UXは視点であり、思考である

先日、WASEDA NEOで「UXの基礎の基礎」というテーマで講義をさせていただきました。

普段、デザイナーやエンジニアなどの制作者を対象に開催するワークショップが多かったのですが、今回はビジネスマンやマーケターの方が多いということで、どのように伝えたらいいのか?と、いろいろと考えてスライドを作りました。

今までのワークショップでも、「UXは視点と思考」ということを伝えています。しかし、ビジネスマンにとっては、経営・ビジョナリー・コンセプト企画など当たり前であるため、「なぜ、UXがビジネスで必要になったのか?」また、「マーケティングとの違いは何なのか?」を中心に紹介させていただきました。

そして、数多くワークショップを行って見えてきた、日本でのUX浸透に関する問題点も含めてご紹介しました。

道具は道具でしかない

3年ほど前、某大手通信企業で研修を行いました。要望を聴くとジャーニーマップを使う方が良い内容なのに、「ジャーニーマップは知っているし、使えないツールという認識がある。」と言われ、それ以外のUXを学ばせてほしいという依頼でした。

良く聞くと、ある研修でジャーニーマップの書き方を覚えたけれど、使っていないとのことでした。なぜなら、ツールの書き方やプロセスを踏んで学んでも「何のためのものなのか?」、「何をどのように見るためのものか」が理解できていなかったからだそうです。

当然、目的がわからなければ仕事(現場)に導入することはありません。わからない故に、それらのツールは邪魔な存在で、時間やお金(コスト)がかかるという認識になってしまったようです。

絵に描いた餅 韓国語
引用:http://korean.k-plaza.com/enikaitamochi

やり方を教われば、ジャーニーマップは誰でも書くことはできます。しかし、それをもってどのように見るのかが、UXでの腕の見せ所です。視点や思考を学ばずして、プロセスだけを学んでも何の価値もありません。

WASEDA NEOの講座では、これらの失敗例を元に、UXとUIの関係性やUXを広めるための考え方も紹介したので、きっと制作者畑の方にも参考になった内容だったと思います。

ジャーニーマップもストーリーボードも、可視化させるためのツールということは浸透してきましたが、それをもって、何を得るのか、そのための視点と思考を身に着けてほしいです。そのためにも、“UXは視点と思考である”ことを浸透させていきたいと考えています。

この記事を書いた人:大本 あかね

UX DAYS TOKYO オーガナイザ/デジタルマーケティングコンサルタント 著書 ・ノンデザイナーでもわかる UX+理論で作るWebデザインGoogle Search Consoleの教科書 毎年春に行われているUX DAYS TOKYOは私自身の学びの場にもなっています。学んだ知識を実践し勉強会やブログなどでフィードバックしています。 UXは奥が深いので、みなさん一緒に勉強していきましょう! スローガンは「早く学ぶより深く学ぶ」「本質のUXを突き止める」です。