
学びとは、単に知識を得ることではありません。
それを自分のスキルとして、まるで血や肉のように身につけることが、本当の意味での「学び」です。
たとえば、英語の教材を買っただけで英語が話せるようになるわけではありません。UXの情報をどこで入手できるかを知っていたとしても、そしてそれを実際に読んだとしても、それだけでプロダクトが成功するわけではありません。
こんな当たり前のことでも、知識を得たことで満足してしまう人が多いのが現実です。
だからこそ、あらためて「深い学び」とは何かを考えてみたいと思います。
独学の姿は変わった。でも本質は変わらない
一昔前の独学と、今の独学では、そのイメージが大きく異なります。
今や、検索すればどんな知識でも簡単に手に入りますし、AIに聞けばそれなりの答えも返ってきます。
けれど、それは“学び”ではありません。単なる“情報”です。
自分の中に取り込まれ、血肉となって初めて“学び”になります。
これだけ情報が手に入りやすい時代だからこそ、いま一度、「本当の学びとは何か?」を考えてみる必要があるのではないでしょうか?
学びを深めるには、アウトプットが不可欠
UX DAYS TOKYOでは、「考えること」「アウトプットすること」が学びにおいて非常に重要だと考えています。
ここでいうアウトプットとは、ただ、まとめることではありません。
読んだこと、聞いたことを、自分で噛み砕き、自分の言葉で語ること。それが本当のアウトプットです。
つまり、「自分で考えること」が鍵になります。
血肉にするためのプロセス
知識を自分の血肉にするには、「目的」が必要です。
「これは自分にとってなぜ必要なのか?」という視点がなければ、情報はただ流れていくだけです。
もちろん、「流行っているから」「最低限知っておいた方がいいと言われたから」といった理由で始めることが、悪いわけではありません。
むしろ、「知らないからこそやってみたい」という気持ちが、新たな学びの入り口になることもあります。
大事なのは、「やってみること」。そして、それが自分に合っているのか、できるだけ早く”目的”が持てるか、確認することです。
仮に目的が明確でない場合でも、以下のようなステップを意識して行動してみましょう:
- 知識を得たら、考え過ぎず、”まずやってみる”
- 最初は「三日坊主でOK」と割り切って、次の日もやる、とりあえずは3日間やる。
- 3日続いたら、自分を褒める。そしてその日もやる
- 5日目に軽く振り返ってみる。何か面白いと思えたか?改善できることは?
- 仮に2日間空いても、3日目に戻れるか自分に問いかけ、戻る仕掛けを用意する
- 上記の2日間でじっくり考える時間にしても良い
- 8日目に必ず、再スタートする
このスケジュールは一例にすぎませんが、1週間のうち2日程度「空白」をつくることで、無理なく継続できます。自分を甘えさせないで、無理しないペースが大切です。
たとえばスプリントが5日間で構成されるのも、集中と振り返りのバランスを取るため。
自分自身の「学びのスプリント」を設計してみましょう。
8日目で再スタートができない場合は、行うことをもっと簡単なものにするなど、自分のレベルに合ったものにしましょう。ただ、毎日行うことがポイントで、それに慣れたら、自然と増えていくようになります。そして、そこから4番の振り返りを必ずやりましょう!
知識をスキルに変えるには
「知っている」から「できる」へ
学びをスキルに変えるには、「とりあえずやってみる」が何よりも大切です。
よく言われる「1万時間の法則」があるように、スキルの定着には時間が必要です。
とはいえ今の時代、学びの環境は整っています。
書籍、動画、ネット——情報を得るだけなら、時間を短縮することも可能です。
でも忘れてはいけません。
「知っていること」と「できること」は違う。
知識を得ただけで終わらず、必ず試してみること。
体感し、体験し、経験として積み重ねていくこと。
それこそが、学びを本物のスキルへと変える道です。
「アウトプットの質は、インプットの質に比例しない。思考と行動の質に比例する」
この言葉を胸に、今日からまた、新たな学びの一歩を踏み出していきましょう。