リアルな学びは、脳に刺激を与え、記憶に残る
調べたいことがあれば、すぐにネット検索。そんな便利な時代です。
たとえば「牡蠣の開け方」がわからなければ、AIや検索エンジンに聞いて、記事や動画で確認します。でも、しばらくしてまた同じ疑問が浮かぶと、同じように検索して調べ直します。
これって、実は覚えていないんです。カーナビに頼っていると道を覚えないのと同じ感覚です。
数ヶ月後、また同じ情報が必要になっても、以前どのサイトを見たのか覚えていない。でも検索すれば似たような情報が出てくるので、とりあえずそれで満足してしまいます。
しかしこれは、「その場限りの学び」です。右から左へ流れていくだけ。記憶に残らず、応用も効きません。
なぜ“カーナビ学習”では身につかないのか
情報は溢れていますが、「調べれば出てくるから」と思考停止してしまえば、自分で道を探す力が育ちません。
カーナビや乗換案内に頼ってばかりいると、道順や路線をまったく覚えられないように。
でも、同じ道を意識して何度も通れば、自然と覚えます。意識的に学ぶかどうかで、学びの質は大きく変わります。
情報は調べれば出てきて、簡単に手に入れることができます。
しかし、調べた情報で成し遂げているようなものは、情報がなければ得られない能力です。
カーナビに頼り切って運転していると道を全く覚えない、乗り換えアプリに頼り切って何線で到着したのか覚えていない。そんな状況と同じです。
毎日同じ道を繰り返し通っていたら、自然と覚える可能性もありますが、意識的に覚えようとするか、脳の使い方で、その学びの習得度は劇的に変わります。
有意義な学びの条件

1. 良い先生から学ぶこと
情報は検索すれば手に入りますが、それが正しいとは限りません。
本当に大切なのは、「その情報がどう伝えられているか」「誰から学ぶか」です。
私はヨガが好きで通っていますが、同じポーズでもインストラクターによって効き方が全然違うと感じていました。
それは、参加者の反応を読み取り、声かけや動作の導き方を変えているから。
同じことを教えていても、伝え方・気づかせ方で効果がまったく異なります。
2. 情報を「教え:自分へのアドバイス」として捉えること
同じ情報でも、知識として受け取るのか、教え:自分へのアドバイスとして捉えるのかで行動が変わります。
「知った」で終わるのではなく、「自分の現場にどう活かせるか?」と考えることで、初めて自分のものになります。
スポーツでも、ただ知識を得るだけではうまくなりません。
自分の弱点に気づき、改善に活かしてこそ、本当の学びです。
3. リアルな場で学ぶこと
その場の空気、温度、空間――リアルな体験は、五感を通じて記憶に残ります。
旅行先で食べたラーメンをいつまでも覚えているように、「場」と「体験」が結びつくことで、学びは深く刻まれます。
だからこそ、一度でもいいからリアルで学ぶ機会があると、オンラインでの学びもより効果的になります。
「思い出せる」「つながる」記憶のフックができるからです。
実体験から感じた「リアルの力」
私はこの10年以上、海外スピーカーからリアルに学ぶ機会を大切にしてきました。すべてを覚えているわけではありませんが、会場の雰囲気やスピーカーの言葉が、必要なときに記憶から引き出されると感じています。
これはまさに「潜在知識」。
体験をともなった学びだからこそ、時間が経っても消えません。
ローマは1日にしてなりません。学びも、知識を得たからといって、それをなすことになりません。
ダンスを例にするとわかりやすいのですが、1日目に習ってできなかったことが、一日寝ることで、次の日にできるようになることがあります。それは、寝ている間に、脳に記憶されるメカニズムがあるからです。このように、潜在意識に蓄えられたものが、次の日とは言わずとも、活かされてできる日が来るようになるのです。
どんなことも直ぐにできることはありません。だからこそ、潜在意識に残りやすい学びを得て、鍛錬し、できる自分になっていることを目指しましょう。そのためにも、五感で学ぶリアルを大切しにしていきましょう!
「本当に身につく学び」は、こうして生まれる
繰り返しですが、ネットでも独学でも学べる時代です。しかしながら、カーナビ的に情報をなぞるだけでは、スキルも知識も血肉にはなりません。
- 良い先生から
- アドバイスとして受け取り
- リアルな場で体験する
この3つが揃った学びは、地味でも確実にあなたを成長させてくれます。
UX DAYS TOKYOでの学びが“本物”である理由
UX DAYS TOKYOでは、海外で活躍する著名なスピーカーを招聘し、年に一度、カンファレンスとワークショップを開催しています。招かれるのは、世界の第一線で活躍する実力派ばかり。
そんなスピーカーから直接、リアルに学べる機会は貴重であり、まさに一期一会の体験です。
同じスピーカーが再来日することは滅多にありません。このリアルな学びは圧倒的な価値があり、実際に多くの参加者が高い満足度を得ています。
しかし、大切なのはここからです。
どれほど優れたスピーカーの話であっても、「自分にとってこの考えはどう活かせるのか?」と自分ごととして咀嚼しなければ、学びは一過性で終わります。
学びは、知識ではなく「体得」です。
つまり、本当の意味での学びとは、「日々の実践」によって初めて自分の中に定着していくものです。
もちろん、努力や訓練が必要ですが、苦行のように感じる必要はありません。
「好きこそものの上手なれ」という言葉の通り、楽しんで取り組むことこそが継続の秘訣です。
自分やチームの成長を記録し、小さな変化に気づくことで、モチベーションも自然と保てるようになります。
そのためには、自分やチームの行動に意識の光を当てることが重要です。
人は「システム1」(直感・習慣)で日常をこなしてしまいがちです。だからこそ、学びを日々のワークフローやオペレーションに組み込むことが、真の定着につながります。
年に一度の“最高の学び”を、あなたの年間ルーティンに
UX DAYS TOKYOの学びは、単発で終わらせてしまうのはもったいない。
あなたの成長のために、毎年のルーティンとして取り入れてください。
さらに、UX DAYS TOKYOでは年1回のイベントに加えて、月1回のオンライン読書会も開催しています。ここではインプットだけでなく、参加者が発表する機会もあり、アウトプットによる深い学びが得られます。
自分を少しだけ追い込みながら、楽しんで学ぶ。
そんな“続く学びの習慣”を、あなたも始めてみませんか?