TOP ツール・フレームワーク・方法論 リモートリサーチメソッド|23種類

リモートリサーチメソッド|23種類

リモートリサーチ方法として、23種類のメソッドを「同時型のリモートメソッド」と「非同期型のリモートメソッド」に分けてご紹介します。

それぞれ、リサーチによって得られるものが異なります。目的によってリサーチ方法が異なるため、どのようなリサーチ手法があるのかを知っておくことはリサーチ手法の取捨選択に役立ちます。

この記事はイギリスをベースとしたスタートアップのリモートリサーチのコンサルティングファーム「Webnographer」がまとめた資料を元にしています。

同時型リモートメソッド

1,Moderated Test(対面調査)

方法
参加者と調査員がウェブ/ビデオを通じて面会します。参加者は質問に答え、調査員がその内容を記録します。
リサーチ結果
室内実験の遠隔版で、調査員は世界中の利用者を調べることができます。

2,Online Ethnograph(オンラインエスノグラフィー)

方法
このメソッドは、集団を調査します。YouTubeやTwitter、Pinterestなどのオンラインスペースを対象とするため、高い反応が見込まれます。調査は、調査者が対象のオンライン上へ参加することで行われます。
リサーチ結果
オンラインエスノグラフィーは、共感を高め、コンテクストの崩壊を防ぎます。体験を共有することで、設計者は参加者の視点を理解できます。

3,Telephone Survey(電話調査)

方法
参加者は電話で質問に答えます。
リサーチ結果
利用者の反応を迅速に集めることができる方法です。また、他の形での調査データに加わることがない利用者からのフィードバックを得るのにも有効です。

4,Remote Eye Tracking(遠隔視標調査)

方法
このメソッドでは、参加者がページのどの部分を見ているのかという情報を収集できます。それによって、何が注目を集め、何が無視されるのかが分かります。
リサーチ結果
ウェブページのどの部分が最初に見られ、どの部分が無視されるのかが分かります。

非同時型リモートメソッド

5,True Intent(真意)

方法
調査は、利用者がウェブサイトを訪問した時点で行われます。そこで、訪問のリサーチ結果を尋ねます。利用者がサイトへ戻り、用事を済ます前に質問することがポイントです。これは、リモートユーザビリティテストツールを使って行います。利用者が用事を済ませると、利用者がサイトを訪れた本当のリサーチ結果が記録されます。
リサーチ結果
利用者の実際の行動を記録し、その本当の目的を明らかにします。利用者が訪問したリサーチ結果リサーチ結果、また、それが達成されたかどうかが分かります。問題の優先順位の把握、また問題の定量化に役立ちます。

6,Set Task(課題設定)

方法
ウェブサイトにおいて、情報と引き換えに参加者へ課題を課します。参加者がサイトを利用している間、その操作がリモートユーザビリティテストツールによって記録されます。
リサーチ結果
利用者が課題を達成することができたかどうか、サイトをどのように操作したか、どれくらい時間がかかったのかを調査します。それによって、利用者にとってどんなところが、どうしてリサーチ結果、問題だったのかを分析できます。

7,Race Test(競争テスト)

方法
参加者は、ウェブサイトにおいて制限時間付きの課題を課されます。
リサーチ結果
室内実験の遠隔版で、調査員は世界中の利用者を調べることができます。

8,Click to Finish Test(クリックテスト)

方法
利用者に1つのページにおいて課題を課します。参加者がページをクリックすると、課題は終わります。このテストは、静的なモックアップや実際のサイトで行われます。
リサーチ結果
素早くフィードバックを集めることができます。このテストでは、利用者があるページにおいて、ある情報を見つけることができるかを調べます。算定されるデータは、成功率、かかった時間、満足率などです。

9,5 Second Test(5秒テスト)

方法
参加者に、5秒間あるウェブページを見てもらい、その後にそのページについて覚えていることを全て書き出してもらいます。
リサーチ結果
利用者がウェブページのどの部分方法を覚えているか、また、どのアイテムが1番印象的だったかが分かります。このメソッドでは記憶の想起を利用します。

10,Recognition Test(認識テスト)

方法
参加者にウェブページを見てもらいます。その後、ページが “消え”、その後、参加者にアイテムのリストを見てもらいます。参加者に、どのアイテムがウェブページにあり、どのアイテムは無かったのかを回答してもらいます。
リサーチ結果
利用者がウェブページのどの部分を覚えているのか、また、どのアイテムが1番印象的だったかが分かります。このメソッドでは記憶の認識を利用します。

11,Critical Incident Report(クリティカルインシデントレポート)

方法
参加者から、サイト訪問後の体験についてのフィードバックを集めます。メール、郵便、ウェブフォームを利用します。
リサーチ結果
素早く、また比較的低コストで利用者の体験データを収集できるメソッドです。

12,A vs B(A対B)

