2016年5月27日におこなれた「UXSF 2016 Spring」に参加してきました。午前の仕事がどうしても外せなかったので午後からの参加になってしまいましたが、SONYの平山 智史さんのお話の中盤から参加することができました。途中からの参加だったので全てではないということでレポートを記載させていただきます。
SONYの失敗とこれから
私が参加したのは、製品が衰退する時期とそれに代わる製品やサービスについてのお話からです。製品が衰退する際には次なるイノベーションが必要で、カスタマー(ユーザー)を見ないビジネスは敗北するという話でした。
SONYが出したMP3プレイヤーは、店頭で音楽を販売しているクライアントを見据えるとどうしてもカスタマーだけを見た商品開発になりきれなかったそうです。
その結果、音楽プレイヤー機器で勝利したのはアップルで、当時は競合だとは思っていなかった企業だったそうです。その他、音楽販売する仕組みも変化しサービスや商品も変更していく必要があるとおしゃっていました。
この失敗からSONYは今後クラウドファンディングで資金を調達しながら、ユーザーの声を拾ったサービスを提供していきたいとお話されていました。その中の商品として、SONY テニスセンサーやAIでの測量を行うドローンなどを紹介しました。
(引用:朝日新聞「ソニーがドローン参入、技術生かし測量や点検事業に」)
(引用:Engadget「テニスのショットを分析できるラケット」)
B2Bの枠があることで超えられないものがありつつも、それらを無視してでもビジネス成功を収める必要があるのだと感じました。
UXを組織に取り入れるには?
次に、マーク・レティグ氏から、UXを組織に取り込む方法としてセッションが行われました。欧米のセミナーのアプローチは凄く好きなので終始とっても興味深く聞くことができました。
その中で凄く共感できたのは、会議等で言えないような雰囲気にさせない。ということです。
いくらクライアントが居ても、クライアントの意向が間違っていれば恐れなく発言する。また、そういった発言できる場所を作るということに感銘をうけました。
もちろん、デザインを行う人がチーフ「C」がつく役職になるのも必要ですが、デザイン上、オレンジが良いとなった場合に、いくらコーポレートカラーが青でもオレンジに近づける方法(この辺りは抽象的なものを具体的表現しているのでテキストになるとより伝わりにくいのです。)が必要で、現場でもこう言った組織づくりは重要だと現場を通しても感じるところでした。
デザインを行う人がチーフ「C」がつく役職に付く必要性に関しては、前回おこなわれたUXSF2015のスライドを参考にしてもらえると良いと思います。
このセッションの中に「C」と付く役職の方のアンケートで「一番意見を重要視するのはCEOなどのチーフ(上層部)の意見」という結果がビックリしたのですが、それは、元々CEOなどの上層部はユーザー、カスタマーを見据えた考えがあるからだと言っておられたのが印象的でした。
話が少しだけそれてしまうのですが、先日、某企業の社長とミーティングさせていただきました。社長は、自社の弱みや問題点を持っており、積極的にUXを取り入れたいと話されていました。そのため、上記の話のように「C」の付く方は意識を持っているという事は凄く納得できました。
しかし、残念なことに、その企業のサイトは、社長様の意図が組み込まれていません。逆に上層部もUXなどのデザイン関係に疎い部分も多くあります。ソシオメディアの篠原さんが前回のUXSFで解説されているように、上層部には「デザイン思考」、現場では「カスタマー、ユーザー思想での実装方法」をもっと身につけるべきだとも感じました。
5月31日にはよりUXを組織に浸透させるためのワークショップが開催されます。
お申し込みは[peatix]から