

個人的に行こうと思っていたところ、社内で何名か参加するという話になり、社内メンバと参加することができました。Abby Covert (アビー・コバート)さんの本は当時たまたま読んでいた書籍でしたので、来日は本当に偶然でした。

今日からはじめる情報設計

アビー・コバート氏の書籍

書籍の内容を更に勉強したく、Abby Covert (アビー・コバート)さんのワークショップにも参加しました。

ワークショップでは、本に書いてある内容よりも、大学の講義のように学術的な用語も多く出ており、体系的に学ぶことができました。また、その中にいくつかワークショップが織り交ぜられており、手を動かしながらマインドセットを学べたのはとても良かったです。

今後また、ワークショップに出るとしたら、今の自分に足りてない知識のワークショップがあれば出たいなと思います。

ワークショップとカンファレンスで更に深く学べた

ワークショップはどんな印象でしたか?

印象に残ったこととしては、レクチャーの合間に行われたワークで、
「とあるサービスがなぜこのように設計されているのか、考えてみる」というシーンがありました。

その中で「なぜそのサービスがモバイルとPC向けWebサイトでこんな作りをしているのか?」を考える時間があり、翌日からすぐに実行可能な内容もワークショップには含まれていました。実行したのは、実際には翌日ではなかったですが(笑)、翌月くらいには学んだことを実践できました。

もともと、日々の業務における課題として、プロジェクト管理等で情報設計ができていないという問題点を感じていましたので、Abby Covert (アビー・コバート)さんのワークショップで実施したポイントを、次のプロジェクトに活かせる場面がありました。そう言う意味でも、ワークショップに出て良かったと感じております。

ワークショップの前日に行われたカンファレンスでのAbby Covert (アビー・コバート)さんのお話は、ワークショップと比較すると短縮されてはおりましたが、情報設計に関する基礎的な部分が体系立てられており、某大企業における語彙整理の事例についてもお伺いすることができました。カンファレンスだけでなく、ワークショップに参加することで、よりマインドセットへの理解は深まりました。

その一方で、ワークショップの後、しばらく反芻しており・・・・それは一部が問題提起で終わっていたからなのですが、完全に収束させずに議論の種を残していたようなワークショップだったと思います。(笑)

情報設計や広義のデザインを実際の企業活動に取り入れる際に、どのようにすべきか、考えさせられる良いきっかけとなりました。まだ答えは見つかっていませんが、1年間考え続けています。

自分の疑問を質問でき理解できる

カンファレンスでは他にも学ぶ内容がありましたか?

参加動機でもある、Abby Covert (アビー・コバート)さんやJesse James Garrett(ジェシー・ジェイムス・ギャレット)さんのお話は一人のUXデザイナーとしても興味深く話を聞くことができました。

それ以外でも、GoogleのDaniel Burka(ダニエル ブルカ)さんが講演されていた、「デザインスプリント」は社内でも実践しておりましたので、改めてGVのやり方を伺うことができた良い機会でした。

もともと社内で実施していたデザインスプリントもかなりアレンジを加えたものでしたので、Daniel Burka(ダニエル ブルカ)氏からも似たような話を伺うことができたのは心強かったです。

書籍だけですと、手法やTipsは書いてありますが、書籍一辺倒に用いることは難しいですし、企業ごとの文化に応じてカスタマイズして用いるのが良いのではないかと考えています。必要なのはマインドセットと簡単なフレームワークへの理解だけだと考えております。

Jesse James Garrett(ジェシー・ジェイムス・ギャレット)さんに関しても、マインドセットに近いものだったと記憶しております。一見当たり前に思っていたことでも、改めて言われたことで、全体的にモチベーションにつながりました。

「go abroad」「go deep」 広く深く行けと。

恐らく時間との戦いだと思いますが、そこに情熱があるからこそできることなのだと感じています。広く浅い人はたくさんいると思いますが、広く深く行く人はあまりいないと思いますので、刺激になりました。

マインドに関する16個のTIPSはJesse James Garrett(ジェシー・ジェイムス・ギャレット)が言うからこそ、意味があるようにも思います。

全体を通して「UXDT2016」を一言でいうと?

国内で行われるグローバルなUXデザイン系のカンファレンスという点がよかったです。海外にわざわざ行かなくても、国内で海外のスピーカーの話が聞ける良い機会でした。ワークショップは、少人数で、1対1で話すこともできますし、通訳もいらっしゃって助かりました。

UXデザインをより現場で役立たせたい

最近のUXデザイン関連での興味は何ですか?

UXデザインを組織としてどうやって導入していくか?UXデザインと言わなくてもよいかもしれないですが、「広義のデザイン」を上層部にどうやって伝えていくかに興味があります。

ちょうど、今年の[UXDT2017]は『組織のUX』がテーマと伺っていますので、参加したいと思っています。

岩田裕平

岩田裕平さん

UX以外の興味はイノベーションに。

岩田裕平さんが興味のあることやオススメの本があれば教えてください

INNOVATION PATH イノベーションパス

イノベーションパス

個人的には、別にUXデザインと言わなくても、ユーザーにとって価値のあるものや革新的なものを作りたいと考えています。そのために必要なメソッドが多く掲載されていますし、イノベーションプロセスに関するプロジェクトを昨年まで大学院で行っていた関係もあり、こちらを推薦します。

書籍「デザインスプリント」

デザインスプリント

日本語で書かれている唯一のデザインスプリントの本として、社内外で活用しています。手法自体は日々進化していますが、初期にGVで公開されていた資料よりも新しい傾向が掲載されていたり、必要なメソッドが網羅的に書かれていたり、とデザインスプリントを実践されたい方には役に立つ一冊だと思います。

岩田裕平さん、ありがとうございました。

〜インタビュー後記〜

お話を聞いていて、普段からUXの本を多く読まれている方に、生のワークショップに参加いただき、頭だけじゃなく体全体で体感いただきたいなと思いました。
また、岩田裕平さんのように、企業の中で「UXデザイン」の導入に関わっていらっしゃる方には、今年の[UXDT2017]は『組織のUX』がテーマであり、海外でしか会えない方の最新の話を聞くことができますので是非ともご活用いただきたいなと思います。

UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント 著書 ・ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインGoogle Search Consoleの教科書 毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。 UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう! スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。

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