自分の限界を突破する!ビジュアル・シンキング練習法:第一弾

2020年9月に開催予定のUX DAYS TOKYO 2020に、ビジュアル・シンキングのエキスパートであるEva-Lotta Lammエバ・ロッタ・ラム氏を招聘し、ワークショップを東京でも開催することになりました。

この記事は、2016年4月にエバのブログで公開された「On practice: My personal learning curve」の翻訳版です。

エバは自身のワークショップや活動にて「練習」することの重要性を説いています。彼女自身の経験や、練習を行う上で必ず出会う壁との向き合い方を教えてくれました。スケッチノートに限らず、あらゆる学習を行う上で重要なマインドを、これから3週にわたってお伝えしていきます。

肖像 エバ・ロッタ・ラム

Eva-Lotta Lamm(エバ・ロッタ・ラム)

Google、Skype、Yahoo!で12年社内デザイナーとして働き、現在はベルリンを拠点にUXデザイナー、イラストレーター、およびビジュアル・シンキングのプロフェッショナルとして様々な企業を支援中。
Twitter:@evalottchen

この記事はEva-Lotta Lamm Blogからの転載記事です。ご本人の許可を得て翻訳、配信しております。

翻訳元記事:On practice: My personal learning curve

ビジュアルシンキングの練習に関連する3部構成ミニシリーズの第一弾です。

第二弾:遊びを取り入れ効率的に学ぶ!ビジュアル・シンキング練習法:第二弾
第三弾:失敗こそ正解!ビジュアル・シンキング練習法:第三弾

過去数年間、何十ものスケッチとスケッチノートのワークショップを教えてきました。

ワークショップの盛り上がりは素晴らしく、参加者は新しい学びを楽しんでいます。しかし、1つの「必殺技」を学ぶだけで、他の全てもできるようになると期待されている場合が多いのも事実です。

「必殺技」は学びを始めるキッカケになるでしょう。しかし、ワークショップをやったからといって、すぐに使いこなせるようになる訳ではありません。ワークショップに参加すると、学んだことに触発されてつい別のことを思いついて次に進んでしまいます。習得したいことが何であれ、上達する唯一の方法は「練習すること」です。

練習とは、美しい完成品の裏にある、あまり魅力的ではない舞台裏を指します。私も日の当たらない場所で、誰にも見せることの無いスケッチに何時間も費やしています。

ワークショップでは練習の大切さに重点を置いています。特定のツールやスケッチのやり方を教える代わりに、自分の殻を破り、様々な事にチャレンジできるようになる練習スタイルの作り方をお伝えしています。

なぜ練習が重要なのか、練習を行う際に必ず直面する壁は何か、壁を乗り越えるにはどうすればいいのか、練習を楽しく価値のあるものにするにはどうすればいいのかを見ていきましょう。

練習すれば必ず報われる

スキルを必要とする全ての物事と同じく、スケッチを上達させるには練習が最も重要です。練習とは「何をしようと考える」のではなく、「何かをしている時間」を指します。物事を試したり、間違えたり、時には遠回りをすることで自分の未知の領域を探索するものです。そうして練習は時間と共に積み重なっていきます。

練習は定期的に行うことが望ましく、理想としては毎日行うのが良いでしょう。

「1日に何時間も練習時間を確保する」という意味ではありません。やる気が無くても、「毎日座ってスケッチする習慣を身につけましょう」ということです。

私もたまにスケッチをしたくない気分の日もあります。しかし、ペンを手に取り数分間スケッチをすると、すぐにやる気スイッチが入って楽しむ事ができます。

練習を実践するにあたり、もう一つのポイントは「練習を信じる」ということです。

時間の経過とともに上手くできるようになりますが、成長していないと感じる瞬間は何度も訪れます。

上達する人としない人では、練習に迷いが生じる瞬間に違いが生まれます。

「こんな練習して、何の意味があるの?」と思っても、今この瞬間にも自分の内側で何かが起こり、変化していると信じる必要があります。

私の個人的な学習曲線

長年にわたり、多くの学習で何度も同じ苛立ちを感じていました。

新しい事を学ぶのが大好きで、スケッチ・即興劇・書道・ヨガ・ランニング・新しい言語など、今までに何度も新しいことを学んできました。

学びの過程で、私は自分自身の学習曲線(学習の練習量と反応時間の関係を表す曲線)があることに気が付きました。

エバが感じる自身の成長曲線図

エバが感じる自身の成長曲線図

1.ハネムーンフェーズ

新しいことを学ぶのにとても興奮している段階です。同じ分野の先人達が行っている活動に影響され、自分が同じことを出来たらどれほど素晴らしいだろうかと想像します。私はワークショップへ参加し、意欲的に練習を行っています。

2.現実が見えてくる

講師達はとても簡単に、そして優雅にやってのけているのに、自分が同じことをしようとするとまるでうまくいきません。私の成果物は恥ずかしくて、誰かに見せられるものではありません。これは辛いことです!

3.どん底に落ちる

新しいことを学ぼうとすると「最悪だ!こんなことは絶対にできないし、まかり間違ってもこれ以上に上手くなるわけがない!」という気持ちを必ず感じます。

4.ただやるしかない

長く続けていくうちに、「上手くいくわけない」という気持ちは必ず出るものだとわかりました。今では、この気持ちが出てきても特別驚くことはなくなりました。例えるならば、パーティに出席したら、毎回あまり会いたくない幼馴染と出会ってしまう状況と似ています。

「あら、また君だ!私はまた下手なの?確かにそうだよね!私に今はまだ下手だって事を知らせてくれてありがとう…それじゃ、とりあえず私は練習を続けるからね。」

私は「今やっていることを全部投げ出したい」という感情は本物であると認めますが、練習を辞めるわけにはいきません。今は苦手ですが、上達への唯一の方法は今の状態を乗り越えることであり、乗り越えれば「今より少しは良くなるんだ!」と考えます。

5.光が見えてくる

練習を続けるうちに、あるタイミングで徐々に成果が出てきます。

スキルの上達は直線的な上昇ではなく、スキルの無い昔の時代に戻っているように感じる日もあれば、うまくいったりいかなかったりする日もあり、進歩は肉眼では見えにくいものです。

しかし、数年前の仕事を振り返り、今の仕事を比較すると実際にどれだけ上達しているか、改善されたか理解できるでしょう。

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この記事を書いた人:UXDT