認知バイアスは、「勝手に脳が判断(自分の都合よく解釈)してしまうこと」です。自然と脳が勝手に判断して捉えてしまうので、自分の判断で変更できないところが厄介なところです。
自分の認識じゃないことは、錯視から捉えると理解しやすいと思います。平坦なところなのに、穴が空いているように見えるとそのような行動になります。
動物も穴が空いていると思って行動しています。 引用:https://fb.watch/iOAa3ZmCeA/
このように、考えればわかることでも、脳の中ではどうしてもそう感じてしまう(見えてしまう)バイアスが存在しています。
会話の上での認知バイアス
日常会話でも誤解がたくさん
これらのバイアスは日常で頻繁に起こっています。
先日、銭湯に行った時、フィリピンの収容所から詐欺行為を指示した特殊詐欺の事件がサウナのTVで流れていました。
私は、サウナに入っている知人に話しかけたのですが、相手の反応は私の想定と違うものでした。
私:「これ、ドラマみたいですよね?」
相手:「この時間帯はニュースになっちゃいますよね。」
私の心:「どういうこと?」「この時間帯は確かにニュースだけど。」
暫くして:「あ、私がドラマを見たいと思ったのか。。。」
他にも、
スポーツジムの45分クラスが19時10分スタートだったのですが、私は19時15分スタートだと勘違いしていて、5分前にスタジオ入りしたのに開始寸前で、びっくりしました。10分ほど経った休憩時に、隣の人に話をしたのですが、また解釈が異なっていました。
私:「15分からだと思っていました。」
隣の人:「15分(クラス)じゃないですよ。45分ですよ。」
。。。。(T_T)
ミーティングでも良くある解釈の相違
相手の解釈を確認する
自分ではちゃんと説明しているつもりでも、相手は自分が伝えている内容をきちんと理解していないことがあります。これは、わざと間違って解釈しているのではなく、バイアスによって解釈することで起こってしまいます。
解釈の違いは仕事のミーティングでも頻繁に起きています。
「自分は確かに伝えた。」という解釈ではなく、仮にきちんと伝えていたとしても、相手が理解していなければ伝えたことにならないので、相手の認識を確認するようにしたいですね。
全員の認識合わせは難しい場合でも、ランダムに数名の意見を聞くことで、その人の解釈を聞くことで理解が深まったりします。
複数名でのミーティングの場合、同調圧力もかかるため、心理的安全性を確保すると同時に、一見、時間の無駄だと思われがちですが、解釈の齟齬がないように擦り合わせの時間を作りましょう。
認知心理を理解することで寛容になる
同じ言語を使い、同じ組織で、同じ目標を持っているのだから同じ認識をしているに違いないと思う人は多いはずですが、親子や兄弟、友達とも似たような考えになりがちでも、全く同じ考えや認識を持っているわけではありません。また、完全に同じになることもないでしょう。
認識の擦り合わせはとても大切ですが、完全に認識が同じになることはないこと、そしてそれは、能力とかの問題でなく認知バイアスであることを知ることで、相手に対して寛容になることができます。
態度で心理的リアクタンスも左右する
私自身も気をつけなければと思うのですが、リサーチやOJTで自分の言いたいことに近づくと声のトーンが高くなるのですが、遠いと少し下がっていることに動画を見ると気が付きます。わざとやる時もありますが、あまりにも声のトーンが下がって出来ていないことが続くと、相手はやる気を失ってしまいます。結果的に、ゴーレム効果で人の成長を止めてしまう可能性もあるのです。
人や組織の成長を促すためにも「心理的リアクタンス」のような心理学や脳科学を学び、EX(Employee Experience:従業員体験)設計をしてみんなで意識しあい、強いチーム組織文化を作っていきましょう。
認知バイアスでEX(Employee Experience:従業員体験)を設計しよう!
2023年4月1日のワークショップ「インクルーシブデザイン:バイアスに配慮した実践と組織内の環境構築」では、認知バイアスを利用して、自然と強いチームにするための設計方法を学ぶことができます。
バイアスを理解することで、チームで陥りがちな穴に落ちないように気をつけることができます。逆にバイアスを知らないと、見える穴を本当の穴と間違って認識し齟齬が生まれます。間違った認識はチームの弱点にもなります。
弱点を知ることで人は強く成長します。心理的安全性はGoogleをはじめ、シリコンバレーの大きくなっている企業では取り入れています。しかし、その意味を理解できても、実際に組織に取り込むのは至難の技です。
このワークショップを受講して、EX(Employee Experience:従業員体験)設計して強いチームを作りましょう。私もこのワークショップを受講して、今行っているコンサルティングにも役立たせたいと考えています。席数も僅かになってきているのでお早めにお申し込みください。