ワイヤーフレームやサイトのデザインを作る際、「ここに文章が入ります。」といったダミーテキストや、ダミー画像を入れた経験のある人もいるのではないでしょうか。
ダミーのテキストでは、ユーザーにコンテンツを伝えるためのデザインを完成することはできません。
イラストの例だと、引っ越しでなんとなく見栄えの良い部屋を選んでみたのはいいのですが、今持っている家具のサイズが合わない、日当たりが良くないなどの問題が出てきてしまい結果的に部屋に合わせたレイアウトになってしまいます。
「居心地の良い部屋にしたい」という理想や目的よりもレイアウトを優先させることになるのです。
レイアウトの完成=デザインの完成ではない
ダミーテキストで分かるのは見た目のみであり、コンテンツの良し悪しやその位置に置かれているテキストが適しているかどうかはわかりません。
ユーザビリティテストを行う際にも、ダミーテキストできるのは動線や操作の確認のみです。「送信ボタン」やテキストひとつでもユーザーにとっては必要な情報であることもありますが、ユーザーが正しく情報を読み取れるかどうかはダミーテキストでは判断できないのです。
レイアウトを優先させるとコンテンツをそれに合わせる必要がある
ワイヤーフレームやデザインをダミーテキストで作成した後、実際にテキストや画像を入れた際にレイアウトが予想していたのと異なったり崩れたためレイアウトを変更したりコンテンツを調整したことがある人もいるのではないでしょうか。
レイアウトを保持するためにコンテンツを調整するのでは本末転倒です。
ワイヤーフレーム、デザインには実際に入れるテキストを
ワイヤーフレームを作成する段階で完璧なコピーが用意されている状況は少ないと思う方もいるかも知れませんが、要素がどこに配置されて、それがどのように機能するのかを確認するためにも実際入るものに近いテキストは必要です。
UXデザイナーが作成するのはレイアウトではなく、ユーザーに伝わるコンテンツです。
ユーザーにとってテキストや画像は情報を得るために必要なものであり、デザインの要素です。
リサーチやインタビューで得た結果を参考に入れる、クライアントにコピーの重要性を理解してもらい協力してもらう、ライターが入らない場合はラフなコピーを入れてクライアントと一緒にブラッシュアップしていく等、ワイヤーフレームの段階から実際に入るテキストに近いものを入れ、ユーザーにとって使いやすいデザインを目指しましょう。