シンプルは何もないことではない

格言:大本あかね / 記事作成・イラスト:Mai Kosoba

「シンプル」と聞くとミニマリズムや装飾のないデザインを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

Webデザイナーとして働き始めたばかりの頃、クライアントから「シンプルなデザインで」とお願いされたことがありました。

当時の私は色数を減らし、装飾を無くせばシンプルなデザインになると考えていたのですが、出来上がったデザインは見やすい訳でも計算されたものでもない、ただ文字を配置しただけのようなお粗末なものになりました。

必要なものを残す、ということ

「シンプルなプロダクトデザイン」と聞くとApple社の製品を思い浮かべる人も多いかもしれません。

Apple社の製品はとてもシンプルですが、最小限の要素のみ集めて完成させたというよりは、計算して要素を削ぎ落としていったという表現が近いと思います。

ひとくちに「シンプル」と言ってしまえばそれまでですが、「Human Interface Guidelines」を読むと「アクティブなウィンドウと非アクティブなウィンドウを区別させるために要素を半透明にしたりドロップシャドウで表現する」「ボタンのタイトルはわかりやすく。また動詞を使う」など、見た目だけではない部分まで計算されて作られているかがわかります。

以前の私の失敗は、この見た目のシンプルさしか考えず、少ない要素を組み立てて作ろうと考えていたのが原因でした。

伝えるためのシンプルさ

近年では、モバイルファーストの影響もあってか、過度な装飾ではなく要素の少ないデザインを目にすることも多くなりました。しかし、シンプルさを追求するあまりユーザーが求めている情報を見つけられなかったり、伝えたいことがきちんと伝わらないこともあります。

表面的なシンプルを求めるのではなく実際に必要な要素を精査し表現する「削ぎ落としたシンプルさ」を持つ必要があります。



この記事を書いた人:Mai Kosoba

北海道出身、大阪在住のデザイナーです。よく東京の勉強会にも参加しています。 UXについてまだまだ勉強中ですが、学んだことをシェアしたり関西圏での勉強会を開催していきたいと考えています。 読書・着物・旅行・美術鑑賞・ゲームが好きです。