「サービスの価値を上げるために」「競合他社との差別化のために」という理由で次々と機能を追加した経験はありませんか?
機能の追加や、アップデートには工数がかかります。追加した内容は本当にユーザーが求めていたものでしょうか。
ユーザーが求めているのは機能の多さではありません。制作者はユーザーが何を求めているかを理解し、システムやサイトを設計すべきです。
使う頻度の少ないサービスが固定メニューに追加されている例
ある銀行アプリの例です。振込・送金以外にも、さまざまなサービスが展開されています。通常、下部に固定されたメニューは常に利用するものを設置します。しかし、固定されているような「かりる・備える」「くじ・楽しむ」の行動は、常に使うサービスではありません。
ホーム画面にある「定期預金」や「資産管理」のメニューも頻繁に使うものではありません。
銀行アプリである以上、様々なサービスを用意してあれもこれもと画面上に置いてしまうよりも、ユーザーが求めている機能を絞り表示する方が迷わず使えるのではないでしょうか。
ユーザーの目的に沿ったメニューのExpediaのアプリの例
ホテルや航空券を扱う旅行予約サービス「Expedia」のアプリでは、ホテルや航空券の検索が上部に固定されています。下部のメニューは旅行を予約・予約確認・アカウントの3つのみです。
「ユーザーに使って欲しいサービス」をメニューに入れるのではなく、「ユーザーはこのアプリに何をしに来ているのか」が考えられたレイアウトになっています。「予約・検索・確認」にすぐにたどり着けるため、ストレスも感じません。
ユーザーが本当に求めているものを作る
便利だろうと思いあれもこれもと欲張ってサービスを作り出してしまうと、結果的にユーザーにとって重要ではない機能がただ増えて雑多なUIになり、ユーザーを迷わせます。仮に多くの機能が入ってしまう場合は、情報設計をして段階的開示などを行い、わかりやすく、使いやすいUIにしていく必要があります。
制作しているアプリの軸を最初に決めておき、拡張していく場合も軸からずれないかを考えてアプリの本質を忘れないように設計しましょう。