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コンテキストについて理解を深めるワークショップ 第16回:レポート

2017年8月18日(金)にPR TIMESで開催された、第16回「コンテキストの理解と実践」UXワークショップのレポートをいたします。

  • 日時:2017年8月18日(金) 19時〜22時
  • 場所:PR TIMES オフィス
  • 参加人数:約30名
  • モデレーター:大本 あかね(Web Directions East)、山田 和広(PR TIMES)

コンテキストの理解と実践ワークショップのイメージ

概要

UXデザイナーをはじめ、ディレクター、エンジニアなど幅広い職種から約30名ほどの方にご参加いただきました。今回は若い方の参加も多く、議論が活発に行われていました。若い方の参加が多いと心強いですね。

いつものように座学のセッションとワークショップを交えて、コンテキストについて学んでいただきました。このレポートでは、当日の様子や会場のPR TIMESさま社内の様子などを紹介させていただきます。

目次

  • コンテキストについての誤解
  • コンテキストの理解と実践の読み合わせ
  • モバイルユーザーの理解
  • 旅をテーマにしたワークショップ
  • 懇親会の様子
  • 全体を通しての感想

コンテキストに対する誤解

最初に「コンテキスト」とは何かを考えてもらうことから始まります。
大半の方は「コンテキスト」について聞いたことはある程度で不明瞭なところがありつつも「コンテキストが何か」をあげていただきました。

  • 歩きながらみている
  • 携帯をみている
  • 時間帯は昼。
  • 待ち合わせの場所に向かっている
  • スマホに慣れていない年代の方

など、様々な意見が出て来ました。参加された方の意見のうち、半分ぐらいの意見がコンテキストに該当していました。

コンテキストは予測値ではない

ここで注意しなくてはならないのは、コンテキストとは「文脈」「背景」「状況」であって予測値ではない、ということです。「〇〇する可能性」というのはコンテキストではありません。

例えば、上の写真では「待ち合わせの場所に向かっている」「スマホに慣れていない年代の方」というのはあくまで可能性としてありえますが、写真からみて明らかなわけではありません。つまり、「待ち合わせの場所に向かっている」「スマホに慣れていない年代の方」は上の写真のコンテキストには該当しないわけです。

コンテキストの理解と実践の読み合わせ

今回も、ケニーボウルズ氏によるコンテキストの記事を読んで概要を発表していただきました。2013年に書かれた記事ですが、ここまでコンテキストについてわかりやすく触れた良質な記事は他にありません。ワークショップではグループで読みあわせし、グループ内で発表してもらうことをしました。

今回は2〜3人で1グループとなって発表していただきました。短い時間で記事を読み、内容をまとめるのは大変ですが、皆さましっかりとまとめてくださいました。中には記事をプリントアウトして持って来てくださった方も。。。やる気に刺激を受けました。

記事はコンテキストについて7つの切り口から解説していますが、全ての切り口をサービスに入れなくてはいけないのではありません。どの切り口を入れるかというのをよく考えるということが重要になります。

例えていうなら「パスタを茹でる時に使う塩」のようなものです。パスタをアルデンテに茹でるには塩が必要不可欠なのですが、高級な塩を入れればいいものでもないですし入れ過ぎてしまってもしょっぱいだけです。

モバイルユーザーの理解

モバイルユーザーを理解=UXの設計に必要不可欠

ここでスピーカーを大本さんから山田さんに交代して、モバイルの誕生によるコンテキストの変化について勉強しました。

スマートフォンを使うことがあたりまえになっており、モバイルユーザーの特徴を考慮するのは必須になっています。Googleで定義しているモバイルユーザーの特徴が紹介されました。

  • 暇つぶしの時がある
  • 同じことを繰り返している
  • 急いでいる時がある

スマートフォンを使うのは通勤中だったり、行列に並んでいる時だったり、急いで調べ物をしている時などといったシーンなので上の特徴に当てはまりますね。

起きてから15分以内にモバイル端末をチェックする人の割合やモバイル端末のチェック回数、セッション時間の減少といったユーザーの変化についてもデータを交えながら紹介していただきました。

現在、私たちの生活においてはスマートフォンがすっかり定着しています。若い世代ではPCが使えないかたが多いと言われているくらいです。(知り合いの大学教員曰く、学生は全てスマートフォンで検索などを行なっていて、PCが使えないとのことです)改めてモバイルユーザーの特徴について考えて、取り入れていく必要があると思いました。

 旅をテーマにしたワークショップ

コンテキストについて理解が深まったところで、ワークショップを行いました。

  1. 「旅」をテーマにしたストーリーテーリングから「タスク」と「コンテキスト」をあげる
  2. ストーリーを元に、サイトで実際に検索を行なってサイトを評価

「旅」をテーマにしたストーリーを読んだ後、参加された方々に「タスク」と「コンテキスト」をあげていただきました。

以前私もやってみたことがあるのですが、「タスクを満たすための条件」と「コンテキスト」がごちゃごちゃになってしまい、なかなか難しかったです。「このストーリでは何がゴールなのか」ということを意識する必要があると感じました。

「タスク」と「コンテキスト」をあげた後に、ストーリーを満たすような宿泊先をお好みの旅行サイトを使って探していただきました。

なかなか思ったような検索ができずイライラしたり、思ったよりも使いやすい面を発見できたり、参加された方それぞれ気づきがあったようです。中には「以前は使いにくかったけど、使いやすくなった」というサイトもありました。

懇親会の様子

ワークショップが終わった後は懇親会です。なんと、PR TIMESさまからお酒とケータリングの提供があり、美味しくいただくことができました。(PR TIMESさまありがとうございます。)

美味しい食事とお酒と共に話も弾みました。中には私と同じエンジニアの方もいらっしゃって嬉しかったです。エンジニアはどちらかというと「仕様書通りのもの」を作ることを求められますが、そもそも仕様が間違っていたら意味がありません。「エンドユーザーのUXを高められるような仕様を顧客(サービスのオーナー)と一緒に考えていかないといけない」という話で盛り上がりました。

全体を通しての感想

私自身はUXデザイナーではないので、かなり難しい題材でしたが、これはUXのほんの基礎だそうです。もっとしっかり理解しないといけないですね。

この勉強会は何回か参加させていただいているのですが、参加された方の意見を取り入れており、回数を追うごとにわかりやすく改善されています。

一度参加された方も、時間が経ってから再度参加してみるのもいいのではないでしょうか。新しい発見ができると思います。

フリーランスのエンジニア。 2001年東京都立大学(現首都大学東京)経済学部卒業。独立系ソフトハウス(システム開発)、株式会社シンプレクス(金融機関向け取引システムの開発・運用)を経て2011年よりフリーランス。フリーランスになってからは、スマホアプリ、サーバーサイド(Java,Railsなど)と様々なプロジェクトで開発に携わる。現在は会社員時代にお世話になった企業様でRPAプロジェクトで開発を担当している。 ダイエットのためにランニングとヨガを5年ほど続けているが、どちらもガチになる一方で全く痩せないことが最近の悩み。

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