カスタマーセンターの案内メールと連携しよう
UXと理論をテーマにした電子書籍をAmazonのKDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)を利用して発売しました。
書籍発行までの手順でわからないことがあったのでカスタマーセンターに問い合わせをしたかったのですが、方法が分かりづらく、まずはメールで問い合わせ方法について質問をしました。そして、後日、回答をメールで頂きました。しかし、そのメール文章とWebサイト構成に互換性がなく、かなり頭を使って見る結果となりました。
カスタマーセンターからのメールに記載されているURLクリックすると、直接問い合わせページに行きます。
メール文章とサイト構成の相違が迷わせる
Gmailで受け取ってAmazonのページに行ったのですが、メール内容を覚えて操作できるようなものでなく見比べて操作することになりました。
メールの文章は
2. 「お問い合わせの種類」と「お問い合わせ内容」を選択し、「電話で問い合わせ」ボタンをクリックします。
とありました。メールでの箇条書き(2)に記載してある「電話で問い合わせ」は、わざわざ括弧書きになっていたので、セレクトボックスの選択項目にあると思ったのですがありませんでした。
また、メールの文章は「1,2,3,4」と番号を付けた箇条書きになっているのですが、Webサイト上の番号と連携できていなかったため、余計に迷ってしまいました。
ユーザーが想像したUIと異なってる
ユーザビリティテスト実施中にユーザーが戸惑ってしまった場合、モデレーターは「想定していたもの、思ったものと違いましたか?」のような設問をすることがあります。それは、ユーザーの想定と異なるUIは良くないためそれらを聞くためにです。
迷ってしまった私は、Webサイトとメールを横に並べて比較しながら操作することにしました。
セレクトボックスの選択項目で電話がないので、Webサイトの(3)に当たる部分に「電話で問い合わせ」があると探したのですが、グレーアウトされた[電話]ボタンしかありませんでした。
繰り返しになりますが、括弧書きは、全く同じ文言がサイト上にあるかと思わせるため、動作を迷わせてしまいます。メールの箇条書き(3)の以下の文章も合わせて照らしてみました。
メールの箇条書き(3)の以下の文章も合わせて照らしてみました。
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お客様の電話番号を入力し、「今すぐ電話がほしい」または「5分以内に電話がほしい」ボタンをクリックします
該当する箇所は、下記画像のようになっていました。
改善案のメールを考えてみた
お電話でのお問い合わせ方法は、以下のとおりです。 (営業時間:年中無休24時間対応)
0.以下のURLをクリックし、サインインします(サインインするとアカウント確認の時間を短縮できます) http://amazon.co.jp/gp/help/contact-us/kindle-help.html/
1. 「お問い合わせの種類」を選択してください。
2. 「お問い合わせ内容」を選択してください。
3. 「お問い合わせ方法」から「電話」を選択してください。 フォームが出てきますので、お客様の電話番号を入力し、「今すぐ電話がほしい」または「5分以内に電話がほしい」ボタンをクリックします。
ご指定いただいたタイミングでこちらからお電話をおかけします。 お客様からのご連絡をお待ちしております。
カスタマーサービス **
WebサイトのUIとメール文章の統一を行うため、箇条書きに「0」を加えました。ただし、この文章は箇条書きに含める必要もないかも知れません。
Amazonのカスタマーセンターは問い合わせごとに人的リソースで対応しているので、各自の言葉で表現してしまい仕方ない部分である点も推測されます。、しかし、実際に送られて来たようなメールによって、カスタマーが再び問い合わせを行うのは、より無駄なコストが発生してしまいます。
私が行った事ではありますが、そもそも”問い合わせ方法”を問い合わせている自体もどうなんだろう、と感じてしまいました。現実問題として、これらを全てカバーするのはハードルが高いことなので、解説方法のガイドラインは必要だと感じました。
問い合わせ内容を残さない取り組み
Amazonでは問題を取り残さないために、ユーザーに問い合わせが解決できたかを問うフィードバックメールが届きます。問い合わせ後に必ず届くのですが、取りこぼしを防ぐための仕組みで素晴らしいです。
ただ、中には解決できない問題もあったりするので、問い合わせ中という項目のボタンがあってもいいのかも知れません。
フィードバック設計にも工夫がなされている
KDPでは、ページの使いやすさの評価を受けるために工夫をされています。フィードバック自体があるのも良い点ですが、その設計も上手にできてます。
まず、評価を3つの顔から手軽に選ぶことができます。クリックだけなので、直感的に送信が可能です。また、何か気がついた点を教えてもらうために、具体的な意見を出すこともできます。これは、多くのユーザーからフィードバックを受けたい時に最適な方法です。
ECサイトでも同様に意見を出すことができる
AmazonのECもそうですが、ユーザー操作に対する意見をきちんと取り入れる姿勢が伺えます。
Amazon内の広告表示下には広告への意見を、検索ページのページネーション下には検索システムについての意見をという具合に、適材適所ユーザーの視点を良く理解している配置になっています。
私はAmazonサイトを一番最初に見た時、特にアフィリエイトページはわかりにくくて好きではなかったのですが、ユーザー意見を元にコンサルタントの意見を取り入れたページ改修で、急成長しています。
最後にお知らせ
お陰様で紙の書籍も増刷されました。ご購入いただいた方ありがとうございました。
また、理論は現場で使えないと思われている方もいるようですが、理論でなく感覚で設計やデザインしているとPDCA(6D)を回すことはできません。社内での合意も感覚では進みにくいので理論的なデザインをぜひ試みてください。