ユーザの状態を言葉にするデザインはするな!

ユーザーの状態を表す言葉をサイトに表示させているデザインってありますね。例えば、「ログインしていない状態」か「ログインしている状態」かを示すものです。

ログアウトをしている。と表現しているサイトのデザイン
ログインしている。と表現しているサイトのデザイン

ユーザーは言葉を見ているわけではない

このようなデザインになった経緯は、ユーザーがログインしているかしていないかわからない。という声をそのままデザインにしてしまったと考えられます。

しかし、ユーザーの状態を言葉に示してもユーザーは言葉を見ている訳ではなく、直感で動いているので、意味がありません。

私自身もこのサービスを使って「?」となりましたし、他の方にもユーザビリティテストを実施してもらいましたが、やっぱり「あれ?」と迷ってしまいます。いくら言葉が表記されていても役に立ちません。

直感に訴えるアフォーダンスが重要

ユーザーは直感で作業しています。アフォーダンスの例で良く利用されるドアですが、ドアのデザインやドアノブの形状でユーザーは瞬時に押すのか引くのか、はたまた横にスライドさせるのかを認識して操作しています。

デジタルの分野でもアフォーダンスを利用したUIを作成する必要があります。たとえ、ユーザーの声を聞いたとしても、ユーザーの状態や操作を言葉にしてデザインにしてしまってはデザイナーとして失格です。

何が本当の問題なのかを考える

ユーザーの声や意見をそのまま反映させても改善できない場合、ほとんどが問題発見と解決方法(問題提起)が誤っています。

ログインができているか否かは、”ログインする前の画面かどうかわからない”ということですが、単純にログインしていなければマイページや管理画面を表示させなければユーザーは迷うことはありません。

例に出したサービスの1つは、品川区の図書館のサイトで2019年になって刷新されたばかりのサイトなのですが、トップページから書籍を検索したら、すぐにマイページ(ログインした時と同じ画面)が見えてしまって、ログインしているかどうかがわからなくなっています。

品川区の図書館のトップページ
トップ検索して遷移した結果のページ

トップから検索して、デザインも一新した異なるデザインの検索結果ページが現れました。私は、画面の書籍の検索結果をみて、すぐに予約ボタンを押すのですが、オン・オフになるだけで何が起こったのかわかりませんでした。

同じようにユーザービリティテストを数名に行ったのですが、誰もが「あれ?」となっていました。以下に動画もつけておきます。

図書館のページの動線

動作を促すテキストもNG

上記のようなユーザーの状態を示すもの(ログインの状態)だけでなく、ユーザーをナビゲートするために動作を方法を文章として案内しているところもあります。一見、丁寧に見えますが、実は文字が多くなりわからない状態のデザインを実装しているに過ぎません。

某銀行サイトの例:ユーザーの動作「クリック」をテキスト表示

この問題は、「現在のログイン制限の状態」未設定→設定中」の意味と下の注意書きの意味がよくわからず、どのように設定すべきかわからないという問題に対して、ボタンをクリックするように促すメッセージを載せたに過ぎません。

ユーザーは目を凝らして見るでしょうが、どうしていいのか理解できなければ設定変更ボタンを押すことはありません。

デザインに文字を入れてしまうのは絵がかけないイラストレーターと同じ

ものまねで、ものまねしている人の名前を言うのはものまねが上手でない証拠ですが、イラストもそのイラストの名称が記載していたらイラストが下手ということになります。

WEBデザイナーやサイト更新担当者(ウェブ担当者)であれば、UIを学びユーザーの状態や操作してほしい言葉を付け加えないデザインをしましょう。

UIにテキストがあるのはイラストに名前を記載しているようなもの

この記事を書いた人:大本 あかね

UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント 著書 ・ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインGoogle Search Consoleの教科書 毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。 UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう! スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。