
UXの10年を振り返る
UX DAYS TOKYOが始まって10年。UXという概念が広まり、定着してからも10数年が経ちました。この期間で、私たちは本当にUXの仕事をしてきたでしょうか?肩書きとしての「UXデザイナー」ではなく、実際にユーザー視点でのプロダクト開発に貢献できたでしょうか?
現場では即戦力となるUXデザイナーが求められています。しかし、企業の採用担当者からは「本当に優秀なUXデザイナーが見つからない」という声が上がっています。中には、私たちは本当に優秀なUXデザイナーなのかと自信を持っていない人もいます。
UXデザイナーの本当の役割とは?

UXデザイナーの仕事は、単にカスタマージャーニーマップを作成したり、リサーチをすることではありません。それらは手段に過ぎず、目的は「ユーザー視点でのプロダクトやサービスの開発」です。しかし、現実には手法だけが独り歩きし、「やり方さえ覚えれば同じ結果が出る」と勘違いされているケースも少なくありません。
UXの効果がすぐに現れることもありますが、多くの場合、長期的に見て大きな成果に繋がります。長期的という言葉には、二つの意味があります。一つは、UXの施策が長期間にわたって継続的な影響を与えるため。もう一つは、ユーザー視点を持たない組織のマインドを変えるには時間がかかるためです。企業の文化や考え方が変わらなければ、UXの本質的な価値は発揮されません。
プロダクトデザインと組織改革の関係
近年、UXデザインだけでなく、プロダクトデザインやプロダクトマネジメントが注目されるのは、組織改革の必要性が認識され始めたからです。日本で流行しているDX(デジタルトランスフォーメーション)も、根本には組織の変革が求められています。
しかし、忘れてはいけないのは、ビジネスの中核にUXがあるということです。企業のコア・コンピタンスはUXによって成り立ちます。プロダクトビジョンや企業ミッションをどれだけの人が理解し、実行しているでしょうか?そのビジョンやミッションには、ユーザーは入っていますか?置き去りにされていないでしょうか?
今こそ、UXデザイナーが立ち上がる時です。すぐに成果が出なくても、正しい方向を向いて努力し続ければ、必ず道は開けます。しかし、間違った方向へ進んでいては、どれだけ努力しても成果は得られません。
失敗しない勉強方法は成功者から学ぶこと
では、どうすれば失敗を避けられるのでしょうか?
それは、成功した人、あるいは失敗を重ねながらも正しい方向へ進んできた人から学ぶことです。たとえまだ成果が出ていなくても、学ぶ姿勢を持ち続け、正しい道を進めば、いずれ結果はついてきます。
肩書や役職ではなく、本当のスキルとは何か? カスタマージャーニーマップを作ることが目的になっていないか? その先にある「ユーザーのための価値創造」を見失っていないか?
私たちの仕事は、自ら作り出すものです。与えられたタスクをこなすだけでは、真のUXデザイナーにはなれません。なぜなら、UXには「視点」と「思考」が必要だからです。
UX DAYS TOKYO 2025で視点と思考を磨こう
私たちが関わるサービスは、本当にユーザーのためになっているでしょうか?
- ログインしづらいUI / UXになっていないか?
- 間違ったステップを踏みやすい設計になっていないか?
- 間違えた時にサポートへ連絡しようとしても、電話が繋がらない設計になっていないか?
- 専門用語ばかりで、ユーザーを混乱させていないか?
「ユーザー視点で進めても、どうにもならない」「面倒だからやめよう」そう思ってはいませんか?
もし、そういう環境にいるならば、あなたのマインドも徐々にその影響を受けてしまうかもしれません。人は周囲から影響を受けるからです。
では、どうするべきか?
一緒に学び、成長する環境を作ろう
私たちは、本当にユーザー視点のUXデザイナーでしょうか? もしそうでないなら、どうすれば解決できるのか?
その答えの一つが、「学ぶ環境を整えること」です。1人では限界があるからこそ、チームで参加し、優れた人々から刺激を受け、エネルギーを得ることが大切です。そのエネルギーを次の世代へと広げていきましょう。
カスタマージャーニーマップを作ることが目的ではありません。ペルソナを作ることが目的でもありません。真にユーザーのために、私たちができることは何か?
日々の暮らしをより快適にするプロダクトを、日本から一つでも多く生み出していきましょう。そのためには、正しいマインドを持ち続けることが重要です。
UX DAYS TOKYOに限らず、どんなコミュニティでもイベントでも構いません。とにかく、学びの場に飛び込んでください。ただし、一つ確実に言えるのは、UX DAYS TOKYOは日本にいながら世界的に優秀なスピーカーから直接学べる、貴重な機会だということです。
この機会を活かし、あなたのUXデザインの視点と思考を磨いてください。
成長を継続するために、UX DAYS TOKYO 2025に行こう!
今回のテーマは「継続的な成長」です。日本でもスタートアップをはじめ、資金調達に成功する企業は増えていますが、成長を遂げ、それを持続させるのは容易ではありません。
このカンファレンスでは、サービスデザインの設計に加え、プロダクト開発を成功に導くマネジメント手法を体系的に学ぶことができます。
スタートアップ企業に限らず、MVP(Minimum Viable Product)の考え方はビジネスの成長に不可欠です。しかし、MVPの本質を理解せずに開発を進める企業も少なくありません。何を優先し、どの機能を実現するのか、そしてチームをどのようにリードするのか。プロダクトマネジメントの視点も求められます。
また、成長を継続するためには、分析やテストが重要ですが、単に実施するだけでは十分ではありません。適切な手法やデータの解釈の仕方を学び、実践につなげることが重要です。このカンファレンスでは、現場で活かせる具体的なアプローチをリアルに学ぶことができます。
わずかな違いが、プロダクトの最適解を左右することもあります。スピーカーの言葉やニュアンスを通じて、その本質を深く理解しましょう。
カンファレンスでは考え方を、ワークショップでは方法論とその実践方法を学び、継続的な成長を実現するための知識を身につけましょう。
※ワークショップによって既に満席近くになっているものもあります。ご希望のワークショップがあれば、お早めにご参加ください。

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