方法
このメソッドは、同一ウェブページの別デザインや別バージョンをテストするために利用されます。ウェブステータスパッケージや、Webnographerのようなリモートユーザビリティテストツールが利用できます。
リサーチ結果
サンプルのサイズが十分に大きければ、このメソッドによって最も効果的なデザインを判別できます。

13,Web Analytics(ウェブ分析)

方法
ウェブ分析によって、ウェブサイト訪問者のログデータを収集します。それにより、インターネットデータの報告や分析が可能となります。ウェブサイトの理解、最適化に有効です。
リサーチ結果
サイト訪問者がどこへ行くのか、どのページが閲覧されているのか、滞在時間はどれくらいか、などが分かります。このメソッドでは、利用者の訪問リサーチ結果は分かりません。

14,Open Card Sort(オープンカードソート)

方法
参加者に、1組のカードを配布します。その後、適切なカテゴリーを考え、類似カードをグループ分けしてもらいます。
リサーチ結果
カードソートは、ナビゲーションデザインや情報アーキテクチャに役立ちます。また、最も効果的なラベルや言葉を判別するのにも有効な方法です。

15,Closed Card Sort(クローズドカードソート)

方法
参加者に、1組のカードとカテゴリーを配布します。その後、それぞれを適切なカテゴリーに分類した上で、類似カードをグループ分けしてもらいます。
リサーチ結果
カードソートは、ナビゲーションデザインや情報アーキテクチャに役立ちます。また、最も効果的なラベルや言葉を判別するのにも有効な方法です。

16,Click Sort(クリックソート)

方法
参加者に、1組のカードとカテゴリーを配布します。その後、それぞれのカードに関して適切なカテゴリーをクリックしてもらいます。
リサーチ結果
カードソートと似ていますが、作業が素早く行えるため、利用者はカードソートよりもはるかに多くのアイテムを処理できます。

17,Tree test(ツリーテスト)

方法
参加者に課題を課します。参加者は、リンクなどのアイテムのリストを見て、その中から、課題を達成するのに最も効果的と思われるアイテムを選びます。
リサーチ結果
ツリーテストは、メニュー構造をテストするのに便利です。

18,Diary Study(日記調査)

方法
参加者に、一定期間の間、自身の活動に関する記録 (日記) をつけてもらいます。この調査には、焦点やテーマが伴うこともあります。そういった場合、参加者には、特定のトピックに関するあらゆる物事を記録してもらいます。
リサーチ結果
時間の経過に伴い利用者の体験がどのように変化するのかが分かります。体験が広がっていくような場合、特に、複数のタッチポイントのあるサービスなどにおいて有効です。

19,Participant Review(参加者評価)

方法
参加者に、ウェブサイトへのリンクを送り、インスタントメッセージを通じてデザインの提案をしてもらいます。
リサーチ結果
遠隔での共同デザインです。さまざまなバックグラウンドを持った人々に、デザインを支援してもらうことができます。

20,Video and Send(録画と送付)

方法
利用者は自身の体験を録画し、その動画をメールで調査者に送ります。
リサーチ結果
ビデオは、コンテクストの崩壊を防ぎます。これにより、設計者と調査参加者との距離を縮めることができます。

21,Web Survey(ウェブ調査)

方法
参加者はオンライン調査に答えます。調査への参加を呼びかけるのは、ウェブサイト上もしくはメールによってです。
リサーチ結果
利用者の広範にわたるフィードバックを収集できる、最も費用対効果の高い方法の1つです。

22, Longitudinal Survey(長期調査)

方法
参加者にウェブページを見てもらいます。その後、ページが “消え”、その後、参加者にアイテムのリストを見てもらいます。参加者に、どのアイテムがウェブページにあり、どのアイテムは無かったのかを回答してもらいます。
リサーチ結果
利用者の体験が、時間の経過に伴いどう変わるかを観察するのに役立ちます。

23, Delayed Survey(時間差調査)

方法
利用者がウェブサイトを訪問した際にポップアップウィンドウを表示し、メールアドレスと目的を尋ねます。
翌日、利用者に、訪問の目的が達成されたかを尋ねる追跡調査のメールを送ります。
リサーチ結果
時間差調査を行えば、利用者の体験の全てを把握することができます。

24, Exit Survey(出口調査)

方法
リアルユーザーを対象にポップアップウィンドウを表示します。調査へ参加したいかを尋ね、参加したい場合には新しいウィンドウがポップアンダーで開きます。利用者がセッションを終え、ブラウザを閉じると、調査ウィンドウが再び現れる仕組みです。そこでいくつかの質問に答えてもらいます。
リサーチ結果
利用者のサイト利用後の体験を調査できます。

あれっと、思った人もいるでしょう。実は、編集の段階で私達も気づいたのですが全部で24種類が紹介されています

UX DAYS TOKYO (代表) 見た目のデザインだけでなく、本質的な解決をするためにはコンサルティングが必要だと感じ、本格的なUXを学ぶため”NNG”に通い日本人としてニールセンノーマンの資格を取得。 業績が上がる実装をモットーにクライアントから喜ばれる仕事をしています。

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