UX DAYS TOKYOに興味を持っていただく方はたくさんいて、1つの企業から4名〜10名と参加される企業様があるなかで、なぜか企業の1名だけが参加して、そのスタッフから社内勉強会をやろうという動きがあります。これは2018年に限った動きではなく、2008年のWDEを開催した時から同じです。
内容には興味があり勉強したいけど、お金を払いたくない。そんな方が少なからず存在しているようです。個人的な考えなので否定はしないですが、危険も伴っているため、それらを理解する必要があると思い、記事化しました。
人を介した学びは鵜呑みにしない
ワークショップやイベントの感想は、内容はともあれ人ぞれぞれです。感想であれば良いのですが、理解に関しても同様です。言葉が悪いですが、参加者の中にはキチンと理解できていない方もいらっしゃいます。
仮に理解していない方が会社の代表として参加していたら、間違った理解のまま広がってしまいます。
もちろん、スライドがあるので中身はそれなりに理解できるはずなのですが、実は落とし穴があって、スライドの中身もキチンと理解していないと解釈を間違えてしまいます。スライドは、決して良い例として出していることばかりではありません。スライドの内容より、何を話しているのかが重要です。
受け止め方や学びが人それぞれだからこそ、できるだけたくさんの方に参加いただきたいと感じています。そのために、参加人数が多くなるぶんは、より割引が受けられるように工夫しています。
金額だけしか評価できない人にならないで
全員ではないですし、価値を理解している方は「安い」とまで言ってくれますが、中には”参加費が高い”と値段だけを見て仰る方がいます。その基準は、どこにあるのでしょうか?
私は、100円で買えるものが150円や200円で販売している時に高いと思いますが、100円が100本で10,000円の場合は高いと感じません。価値は人それぞれですが、単純に金額だけで高いと評価するのは良くありません。
カンファレンスの価値とは?
今の世の中、インターネットで検索すれば(その情報の正確性はともかく)ある程度の情報を拾うことができます。そのため、カンファレンス参加の価値は、情報を得られることに価値を置くのは賢明ではありません。
もちろん、自分の情報網だけでは知り得なかったことを知ることもでき、知識欲も満たされることがあっても、それは価値に値しないと感じています。
では、カンファレンスの価値は何か?
私は、大きく2つあると考えています。1つは、体感できるということです。そのことで、もう1つのモチベーションをアップさせることができると考えています。実際、参加者の多くは英語でのセッションのため英会話に行きたいという願望が出て、通う方が増えています。つまりモチベーションを上げることができます。
サンフランシスコで開催されている「UX WEEK」は20万円から
ちなみに。UXDTにもAdptivepathの方に多く登壇していただいていますが、そのAdptivepathが主催するUXイベント(UX WEEK)は20万円からです。アメリカ本土で実施のため、交通費や通訳代がないため、運営的にはリスクも少ないので羨ましいです。
体験することで、今の日本が存在する
スフィンクスと34人のサムライの体験
参加するにあたっての価値の1つ目として、「体験できる」と説明しましたが、”体験や経験、出会い”は、人や人生を変えることがあります。
今の日本があるのも、スフィンクスと写真撮影したサムライとして有名な池田 長発(いけだ ながおき)隊のお陰かも知れません。幕末に彼らは鎖国再開の取り付けを行うためフランスとイギリスに向かったのですが、フランスで西洋の凄さを体感し、結果的に帰国して鎖国再開を撤廃するように幕府に伝えました。この行為は自殺行為だったとのことですが、今の近代社会が日本に存在するのも彼らのお陰と言っても過言ではありません。実際、訪仏した34名の中から、日本初の病院や商社などを設立した方が何名もいらっしゃいます。
スポーツも同様で、ライバルがいると自分も強くなると言います。良い環境、場所は自分を高めてくれます。その場所に身を置いて感じることは、情報だけでないものを生み出します。これは凄く大切で、自分のモチベーションアップに一役買ってくれます。
自分の心はコントロールできると考えている方も居ますが、魅力的な方にあって刺激を受けることは自分ひとりでは到底できません。
自分で参加し成長させることが大切
ダイヤモンド社の記事で、大企業が量産する「時代遅れのオジサン」にならないためには というものがありました。その中で、思い込み(バイアス)が自分を時代遅れにしていると記載しています。
正直、以前はLINEやFacebookメッセンジャーを使って業務のやり取りをすることに抵抗感がありましたが、テクノロジーやサービスが凄まじいスピードで変化している現在、思い込みや先入観を持って物事を見てしまうのは頭が固くなっている証拠だと大いに反省しています。
年齢を重ねさまざまな経験を積んでいくほど、どうしても思い込みや先入観で物事を見てしまいがちです。しかしそれらを取っ払って新しい動向を観察し、体験し、学んでいく姿勢を持っていないと、どんどん時代の変化に取り残されてしまうでしょう。気がつけば転職市場で需要がない人になってしまいかねません。
時代は流れているので、時代の流れを察知するのもビジネスには必要です。学びは何歳からでもできますし、学びや成長がなくなったら死んだのも同然です。
流行り廃りでなく、自分が興味を持ったものを、基礎から正しく学び、そして深く学ぶ、研究できるようにしたいです。基礎をキチンと腹落ちして理解できれば、それらを研究する力が付きます。その研究や学びが、自分の強みになり自信になります。決して、人からの意見を鵜呑みにして学ぶことをやめないでください。基礎や概要だけでわかった気にならないでください。どの世界も深く学ぶものは多くあります。
できれば自分で参加、でも共有は。。
自分が学ぼうとしているものを人を介して学ぶことは、伝言ゲームを行っているのと同じで、全く同じものを学べる訳ではない、ということを前提にしておきましょう。
全てのワークショップに参加したいけど、身体は1つしかないのでどうしても社内で共有せざるを得ないこともあります。できれば自分で参加が一番良いですが、どうしても共有するという時には「全て同じではない」ということを理解しておきましょう。