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ナッジを使う前に考えること

「ナッジ」”人の心理や思考にあわせて、難しいことや難問をそっと良い方に示唆する。”という意味です。

人は、同じ金額がもらえる場合においても、確実にもらえる方を選ぶ(プロスペクト理論)思考傾向があります。これらを利用して、上手に売ろう!と注目され、マーケティング業界からも書籍がたくさんでています。

UX DAYS TOKYOのワークショップでも、行動経済学の名前で開催していましたが、スピーカーのロキシーとジェロームは、「行動経済学」と言わず「行動科学」と解説していました。

ワークショップでは、ナッジマインドに基づき、行動経済学の要素をカードを使って、ウェブサイトに利用する方法を学びました。手法だけでなく、心理を学ばなければそれらを活用できないので、心理学用語などUXに関わると思われるものをスタッフと一緒に学んでいます。

「行動科学」の言葉を聞き、受講後もいくつかの書籍を読み、日頃の生活の中のナッジってなんだ?と常に考えています。そんな中、「データで見る行動経済学 」を読むことで、どんな仕組み(ナッジ)には違和感を持つのか?、考え方の違いが国や文化、捉え方で結果が違うことを学び、ナッジの線引が難しいことと合わせて、本当にナッジマインドがないと駄目だと思うようになりました。

行動経済学関連の書籍タイトルはナッジ思想か?

日本でも、マーケティングの中で、行動経済学や心理学を利用して、人を変えよう、誘導しよう、〜〜させよう、というタイトルの書籍を目にします。確かに、人間心理・思考を上手に利用して、商品やサービスを誘導する方法が記載されています。

しかし、たいていの多くの書籍には、大切なものを記載していないと感じました。それは、コンセプト・信念・理念の重要性です。そのため、行動経済学も小手先の手法に化けてしまっていると感じました。

ナッジの線引は難しい世界ではあるものの、プロジェクトやサービス、会社は、そのコンセプト・理念が大切です。それらをベースにナッジを上手に活用しなければ、ナッジは単なる騙しになります。

ナッジはコーチや先生と同じ

ナッジは、ユーザーや顧客などをそっと導く先生でなければなりません。先生が悪い人であれば、良い子供が育たないのと同じで、先生の考え方が重要になります。それがコンセプトです。売上だけを目指して騙す詐欺師になってはいけないのです。

人を変えるのではなく、ナッジは人に提案するだけ

行動経済学の書籍の多くは、「人を変えてあげる」「誘導する」「コントロールする」と記載されていることが多いです。

ナッジはあくまで、謙虚な姿勢が必要で、人を変えてやろう!なんて、上から目線では駄目です。あくまで、ユーザーには自由な選択が必要なのです。

人を自分の都合の良い様に変えてやろう。という姿勢は、ナッジとは反対の”スラッジ”と呼ばれる行為になります。相手を自分の思い通りに動かすと思っている考え方は、マインドコントロールでしかありません。

スラッジはダークパターンを生み出すだけ

スラッジマインドで心理学を利用する人は、ダークパターンしか生み出しません。結果的に、会社やブランドの名前が汚れ、長続きしないプロジェクトになります。

ナッジを使う前に、ユーザーにとってナッジになっているかを考えて設計しましょう。

スポーツジムでのナッジ

スポーツジムには老若男女が通っているため、ルールが存在します。私が通っているスポーツジムでは、ランニングマシンは60分以内の使用と決まっていて、終了時間を記載して次の人に何時に空くのかを示さなければなりません。

昼間のガラガラの時間帯に走っている人に、スタッフが「終了時間記載してくださいね」と注意していました。人は注意されるのが嫌いなので、あまり心地よくありません。しかも、走っている時にです。

言われた側は気持ち良くもないですし、「こんなにガラガラなのに、うるさい。」と思うものです。いくら自分が悪くても、自分を否定しないのも人間心理です。

スタッフからすれば、ルールを守ってほしいから注意しただけと思うかもしれませんが、こういう時こそ、ナッジを使って、大体の目安をスタッフが記載しておけばいいのです。

終了した時に、「あれ?時間が記載されている。」と思えば、次回から記載する人もでるでしょう。ルールの目的は、次の方に時間を知らせることにあり、ガラガラだとその目的もそんなに重要ではありません。

何より、快適に走っているお客さんに、あまり嫌な思いをさせずにさりげなく知らせることが大切です。

UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント 著書 ・ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインGoogle Search Consoleの教科書 毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。 UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう! スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。

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