
格言:大本あかね / 記事作成:あやぱん / イラスト:ナユミ
優れたユーザー体験を設計するためには、技術とユーザー視点の両方が必要です。いくらユーザー視点を持っていても、実現する技術がなければ意味はなく、一方で技術を持っていてもユーザー視点がなければ良いUXにはなりません。両方の知識や視点を持ちながらUXを考える必要があります。
技術が欠けてしまう場合と対策
ユーザー視点に立った画期的なサービスでも、読み込みが遅かったり、バグが多ければ、良いUXは生まれません。
レスポンス速度・読み込み速度の改善
ウォルター・J・ドハティとアラビンド・J・タダーニの研究によれば、ユーザーが苦労することなく使うシステムの応答時間は400ミリ秒内(ドハティの閾値)と言われており、レスポンス速度や読み込み速度はユーザーの感覚に大きく影響を与えます。Google Speed Insightsなどのツールを用いて課題を抽出して改善に取り組むことができます。
開発したら終わり!にしない。繰り返しテストを行う
「開発完了」をゴールにしたプロジェクトになっていては、良いUXにはなりません。開発後もUXを阻害する要因がないかテストをする必要があります。また、リリース・ローンチされてからも終わりではありません。実際にユーザーに使われ始めてからわかる課題もあるので、繰り返しテストをして改善をしていくことで良いUXをもたらします。
ユーザー視点が欠けてしまう場合と対策
画期的な技術や高い技術力で実装されていても、ユーザー視点がなければ需要にあっていない、マーケット・ユーザーに受け入れられない製品になってしまいます。
リサーチ・テストでユーザー視点を取り入れる
「〇〇の技術を」使ったサービスを作ろう!など技術先行・開発者視点だけの製品は良いUXとなりません。ユーザーインタビューや定量調査など、リサーチを行いユーザーニーズやコンテキストを知ることで、ユーザーに価値のある製品になるのか、確認することができます。
開発メンバーとの共通理解
設計フェーズでユーザー理解をしていたとしても、それが開発メンバーに伝わらなければ当然ユーザー視点が実装に引き継がれなくなってしまいます。設計・ユーザー理解のフェーズに開発メンバーを巻き込んだり、ペルソナ・カスタマージャーニーマップなどのユーザー理解となるアウトプットを常に開発メンバーとも共有することで、「どんなUXをデザインすべきか」が明確化され、より良い製品を開発できるでしょう。
技術の知識とユーザー視点を掛け合わせて、よりよいソリューションを創出する
広くテクノロジー領域では、AI、ディープラーニング、VR、そのほかWeb領域では、PWA、SPAなど様々な最新技術があります。UXデザイナーはこうした最新技術をキャッチアップしていき、幅広い技術を理解することで、製品や機能の企画段階で引き出しが増えて、より良いユーザー体験を設計するヒントになるでしょう。技術・ユーザー視点の両方をかけ合わせて、より良いソリューションを創出することが、今後のUXデザインにおいて重要となります。