カンファレンスの本当の価値はインスタントラーメンじゃない

この記事は、UX DAYS TOKYOの主催の菊池が海外でここ数年、カンファレンスやワークショップで「Google」, 「Facebook」, 「Amazon」, 「Oracle」,「ANZ」などの企業が非常に多くのチームを送り込んでいることの疑問に対して、UX LondonのAndy Buddに質問し、その答えとして記事をいただいたものです。Andy Budd自身も会社の40%の社員をカンファレンスに送り込んでいます。


Clearleftの5階建てビルの屋上。BBQをしたりこうやって色んなことについて話し合っている。

以前、アメリカとヨーロッパの企業は社員を一人だけカンファレンスへ送り込み、あらゆる情報を送り込んだカンファレンスから吸い上げ、得た情報をチームへ還元する時代がありました。

しかし、このやり方は時代おくれになり、企業が真のカンファレンスの価値を本当に見い出し、もっともっと多くの社員にカンファレンスの価値を経験させるようになりました。

チームの一人だけを送り込むやり方の間違いは、カンファレンスの価値がその中の情報だけにしかないという考えにあります。しかし、この考えは食事の価値が単純にカロリーを満たすためだけという狭い視野と同じです。もしくは、他の誰かの食事をレポートしたものを聞くのは、食事の価値が栄養素だけにあるとしているのと一緒です。

カンファレンスを一人で食べるインスタントラーメンと同様に捉えて情報を吸い上げるだけと、みんなで食事をすることとは異なります。

ご存知のように、社員の知識や経験は異なります、もし一人の社員に頼って、その社員が得たカンファレンスの情報が共有されたとすれば、それは、その社員のレンズを通しての情報です。

リサーチャーは、デザイナーや開発者とは異なる点にフォーカスします。新入社員は熟練社員と異なる点にフォーカスし、実際に手を動かす人とマネージャーも異なる点にフォーカスします。

このように職位でフォーカスする点も違います。カンファレンスの価値を大きくするには、異なる職位や経験をもつ3〜4人の社員を送り込み、参加した社員同士でテーマについて話合うことです。その結果、テーマが言わんとすることをより深く理解できます。共有すればテーマについて得た深い思慮や気付きを長く頭にとどめます。そのためにもチームの方がカンファレンスの後でたくさんの人と共有できるでしょう。

チームで動くことは、会社で利用するツール・プロセス・行動の変更を行う場合にはおいて特に的を得ています。

一人で物事を変更するように進めるより、グループになって共有して物事を進める方が簡単です。特に上司が同じことを見たり聞いたり(共有)したら、グループの視点に同意するでしょう。

このような共有はひょっとしたら欧米だけかもしれません、しかしGoogle やFacebookなど成功している企業は、すばらしいチームと企業文化の構築に時間とお金を投資しています。強いチームを会社に組織する最善な方法は経験を共有することなのです。

これは、仕事の後の飲み会のようなソーシャルイベントだったり、チームで行うゲームだったり、カラオケだったりします。もしくは、プロフェッショナルな方法としてはカンファレンスやワークショップへ参加することでしょう。

これが、今年の初めにシアトルで開催された「Interaction 19」に自分のチームメンバー14人を連れてイギリスから参加した理由の1つです。私の推測ですが、Amazon、Google、Invisionはイベントをスポンサーしながら、かなりのチームをまとめて送り込んでいます。彼らは、カンファレンスの価値が情報をただ持ち帰るだけじゃないと理解しています。


今回ClearleftからInteraction19に参加したメンバーの一部。今回14名が参加した。
https://clearleft.com/posts/interaction19-the-clearleft-best-bits

カンファレンスにグループで参加することは、チームの協力な結束を生みます。そして、チームで理解したことを共有することは、価値がなにか、改善するために何が必要なのか。自分自身が会社の経営者としても、カンファレンスで経験したことを共有し理解することが、自分のビジネスの真の価値を育てる結果となっています。

また、カンファレンスは他の参加者に出会い、彼らの経験を学べる素晴らしい場所です。多くの社員をカンファレンスに送り込めば、彼らはより多くの人に出会い、より多く会話して経験を学びます。

この交流こそが、あなたが会社の為にもし良い評判をつくろうとしてるなら最も重要なことです。欧米の殆どの会社は、カンファレンスの参加者をマーケティングとブランディングのツールとして重要と考えています。参加した自社の社員はコミュニテイの中で広く社員が優れた人材で、デザイン業界で何がおきているか興味を深くもち新しいことに率先してコミットしてると他の会社の参加者達に見せられます。

優れた人材雇用、偉大な学習とすばらしい利益をもたらす提携などはカンファレンスの中の会話から生まれます。経験の浅いメンバーを1人か2人送り込みあなたの会社のブランドを負わせたり、雇用や学習、提携の機会を見逃すというリスクを私達はとりたくないのです。逆により大きなチームを送り込み、カンファレンスやワークショップの内容を広く取り込み、社員が経験したことを共有し、メモをお互いに比較し、あらゆる真の価値をカンファレンスから絞り出すようにしましょう。

この記事を書いた人:菊池 聡

UX DAYS TOKYO (代表) 見た目のデザインだけでなく、本質的な解決をするためにはコンサルティングが必要だと感じ、本格的なUXを学ぶため”NNG”に通いニールセンノーマンの資格を取得。 業績が上がる実装をモットーにクライアントから喜ばれる仕事をしています。