UX DAYS TOKYOスタッフの高橋です。前回、ユーザーのインサイトに合わせたコンテンツ作りの記事を書きました。
コンテンツは、読み手が本当に欲しい情報を提供することが肝です。そのために、まずペルソナを設計しよう!と、よく耳にしますが、デモグラフィックと表面的な趣味・趣向をまとめる程度のペルソナでは効果的に活用できません。今回は、ペルソナをコンテンツストラテジーに役立たせる考え方をご紹介します。
「本音」がわかると”本当に欲しいもの”がわかる
読み手の本当に欲しいものは「本音」から考えることができます。
見てしまう広告はどちらか考えてみる
2つの広告を比較して、マーケッターが、どちらが、思わず見てしまうのかを検討しました。
広告の例①
ダメだ…そろそろ「分かったふり」が限界だ・・・。
広告の例②
デジタルマーケティングを味方につける戦略立案と実践方法
思わずドキ!っとしてしまう広告に目がいく
マーケッターは、表面的に「マーケティングを学びたい」と思っているかもしれませんが、深堀りして本音考えると、「ごまかしながらマーケティングしているストレスから解放されたい」はずです。
そのため、広告①の「ダメだ…そろそろ「分かったふり」が限界だ・・・。」のキャッチコピーを見てドキッとしてしまい、思わず見てしまうのではないでしょうか?
言葉から思考(本音)を探る
本音は、ユーザーから、どのように伺えば良いでしょうか。聞き出せるでしょうか?
仮にユーザーから聞き出したとしても、相手を配慮した発言をするポライトネス理論や、期待に答えようとしてしまうホーソン効果があり、直接、本音を聞き出すことはとても難しいです。場合によっては、ユーザー自身も本音が何か分かっていないことがあります。
マザーテレサの言葉「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。」の様に、言葉は思考から生まれてきます。ですので、ユーザーが普段よく発言する言葉から、思考を探り、思考から本音を考えてみると良いです。
冒頭で紹介した、よく作成されるペルソナの例には思っている言葉がないため、思考を探ることができません。
ペルソナの属性から、よく発言している言葉や思考を考えます。どうしても思いつかない、わからない場合はインタビューやリサーチをします。
ペルソナのUXデザイナー佐々木さんは、口癖で、「本当にニーズはあるんですか?リサーチした方が良いんじゃないですか?」や、「(実装や制約に対して)それってそんなに大変なことなんですか?」といった発言をします。
発言から、佐々木さんの思考や本音は「企業の都合や金儲けは悪だと思ってる」、「ユーザーのリサーチ結果が神だと思っている」と推測できます。
身近な人の言葉からも思考を考えてみる
本音がわかればユーザーが欲しいものが見えてきますが、そう簡単にユーザーの本音を探ることはできません。言葉も人によって捉え方が異なるからです。
家族であっても考えていることが違うことはよくあります。
例えば、妻が夫に「なんで今月出費が多いのか?」と聞いたとき、妻はただ理由が知りたいだけなのに、夫は出費が多いことを責められていると感じたりします。
ユーザーが言葉をどういう意味で使っているのか、環境や価値観も踏まえた真意のユーザー調査が必要になります。相手を理解することはコミュニケーションにとっても重要です。まずは、普段から同僚や友人、家族の言葉に注目し、相手の思考を考えるところからトレーニングしていきましょう!