コンテキストについて理解を深めるワークショップ:レポート

2017年6月27日(火)にTAM東京で開催された、第15回「コンテキストの理解と実践」UXワークショップのレポートをいたします。小川町にある制作会社 TAMさんのコワーキングスペースで開催されました。

参加者は、UXデザイナーをはじめ、エンジニア、ディレクターと幅広い職種の方で約30名ほどの方にご参加いただきました。

座学のセッションとワークショップを交えながらコンテキストについて学んでいただきました。約3時間開催されている講義は、ワークショップや名刺交換を含めていて、平日の夜にも関わらずみなさん真剣に受講されていました。

今回受講された方が会社のブログでレポートしていただきましたので、そちらのご紹介と、当日の様子、ワークショップのフィードバック、個別に質問された「高コンテキストと低コンテキスト」についてご紹介いたします。

目次

  • 各企業の現役デザイナー、ディレクター、エンジニア30名が参加
  • コンテキストってなんだ?
  • 解説した内容のポイント
  • ワークショップ「旅」でのユーザビリティテストの結果
  • 高コンテキストと低コンテキスト
  • ワークショップでは伝えきれていないUXデザイン方法
  • 次回のワークショップ

各企業の現役デザイナー、ディレクター、エンジニア 総勢30名が参加

コンテキストの理解と実践のワークショップはUX DAYS TOKYOに参加された方よりも初めて参加される方が多く、その参加者の属性を毎回アンケートで伺っています。今回は、以下のような構成で開催いたしました。

  • デザイナー 約35%
  • エンジニア 約35%
  • ディレクター 約15%
  • その他(経営者など)約15%

コンテキストってなんだ?

このワークショップでは、コンテキストについて理解をしていただきますが、そもそもどのくらいの人がどのように理解しているのか調査させていただいています。

今までのワークショップ開催でも既に承知で即答していただける方もいらっしゃいますが、ある画像を見てコンテキストを言っていただくのですが、どの回でも参加者の半数くらいが間違った回答をしてしまいます。

ただ、間違った回答をしてしまうのも仕方ありません。コンテキストを詳しく説明している講義や書籍がないからです。

UXとは?

では、UXはどうでしょうか?UXを一言で説明してほしいと参加者に聞くと回答できる方は多くありません。

多くの方は、書籍やネット、ブログでUXを勉強されているということで、検索すると色々な解説がでてきます。

「UXは、みんなで同じ方向を見るためのものだ。」「ビジネスのためにUXはある。」「UXは人それぞれだから回答はない。」などです。

ですが、今ひとつピンと来ない方が多いので今回のようなワークショップを開催しているのですが、なぜUXを一言で言えないのか、あまりにも漠然としているからだと考えています。

開発者の立場でのUXを解説

UXはユーザー体験という言葉でしかないのですが、UX DAYS TOKYOでは、デザイナーをはじめ、エンジニアのような開発者には、”UXを設計するには「ユーザーの目的」+「コンテキスト」と考えるとわかりやすい”と解説しています。

そして、今回のメインテーマでもあるコンテキストについてより理解を深めてもらっています。

コンテキストの理解がどんどん深まっていく

参加者の多くがコンテキストについて深く理解をしていなかったのですが、ケニーボールズの記事を読んていただくことで理解を深めている様子で、ストリーテーリングのコンテキストを選んでいただく頃には参加者の回答もスムーズに進むようになってきています。

どのコンテキストを利用するのか?が重要

ケニーボールズの記事はコンテキストについて多角的に考える方法が記載されています。ワークショップ内でも紹介していますが、コンテキスト自体も時代によって変わってきます。

仮にケニーが区分けしたコンテキストを種類と区別すると、それらは個々のサービスやビジネスモデルによって利用方法が異なります。

このあたりは、今回のワークショップには入れられなかったのですが、どのコンテキストをどのように利用するのかもUXデザイナーの力量になります。

解説した内容のポイント

コンテキストはなくてはならないものですが、それ自体が目的ではありません。
主役ではないが必要不可欠なものという意味で、「パスタの塩のようなもの」と表現しました。

Webサービスのコンテキストはスマートフォンの登場で大きく変わりました。
外に気軽に持ち出せるスマートフォンでは、小さい画面で周りの状況・コンテキストも様々に変わります。

いつでも手元にあるのですぐにチェックできる反面、セッション時間は短かったりします。
Googleなどでスマートフォンでコンテキストを取得できるようなAPIを出しているので、そういったものを上手に使い、ユーザーの状況を把握していく必要があります。

また、すべてのコンテキストが必ずしも重要ではないので、調査や考察をしてデザインに役立てましょう。

ワークショップ「旅」でのユーザビリティテストの結果

以下のコンテキストを設定しいろいろな旅行サイトをユーザー目線で使ってみて、参加者に発表して頂きました。ちょうど、ユーザビリティテストの実施のような感じです。

「43歳男性足の不自由な父親を含め兄弟・子供らと行く旅行を予約する。」

じゃらん・楽天トラベル・Booking.comなど各種旅行サイトを使ってみたり、Googleなどの検索から見つけたり、様々な方法が出てきます。

それぞれに良いところ・良くないところがあり、議論となります。ちょうど当てはまる条件設定がない、サイト内で検索してもバリアフリーかどうかひと目でわからない、表示が一人分の料金なのか全員分の料金なのかわりづらいなど、ユーザーとして使ってみるとたくさん出てきました。

高コンテキストと低コンテキスト

T.ホールが唱えた「ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化」という識別法

ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化:パンネーションズ サイトより

ワークショップが終了して個別の質問を数軒いただきました。その中に「高コンテキストと低コンテキスト(ハイコンテキストとローコンテキスト)との関係性」について質問いただきました。

ハイコンテキストとローコンテキストは、雰囲気(空気)を読む文化と言葉でのコミュニケーションをする文化の違いで、日本人はハイコンテキスト、欧米はローコンテキストに分けるコンテキストの考え方です。ハイコンテキストは言葉を全て記載しなくても、その文章の書き方などで読むことができますが、ローコンテキストはその言葉スバリという意味もあり、文章などのコンテンツ作成には気を付ける考え方だそうです。

ある意味UXもコンテンツに関わることがあり、文化や年齢、地域性も関わってきますのでその場合には必要なコンテキストになる可能性がありますが、サービス自体を文化でわけるようなことがない限りこのコンテキストの重要度は低いと言えます。

ワークショップでは伝えきれていないUXデザイン方法

今回はUXを含む、コンテキストの理解をしていただくワークショップだったので、実際のサービスにUXを組み込む方法をご紹介していません。ワークショップ内でご紹介した道具も使い方次第で正しく利用しなければ間違ったものを生み出してしまいます。

冒頭にもお伝えしているのですが、UXが加味されたサービスかサービスでないかの視点ができたとするならば、次は開発者としてUXデザインの方法を学んでいただければと考えています。

次回も同様のワークショップを開催します!

次回は8月18日(金)に青山にあるPR TIMES様をお借りして開催いたします。
コンテキストについてより深く学びたい方は是非ご参加ください。

この記事を書いた人:山田 和広

株式会社PR TIMES エンジニア。
2000年慶應義塾大学環境情報学部卒業。新卒でWEB制作会社に入社。その後、映画宣伝会社でハリウッド映画等の公式サイト作成・オンライン宣伝企画を担当。2014年4月PR TIMESへフロントエンド・エンジニアとして入社し、サービスの企画・開発を行っています。