UXを考える上で、ユーザーのニーズやユーザー自身を取り巻くコンテキストを理解することは非常に重要となりますが、それらは非常に流動的で変化しやすいものです。数年前にうまくいった施策を今試しても、時代にあった施策でなければ結果はついて来なくなってしまいます。
身近な例えとしては、「数年前にプレゼントして喜んでもらえた物を、今プレゼントしても同じように喜んでもらえる保証はない」という話は、実感が湧く人も多いでしょう。
時代に合わせて移り変わるニーズ・ユーザーの例
1989年にウェブが誕生してから、時代の変化に合わせてニーズ・ユーザーは徐々に変化していきました。
オンラインショッピングを例にニーズの変化を紹介します。
1996年「かんたんに買い物をしたい」「商品を家まで届けてほしい」というユーザーニーズに応え、「楽天市場」をはじめとした様々なショッピングサイトが誕生しました。
その後ショッピングサイトが普及し、ユーザーは「早く届けてほしい」というニーズを持つようになり、2009年にはAmazonで当日配送サービスが始まります。
さらに、オンラインショッピングが当たり前になると、受け取れないことや再配達手続きを減らすために、ポストインやコンビニ配送サービスが普及していきました。
このように時代の変化に合わせて、ユーザーのニーズ、またユーザー自身を取り巻く環境も大きく変わっていきます。
また、事業者側も次々に新しいサービスや施策を実施し、合わせて変化していくことが重要です。反対に変化できない事業者は生き残りが難しくなってしまいます。
「今」の声を大事に!過去の事例やデータには騙されない
過去の成功体験や事例はあくまで過去のもの。変化していくユーザーを理解するには「今」の声を取り入れることは大切です。特にインターネット・ITの業界は移り変わりは非常に早いので、レビューをもらう仕組みを導入したり、定期的にユーザーインタビューを行うなど、できる限りリアルタイムでユーザーの声を拾い上げる工夫をしていきましょう。