伝言ゲームで遊んだことはありますか?
言葉や文章を順々に伝えていき、最後の人にまで正しく情報が伝わっているか競うゲームです。
このゲームでは、正しく情報を伝えようと思っているにも関わらず、途中で情報が変わってしまう人が多いです。
私たちは普段、特に意識をせずに人とコミュニケーションを取って生活していますが、日常生活においても簡単に情報伝達のミスは起きます。このミスを引き起こす要因の1つが、人間が必ずもっているバイアス(思い込み)の存在です。
伝言ゲームのときのように「正しく伝えよう」と思っていても、情報源から人を介するほと、バイアスによって情報が変化しやすくなります。
一次情報・二次情報・三次情報の利点と欠点
自身が目で見たり体験したりした情報のことを一次情報、自身が他人から聞いた情報を二次情報と言い、二次情報をまとめたもの(まとめサイトなど)を三次情報と言うこともあります。信憑性の高い情報を得るためには二次情報や三次情報よりも、一次情報を頼りにする必要があります。
ユーザーインタビューを行った際、実際にユーザーが発言する様子を観察すると、一次情報を得ていると言えます。この場合、ユーザーの細かい反応もインサイトとして得られるため発言の意図を探ることができます。インタビューに参加せず、報告のみを聞いた場合は二次情報を得たということです。
言葉や反応の解釈は、受け取った人によって異なります。一次情報に触れた人の立場やバイアスによっても解釈が変わってしまうため、二次情報は一次情報の発信者が着目していない部分が報告に含まれていなかったり、バイアスによって無自覚に都合の良い解釈を含んでしまっていることがあります。
情報の精度を上げて判断する
UXの学習をする際に、海外のサイトや書籍を一次情報として噛み砕いて解説をしている記事を見かけます。わかりやすいと錯覚してしまうのですが、噛み砕く際に重要なニュアンスが失われたり少し違った意味に変わってしまうこともあります。情報に接した時、考えることを止めずに、さらに一次情報となる情報源を確認するようにすると学びの精度を高めることができます。
一次情報を得るには時間がかかるため、世の中のすべての情報を一次情報で得るということはほぼ不可能です。その代わりに手に入りやすい二次情報の精度を上げるために、情報源を確認することが必要です。たとえば、ニュースは見出しを付けなければならないので、コンテキストが無視されて抜粋されることもあります。そのニュースの信憑性を確認するためには、どのような意図で発言されたものなのかなどの事実確認を情報源に近いものを参照することで判断しましょう。