
自宅の椅子に座り、スマートフォンの画面でニュースを読んでいます。今、この瞬間でさえも、デザインは私たちの身の回りにあります。
「デザインとは一体何か」あなたは、考えたことはありますか?
デザイナーになるということは、より良いやり方があると信じることです。
ゴール
デジタルプロダクト・デザインの仕事をはじめるにあたり、一個人的な理由を考えてみる。

「デザイン=見た目」と思われがちですが、それはデザインの一面にすぎません。
確かに美的センスは大切ですが、それだけでは本当のデザインとは言えません。
デザインとは、「以前よりも良いものをつくること」。
問題や不具合を見つけて深く掘り下げ、本質的な解決策を検討し、プロジェクトの目標に最も合った形に導くことです。
難しい言葉を使う前に、大切なこと
デザインについて話すとき、専門用語が多く使われがちです。
時には、自分の立場を守るためにあえて難しい言葉を使う人もいます。
でも、どんなに経験を積んでも、誰にでもわかる言葉で伝えられるデザイナーでいて欲しいと願っています。
UXは、ユーザーの課題を解くプロセス
UX(ユーザー体験)やUCD(ユーザー中心設計)も、デザインの一部です。
本質は「ユーザーの課題を理解し、それを本当に解決できる方法を探すこと」。
そのためには、ユーザーときちんと対話し、検証していく必要があります。
ここでいう「ユーザー」は、プロダクトを使う個人だけではありません。
その人が属するコミュニティや、社会全体、さらには地球規模の視点も含まれます。
UXは元々ウェブサイトやアプリといったデジタルインターフェースを中心に発展してきましたが、
今ではテレビやメッセージアプリ、音声インターフェース(VUI)などさまざまなプラットフォームに広がり、体験が生まれる場所も、ますます多様になっています。
“デザインとは意図を描いたもの”
Jared Spool
なぜ、あなたはデザインを学ぼうとしているのか?
デザインに挑戦しようと思ったきっかけは何でしょうか?
「自分はクリエイティブな人間だと思ったから」
「社会の現状に疑問や怒りを感じ、変えたいと思ったから」
「今の仕事に飽きた」「もっと高収入の仕事がしたい」「デザインってなんとなくかっこいい」
どんな理由でもかまいません。
大切なのは、自分の中にある動機を理解し、それを意識することです。
そのためには、時間をかけて自分と向き合う必要があります。
デザイナーになる道のりは簡単じゃない
デザインを学ぶ過程では、多くの手法やツール、プロセスを習得し、
「良いデザイン」を見極める目を養う必要があります。
何度も試行錯誤を重ね、ようやくひとつの解決策にたどりつく──
それは簡単なことではありません。時間もかかります。
だからこそ、自分の中にある「なぜデザインをするのか」という理由を知っておくことが大切です。
その理由が、迷ったときの道しるべになります。
このガイドで学べること
このガイドでは、デジタルプロダクトをつくるときにデザイナーが実践しているステップを、順を追って紹介します。
取り上げるテーマは、以下のようなものです。
- ユーザビリティ
- UXリサーチ
- 倫理やアクセシビリティ
- ビジュアルデザイン など
各章ではまず、参考となる記事や書籍を紹介します。
次に、業界の第一線で活躍する人たちのインタビュー動画などを通じて、インスピレーションを得てください。
最後には、学んだことを自分自身やキャリアにどう活かせるかを考える問いを用意しています。
焦らず、じっくり進んでください
知らない用語に出会うかもしれません。
でも、それもすべてが学びの一部です。
次の章へ急がず、ひとつひとつの概念をしっかり理解する時間をとってください。
この学びは、未知への旅であり、同時に「自分自身を知る旅」でもあります。
自己認識は、デザイナーが持つ最も強力なツールのひとつ。
自分を深く理解することが、まわりの世界を変える最初の一歩になるのです。
記事・書籍リスト
ますは、「誰のためのデザイン」から始めましょう。この本は、私たちの日常生活の中に埋め込まれたデザインがどのようなものなのか、はっきりわかるようになります。
ドナルド・ノーマン著
2. 100年間のユーザーエクスペリエンス(A 100-year view of user experience)
Jakob Nielsen (9分)
3.あらゆるものをデザインするための統一理論(A unified theory for designing just about anything)
クリスティーナ・ウォトケ Christina Wodtke (9分)

4.デザインとは?(What is design?)
Koos Looijesteijn (8分)
5.デジタルプロダクトデザイナーとは?(What’s a digital product designer?)
Rubens Cantuni (6分)
6.デザインの意味(The meaning of design)
Reena Merchant (7分)
7.本当にUXデザイナーになりたいですか?(Do you really want to be a UX designer?)
Chris Kiess (9分)
8.クリエイティブなデザイナーであることの意味(What it means to be a designer who’s creative)
Tanner Christensen (8分)
動画リスト
1.新しいアイデアを生み出すデザイン(Using design to make ideas new)
Milton Glaser
2.アート・オブ・デザイン(the art of design)
Netflix
3.素晴らしいデザインの秘密(The first secret of great design)
Tony Fadell
4.良いデザインで幸せになる3つの方法(3 ways good design makes you happy)
Don Norman
深く思考する
インプットだけでなく、アウトプットが学びを深くします。
時間をかけて、以下の質問に答えを書き出してください。アウトプットは、Googleドキュメントなどでまとめてもいいでしょう。自分の成長を記録するための、これまでに学んだことをアウトプットする日記だと考えてください。
- あなたにとってデザインとは何ですか?
- デザイナーになりたい理由を3つあげるとしたら何ですか?
- 適切にデザインされていると思うプロダクト・サービスとその理由を教えてください。
- 今までの仕事の中で、”疑問と不確定要素”のトップ3は何ですか?
- あなたがデザインしたプロダクトで、世界にどのような影響を与えたいですか?
- プロダクトを使用する個人、コミュニティ、または社会全体に対して、プロダクトで実現したい行動は何ですか?
実例を調べよう
いくつかの会社を選び、募集中のUXデザイナーの求人があるかどうかを確認してください。
- あなたが見つけた職務説明書に記載されているスキルは何ですか?
- その役割の責任と課題をどのように説明しているでしょうか?
経験豊富なデザイナーを検索して、その作業、プロジェクト、ポートフォリオに関する詳細情報を入手できます。自分が興味を持っていることに取り組んでいる人に注目しましょう。
- 経験豊富なデザイナーは、やっていることをどのように定義していますか?
- キャリアパスはどのようなものですか?
- どのように作品を発表するのですか?
- 何が自分と似ていて、何が違うのでしょうか?
自分の価値を客観的に知る
以下に、会社やデザイナーを探し始めるときに役立つサイトを紹介します。
自分はどのレベルでどのような仕事ができるのか市場調査だと思ってみてください。
- Linkedin search (companies you admire)
- Women who design
- Product design shots on Dribbble
- Blacks who design
- Your IXDA local group
- Interaction gallery on Behance
- Latinx who design
- Queer design club
次のステップへ進もう
The Guide To Designは9つのガイドで出来ています!上記をこなすだけでも時間がかかります。
焦らず、十分にできたと思ったら、次のステップへ進んでいきましょう!
本記事はUX CollectiveのThe Guide To Designを配信元・著者の許諾のもと翻訳転載したものです。
(翻訳担当:池田茉莉花・推敲:大本あかね・監修:菊池聡 )