UXとCXの違い
カスタマー・エクスペリエンス (CX) は、ユーザー・エクスペリエンス(UX)と比較するとより広範に渡り、個人とブランドの全ての接点(インタラクション)を対象にしています。
一般的に、UXではプロダクトのインタラクションにフォーカスされますが、CXは、特定のプロダクト以外の側面を含むため、UXよりも包括的なものになります。
CXは、顧客が他の人に進める傾向を評価する「顧客ロイヤルティ評価」NPS(Net Promotors Score)や全体的なカスタマー・)エクスペリエンスといった数値で評価されます。
航空券販売のサービスを通してUXとCXの違いを理解
UXとCXの違いをより理解するための例です。航空券を注文したいピーターは、航空会社のアプリをダウンロードしてシドニー行きのビジネスクラスの航空券を探しました。
彼はその航空会社のアプリを使用したことはなかったのに関わらず、優れたデザイン(ナビゲーションが明確でロードにかかる時間が短く、インターフェースも理解しやすい)であるため、10分もかからずに自分に合ったフライトを見つけ、オーストラリアでの休日を過ごすためのチケットを予約をすることができました。
しかし、ピーターが空港に着くと全く異なる体験をします。セルフサービスのチェックインには多くの時間がかかり、セキュリティ検査の行列も非常に長くなっています。
ビジネスクラスを予約したため、フライトでは上質な座席・良質なサービスが期待されます。ところが、食事もサービスも期待を下回り、座席に至っては、シートとレッグスペースがエコノミークラスと大差ないものとなっています。
ピーターはこの航空会社との最初の接点、つまりアプリの利用には満足していましたが、結局のところ、支払った金額と受けたサービスを考えると、全体としては割りに合わないと感じてしまいました。
この話は、プロダクトやサービスのUXと、CXが異なること、1つの成功が絶対的な成功ではないことを示しています。 この場合、(UX) の成功がもう一方の成功を保証するものではないということの実例になります。
逆のケース
別のケースでは、これが逆になる場合もあります。つまり、CXが非常に良好でありながらUXが悪いという場合です。
その例として、プロダクトやアプリの ユーザー エクスペリエンスが悪く、ユーザーがサービスデスクに連絡すると、カスタマーセンターの素晴らしい対応がある場合などです。
優れたなUXは、良質なCXには不可欠な要素です。両方を統制していくことが重要であり、また、そうすることでそれらを相互補完的なものとすることができます。
結論として、UXではプロダクトそのものに主に重点が置かれるのに対し、CXで重視されるのは、オンライン及びオフラインにおけるユーザーや顧客がある企業との間で体験する複数のチャンネルにまたがるエクスペリエンス (全般の体験) に関するものと言えます。
企業がユーザー・顧客との間の良質で長続きする関係の構築を目指す場合、UXとCXの両方に関する適正な戦略がその成功に重要な鍵となります。