「Google予約は3タップ、新幹線券売機は3分」――UXの差が生んだストレス体験
ある日、私はレストラン予約と新幹線チケット購入という二つの行為を通じて、UX(ユーザー体験)の大きな差を体感しました。
3タップで完了するGoogle予約
Googleでレストランを予約したとき、わずか3回のタップで完了しました。
迷いがなく、即時に確定できる安心感。ここには「ユーザーが目的を最短で達成できる」体験設計がありました。
UXの視点
- シンプルなフロー:選択肢が少なく、迷う余地がない
- 明確なフィードバック:即座に「予約完了」が表示され安心できる
- ユーザー中心設計:目的達成までの手間を最小化している
この体験は、まさに「優れたUX」のお手本といえます。
3分かかる新幹線券売機
一方で、新幹線の券売機では状況が一変しました。
操作に迷って最初からやり直す羽目になり、購入までに3分以上。
UXの視点
- 複雑な情報構造:選択肢が多く、利用者が迷いやすい
- 途中離脱のリスク:わからないと「最初からやり直す」以外の選択肢がない
- ストレスの蓄積:時間的制約のある状況で、焦りを増幅させる
このような設計は、ユーザーに「失敗コスト」を背負わせてしまいます。
ディスカウントチケットの落とし穴
さらに問題は続きました。違う駅からの帰路のチケットを購入する時に、販売権だと時間がかかる体験後だったので、駅前の販売所でディスカウントチケットを購入することにしました。そのチケットで改札を通ろうとしたところエラー。理由は「そのチケットは9月30日からしか使えない」というもので、購入した当日(9月11日)には使えなかったのです。
あとからよく見ると箱の中に小さな紙が入っていました。そこには、小さな文字で以下のような利用方法が書かれていました。
乗車する駅の窓口で乗車日および行先の変更をお願いします。
使用方法
行き 帰り
豊橋→東京
豊橋駅のJR窓口で乗車日の日付に変更
豊橋→東京の切符を東京都区内のJR窓口で
東京→豊橋へと方向と日付を変更
※変更は1度限り。変更後のキャンセルはできません
UXの視点
- 情報の可視性不足:重要な情報が小さな文字で隠されている
- 利用状況に即していない:急いでいる利用者が気づける設計になっていない
- 期待との乖離:ユーザーは「購入したらすぐ使える」と思うが、実際には使えない
ここには「ユーザーの文脈(急いでいる・すぐ使いたい)」がまったく考慮されていません。
結果として生まれた行動
結局、私は迎えに連絡して翌日に払い戻しするように依頼し、JR窓口で新しい切符を購入。
なんとか新幹線に間に合いましたが、出発10分前のギリギリのタイミングのやり取りでした。
UXの教訓
この体験から得られる教訓はシンプルです。
- ユーザーの目的を最短で達成させる設計
→ Google予約のように、余計な選択肢を排除する - 失敗を許容する設計
→ 券売機のように「最初からやり直し」ではなく「途中から修正」できるUIが必要 - 重要情報の可視化
→ ディスカウントチケットは「有効開始日」を箱の正面に大きく記載すべき
毎日の仕事として箱を入れ替えれば言い訳だからさ、まだ使えないチケットは、箱に大きく
「本日はまだ使えないので、新幹線の窓口で日程を変更してください。」と記載してくれれば、誰でもわかると思うのです。とほほ。
UXの本質は「ユーザーが望む行動を、望むときに、スムーズに実現できること」です。
今回の体験は、その重要性を改めて痛感する出来事でした。